フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2010-02-08-Mon-00-14

げんしけん

げんしけん/木尾士目/講談社アフタヌーンKC

超今更ですが、友人に借りていた単行本全巻を返す前に再読一気読みしたので感想です。
アニメにもなった人気漫画ですね。完結したのは2006年・・・と、もう4年も前になるのか。

舞台は都内にある某大学の某サークル。その名も『現代視覚文化研究会』。
ごたいそうなサークル名ですが、やってることはただひとつ、ただひたすら漫画を読んでアニメを見てゲームをして・・・と、要するにそういうオタク趣味の仲良しサークル。漫研を追い出された人々が集まったような離れ小島のような場所、それが「げんしけん」なわけです。
(そういうわけで、ここで私は写真部に入れなかった入らなかった人々の巣窟である『光画部』(by究極超人あ~る)を連想しました。そういう人は少なからずいると思う)
つまりそういう、オタク趣味を持った大学生たちのオタク趣味にまみれた青春を描いたオタク的若人ライフ漫画・・・と、非常にざっくりした説明をするならばそんなかんじではないでしょうか。
まあいかにオタクといえども人間ですから、ましてや大学生なんて二十歳前後の若者たちなわけですから、そこにこう人間関係のしがらみとかなけなしの恋愛感情とか、オタク趣味そのものに対する気持ちとかそういういろんなものがぐつぐつと闇鍋のように煮えたぎっているわけですが。

で、感想なんですが。
・・・感想を書くまえにちらりとネットでレビューを斜め見してきたわけですが、わりあい好評なようで。なんというか、正直・・・・「意外」でした。

「オタクのリアルな青春がここにある」とかね、
「俺たちのための物語だ」とか、
「感動した」とかね。

・・・なるほどなあ、と、そのシンプルな感想が逆に私にとっては意外でした。
いえ、『げんしけん』は面白い漫画でした。読ませる力があります。オタクとして分かりすぎる描写だらけで、ぐいぐい先に進みます。でも読み終わってしばらく、今の胸の中に残るのは「もやもやしたかんじ」なのです。
人によって思うところはさまざまでしょうが、とりあえず自分的に引っかかったところを上げるならば、

・高坂・春日部カップルの「オタク×一般人カップル」の問題がスルー。

これ、1巻を読んだときにはこれがシリーズ中のひとつの主題なんだろうな、と思ったんです。でも結局この二人の関係は1巻当時からあまり変化がありませんでした。というか春日部さんはいいキャラだったと思うのですが、高坂のキャラクターがもったいなさすぎます。使いこなせきれてないかんじがしました。

・笹原・荻上カップルについて。

これは、ねー・・・。荻上のキャラが好きになれなかったんですよ。
どうでしょうね、仮に私が荻上と知り合える範囲に居たとしたら上手くやっていけない気がします。彼女の過去の話もあってそれに共感する腐女子たちもいるのかもしれませんが、中学時代からほのぼのとぬるい腐女子仲間に囲まれて楽しくやってきた自分にとっては、彼女の存在が痛々しくて。まあ同情すべき過去ではありますが、その過去から解放される手段が笹原(男)による・・・なんというかな、認められること、というか、許されること、というか。ちょっと違うかもしれませんが、そういうものだったことも腑に落ちない。安易にすぎないか?というか、笹原が荻上に惹かれる理由が分かりません。コスプレ姿にぐっときたから・・・って、まあ実際の男子なんてそんなものかもしれませんが、オタクたるもの、もっとまだるっこしい理由が欲しいのです。作中のイベントにやってきていたかつての荻上の同級生たち、つまり中学時代に彼女を陥れた仲間たちとの確執とか・・・その辺にもっとページ数をさけて、荻上がもっとちゃんと自分の中で自己肯定できる過程を描かれていたら、もっと違う感想になったのかもしれない。途中で出来た漫研の子はいい子だったな。

・「リアル」なのか、これは?「理想」だろう?

ですね。
自分はそれこそ小学生のときからアニメ雑誌を買っていて、それを友達とまわし読みしたりもしていました。中学のときにはアンソロジーや同人を貸し借りして、高校時代、大学時代はなにをかいわんや。そんなわけで「オタク友達が欲しいよう・・・」なんて方々に比べたら恵まれたオタク人生を送っているとは思うのですが、「げんしけん」みたいに、ある意味リア充なオタクライフとも違う人生なわけで。そんないちオタクから見たら、「げんしけん」の皆さんはとってもキラキラしたオタクでまぶしすぎるのであります。

というわけで、私が一番好きかもしれなかったキャラクターは斑目先輩でした。あのヘタレ具合。言い出せないよね、うんうん。なんだか共感できるなあ。

というわけで非常に好き勝手な感想文でしたが、結局キャラクター云々というのは、「そもそも連載当初に何を描きたいのか明確化されていなかった」のではないかなあ、と思います。
うーん、わかんないけど。
だらだらゆるゆるしたオタク大学生漫画を描くつもりが、いつの間にやら恋愛矢印が飛び交う青春キャンパスライフ漫画になっていったんじゃないのかなあ。各キャラクターの書き込みが浅い(と、思えてしまう)わりに、群像劇というほど幅広くもなくなっている(話数があったわりに、メインキャラ以外のエピは少ない)のは、そのせいではないかと。
あと個人的にはクッチーのキャラもね・・・。
確かにリアルにいたらお近づきにはなりたくないタイプですが、現実にいそうなんですもん、ああいう人。彼が対人関係を学んで言って、もうちょっと皆に溶け込めるという描写があってもよかったんじゃないのと思ってしまうんです。ヘタしたら自分があのポジションにいるのかもしれないという恐怖から逃れられないオタとしては。彼の数少ないモノローグとか見ると、普通に悲しすぎるんですよ。でもまあ「げんしけん」的には十分彼を受け入れてもいるのかな、とも思いますが・・・どうだろう。単にいじられキャラとしてのクッチーなのだったら、いっそいなくてもよかったと思います。

うーん色々考えたのですが、どうもうまくまとまりませんね。
なんだかオタクのリアルな部分と、非常にファンタジー(夢見がち?)な部分が混ざり合っていて、どちらがメインだったのか上手く咀嚼できなかったというのが一番正直な感想かもしれません。
もっとこう、オタクの楽園なんだよ!みたいな楽しいだけのテンションのオタク漫画としての読み物を求めていたのかな。そうかと思いきや、対人関係にズバッとくる話もあったり。(←でもそれは根暗な自分的には満足がいくまでディープなものじゃなかったわけですが・・・)
いったい何が書きたいのか、最初からがっちり固めて描いてくれればもっと読みやすくなったんじゃないかなーとも思いますが、この散漫な雰囲気が今時というものなのかもしれないですね。
(途中に登場してきた外国人キャラとか、完全に萌えネタですよね。いらないですよね、あの子。ああいうのがポンッと出てくるから、この作品をリアル恋愛ものと読むべきかネタ漫画と読むべきか分からなくなってしまう。高坂のキャラクターもそんなかんじ)
オタク向けならオタク向けでもっと極めちゃってくれよ、と思うのは自分がオタクだからなのであって、これはオタクもパンピーもともに楽しめる「オタクテイスト恋愛漫画」というものなのでしょう。・・・よくも、悪くも。

まあ、ともかくオタクにまみれた青春を送った人ならいろいろ思うところのある作品だと思います。
これだけ色々言いましたが、別に私は『げんしけん』が嫌いなわけじゃないんですよ。だって嫌いだったら二度も読み返さないでしょう。オタクだから、この作品に入り込めてしまうからこそ色々感じちゃったんだということでご理解いただけたらありがたいです。
斑目先輩視点のサイドストーリーとかあったら読みたいかもしれない。
きっとそれはそれは切ない一人語りものになるのでしょうね。

げんしけん (1) (アフタヌーンKC (1144))げんしけん (1) (アフタヌーンKC (1144))
(2002/12)
木尾 士目

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貸してくれた初音さんありがとう!
そろそろ返しますね!

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