フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2009-07-22-Wed-17-26

左近の桜

左近の桜/長野まゆみ/角川書店

ずいぶん久しぶりに読んだ長野まゆみ。
長野まゆみは私的には若干当たり外れのある作家なのですが、今回は無事「当たり」でございました。よかったよかった。

主人公は、左近桜蔵。男子高校生。
「桜蔵」と書いて、「さくら」と読む。彼はこの名前を決して気に入っていなかったし、まして雅な由来がありそうで実はない苗字を名乗るのも気が進まなかった。
彼の家、「左近」は、看板を出さない宿屋を営んでいる。世に言う、「連れ込み宿」だ。
妻子持ちで世間では名の知れた紳士連中が、こっそりと情人を連れ込む場所・・・おまけに、その情人はたいていが道ならぬ相手、つまり、男だったりする。
そんな稼業の家に生まれた桜蔵自身もまた、父の分からない私生児だったりする。一応父だと認識している人物はいるけれど、その男が決して遺伝子上の父でないことは確信しているのだ。
そんな生まれの桜蔵には、不思議な癖があった。
この世ならぬもの、この世とあの世の間に住まうものを、拾ってきてしまうのだ。
桜舞う季節に駅で出会った男、霊園の中に横たわる男、雨の夜に尋ねてきた蝶の肌をもつ男・・・どうしたわけだか、男ばかりを。
父も、宿の常連も、桜蔵をさして、「女」だと言う。
戸籍上も生態学的にも一人前の男であるはずの桜蔵を、「女」なのだと。
反発する桜蔵は、だが確かに「女」なのだ。
ある特殊な目をもつ男たち、この世ならぬ者たちにとっては・・・。

というわけで、異界モノの連作短編集です。
『家守奇譚』とか『百鬼夜行抄』とかそんなかんじですね。一応舞台は現代のはずなのに、まるで明治大正あたりの日本が舞台であるかのようなノスタルジックさを感じるところが、長野まゆみワールド。
現実世界との狭間を超えてやってくる異界のものとの遭遇と、ほのかに香る性の匂い。
ザッツ☆長野まゆみってかんじです。
好き嫌いはあるんだろうけど、好きな人にはたまらない作品なんじゃないかなーと思いました。

左近の桜左近の桜
(2008/07/24)
長野 まゆみ

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解決されない部分いくらかあります。
結局羽ノ浦の正体は?とか、骨壺云々は?とか、征が思う相手は誰なの?とか・・・。
でもまあ全部が全部を割りきらないところも、この作風なら許せるというか。余韻というか、そんな味わいになっているんじゃないかな、と。
こういう設定の主人公にあえてガールフレンドの存在を匂わせているのが初期の長野まゆみとの違いかな?とも思いますが、ここまで存在感薄いんじゃ、あんまり居る意味ないよな・・・と思ったり。ううん・・・

ちなみに読んでいる間中、頭の中で藤たまきの絵柄が浮かんでいました。
匂うBL臭、だけども決して露骨でいやらしくはなくて、懐かしい文学風の・・・というか。
一見柔らかそうなのに硬質な、独特の存在感。
漫画化するなら藤たまきだよなー、と思いました。

COMMENT

2009-07-28-Tue-23-54

おお、なんというシンクロ率v
長野まゆみはたまに読むと意外なほどツボにくる時がありますね。『左近』はタイトルで手に取ったのですが、正解でした。未消化なところがあるなと思ったら、どうやら続きものみたいですね・・・そのうち続編も読みたいです。
言われて見れば今市子、納得。
あと自分がどうして藤たまきだったのかって、『シーナ』とかぶってたせいでした。今更気付いた。
2009-07-27-Mon-23-42

シンクロ率400%

ちょうど同じ時期に読んでたんですね。
私も久々の長野ワールドにときめいてました。
なんなんでしょうね、この色気は。
絡めとられて、抜け出せなくなりそうです。

ちなみに、私の中では、
今市子絵になっておりました。

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