フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2007-04-23-Mon-21-53

イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ/乾くるみ/文春文庫

大学生の「僕」は、生まれてはじめての合コンで「まゆ」に出会った。
それまで女性というものに縁の無かった僕の生活が、まゆの登場によって見違えるように色づいていく。

週に一度金曜日の逢瀬、
知らない店で、自分たちの好きな本の話をした。
皆で行った海、
二人の仲がばれるのが恥ずかしくて、お互いに知らないふりをした。
ふいに訪れた彼女の部屋、初めて体をあわせた日。
そんな二人にも時は流れ、僕が就職し、東京で暮らすようになる。
距離は離れても、二人の関係は変わらないはずだった・・・

バブル期の静岡を舞台にした青春小説。
初々しい恋愛小説のように輝いているけれど、これといって特徴のない物語のように見える。

しかし作者の狙いは最後の最後、「ラストから二行目」で明らかにされる。
そう、これはあくまで「恋愛小説」ではなく「ミステリ」なのだ。

タネが明かされてしまえば、そんなに目新しいひっかけでもないな・・・とは思うのだけど、それまでの流れが自然だっただけに、素直に「おぅ」っと思ってしまいました。
文庫裏表紙の『必ず二度読みたくなる』という文句も過言ではなかったですね、だって実際私は頭から再確認しちゃいましたもの。
要所要所の小道具もきちんと消化されていて、思い返すと「あれがあーなって・・・あ、そうかそうか・・・」と、もつれた糸がきちんと解きほぐされていくのが心地よいのです。

私がミステリを読むのは「謎が解決されていく」快感と、「あ、そうだったのね!」という「騙されていた」快感が気持ちいいからなのですが、これは久しぶりに「騙してくれた」一冊でした。
とはいっても最初っから「引っ掛け」があると知りながら読んでいたので、もやもやとしたものは感じながら核心に気づかなかった自分がふがいなくもあり・・・、諸手をあげて「完敗!」と叫びたくなるほどの「引っ掛け」ではなかったですかね。私よりちょっと勘のいい人なら途中で気づけたのかもしれない。
「びっくり」感では『ハサミ男』『この闇と光』のほうが上でした(あくまで、自分内対比ですが)、が、これは「もうちょっとで気づけたのに、結局作者の手口に引っかかっちゃった自分が悔しい」という理不尽な憤りなのかもしれないです・・・・でもそれが快感でもあるんですけど、わあ、支離滅裂。

乾くるみって、『Jの神話』しか知らないので「とんでもない話を書く人だぁ・・・」という印象しかなかったのですが、これでだいぶ認識が変わりました。うん、これなら他の人にも薦めやすい(笑)

いやー、ミステリって本当にいいもんですね。

イニシエーション・ラブ イニシエーション・ラブ
乾 くるみ (2007/04)
文藝春秋

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COMMENT

2007-04-24-Tue-22-08

慟哭

は、私はわりと最初のほう・・・3章目か4章目で「もしかして?」って気づいちゃったので、残念でした。
性格悪いから、私★

ひっくり返される話は大好きです。
『ハサミ男』を教えてもらったご恩は忘れません。
他にもそれ系の話があれば教えてくださいまし。
2007-04-23-Mon-23-01

ハサミ男

は、私も最後までわからなかった。ほんとに小気味よくひっくり返された。あとは「慟哭」ですかね。あっちは後味悪かったけど、素直にすごいと思ったよ。

この本おもしろそーだねー。
読んでみるよー。おちついて読めそう(笑)
最近離れ気味なので、君のミステリ評は参考になるよーありがとう。

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