フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2010-10-13-Wed-23-24

星間商事株式会社社史編纂室

星間商事株式会社社史編纂室/三浦しをん/筑摩書房

半年もほったらかしでしたごめんなさい・・・。
時系列順に記事を書いていこうとずっと思っていたのですが、そんなことしてたらますます億劫になるのが目に見えているので、とりあえず今日読んだ本の感想からUPです。
おいおい以前の記録も書いていきたいと思います。

で、今日のこの本。
いかにも三浦しをんらしい本だなあ、という印象です。

・主人公は30歳間近の閑職(社史編纂)OL。趣味は同人誌制作。オリジナルJUNEを学生時代からの仲間と作って楽しんでいる。
・主人公の恋人は放浪癖ありのフリーター。気付くと海外を旅している。
・物語の中心は、大人としての変化(結婚とか出産とか)を迫られる女性主人公の揺れる心情と、社史編纂の中で明らかになる過去の星間商事の信じられない歴史。←これにもまた、物語が絡んでいる

ということで・・・まとめるとなんだかよく分かりませんね。
私も実際、読んでみるまで「同人誌趣味のOLが社の秘密を暴く?ってなんじゃそりゃ」と思っていたのですが、実際読んでみたら、その通りの本でした。
まあ『会社の秘密を暴く』といったところで、三浦しをんですから、サスペンスフルな巨悪を暴く推理もの!とかにはならないんですけどね。

でもやっぱり作者自身が同年代だからでしょうか、自分の生活は変わっていないのに、同い年の友達が結婚して出産して「立派な大人になっている」ということへの違和感や、「趣味を辞めて人並みの幸せ」を選ぼうとする友達への言葉に出来ない苛立ちとか・・・今の自分への不安と周囲からのプレッシャーと、『でも今の自分は捨てられないよ』っていうプライドとか。
そういうね、あまりにも共感できる立ち位置が・・・共感できてしまうのです。
同好の趣味のある方ならば、きっと何がしか思うところはあるんじゃないでしょうか。
まあ穿った見方をすれば、「そんな楽しいだけで同人やってられるかよ」とか「会社、ゆるすぎんだろ」とか・・・という意見もあるんでしょうけど。

傑作!ではないにせよ、じんわりとくるお話でしたよ。
作中に、劇中劇としてショートストーリーが挿入されているのも面白い趣向。好き勝手にやってんなあ、という印象も受けましたが(笑)
会社のくたびれたサラリーマンと営業のBL(主人公作)とか、海賊と金の瞳の少女のラブロマンスとか・・・これまでのしをんのエッセイや作品をいくらか読んだことのある人なら、「趣味まるだしじゃーん!」と思ってしまうでしょう。
でも許せる。笑える。
それはきっとこれ書いてて楽しかっただろうなあ、と思えるから。
楽しんで書いているという雰囲気が頁から溢れて、こちらも楽しくなるからだと思います。

創作するということはもちろん楽しいことばかりではないけれど、自分の血肉を削ってものを作るという人たちももちろんいるのでしょうけれど、でも一番根源にあるだろう原始的なところは、『楽しいからものを作る』ということだと思うのです。
それを見てもらいたい、褒めてもらいたい・・・と思うのは、第2、第3のステップなのであって。
もちろんそれがなくては人目に触れることにはならないし、そうでなくては『創作する』という事実にすらならないのかもしれないのですが。

まず自分が楽しまなくては、人を楽しませることは出来ないと思うのです。

大それた理由なんてなくたって、ただ好きだからやっているということ。

主人公の言葉を借りるなら、「書いたり読んだりするのは楽しい」ってことですね。

三浦しをんのこういう話を読むたびに、ああこの人は物語を愛してる人なんだなあと思うのです。

星間商事株式会社社史編纂室星間商事株式会社社史編纂室
(2009/07/11)
三浦 しをん

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川田幸代。29歳。会社員。腐女子。彼氏あり(たぶん)。仕事をきっちり定時内にこなし、趣味のサークル活動に邁進する日々を送っていた彼女は、ある日、気づいてしまった。この会社の過去には、なにか大きな秘...


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