フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2009-03-06-Fri-22-12

余丁町停留所

余丁町停留所/入江相政/中公文庫

『城の中』で私のハートを打ち抜いたベテラン侍従長・入江さんの随筆集。ブックオフで見かけました!いやー嬉しかったです。こういうことがあるから馬鹿に出来ない、素通りできないんですよねー、古本屋は。

さて、『城の中』は侍従長として昭和天皇に仕えた日々が主として書き綴られていましたが、この『余丁町停留所』は、「余丁町」というのがかつての入江少年がすごした町名(よちょうまち、と読む)ということからも分かるように、徒然な思い出話となっています。

なんと余丁町の家は入江さんの父親が永井荷風から土地を譲り受けたもので、つまりお隣さんが荷風だったとか。ご近所さんが坪内逍遥だったとか。最寄の停留所の目の前が前島密邸だったとか・・・そんなことが、軽い筆致で書き記されます。
重すぎず軽すぎず、懐古趣味にどっぷり浸るわけでもない、あくまで飄々とした文章。
でもそんな中にも思い出の中の美しい日本、東京、京都の風景がしっかりと息づいていて、「近代日本」好きの方ならうっとり読めるのではないかな、と思います。

個人的に好きだったエピソードは、「遊びごころ」の、旧友とのちょっとしたお話。
ドイツ語で「ツァイトゲノッセ」。
同時代人、時の仲間、同じ空気を吸った友達とでも言うもの、らしいです。
同じく思い、同じく苦しみ、同じように楽しめる人のこと。
単に同級生、同世代人というだけではなく、あの時あの場所あの世界に一緒にいたからこそ通じ合う空気というものがあるんだよねって、それは確かに私にだってリアルに感じるもので、なんとなく嬉しくなったのです。

あと入江さんは冷泉家の分家筋らしいです。
ホホー、そうであったか・・・。

COMMENT

2009-03-07-Sat-23-54

固すぎず軽すぎず、な文体が素敵ー。
あふるる教養をきちんと咀嚼してるっつーかね。これ見よがしじゃないかんじが好感もてるよね。
私の中では飄々としたオジサマってイメージだよ。
2009-03-07-Sat-23-08

やあやあ。入江さんはすばらしいよね。
絵に描いたような侍従長というか、侍従長なんだけど。
漢文の素養がある人の筆致ってやっぱりいいよなと思います。

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