フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2007-01-05-Fri-21-21

となり町戦争

となり町戦争/三崎亜記/集英社文庫

映画前に早々文庫になってくれた本書。
『バスジャック』が結構ヒットだったので、期待しながら読みました。
さて、物語はタイトル通り日本国某所の「舞坂町」とその隣町である「森見町」との戦争を描いた物語です。
舞台は日本、時代は現代。だけど戦争。
その不条理な状況が「戦争という共同作業」との言葉でもって進行していきます。
主人公は舞坂町の1町民。突如始まった戦争に全くリアリティを感じられない彼の元にある日「偵察業務任命書」が届く。無作為に選ばれたとしか思えない事態だったが、彼は「これで自分も戦争を体感できるかもしれない」と思い、偵察業務に従事することを決意する。

しかしそれでも尚続く平穏な日常に「戦争」を感じることができない主人公。その一方で、すでに何人もの「戦死者」が出ているという事実。
この嫌な違和感が最後まで続きます。

「これは殺し合いではなく戦争という事業です」というお役所の言葉が妙に現実味があって不気味。
実際に戦争の一端を担っているにもかかわらず、どこか遠い国の内紛をTV越しに見ているかのような感慨しかもてない主人公はそのまま我々日本人像ということなのでしょう。
日本人にとって戦争はもはやフィクションでしかないのだ、ということをこういう手段で描いたのは「面白いなぁ」と思うと共に「ひねくれてるなぁ」とも。
作者さんはひょっとして役所勤めの方?と思ってしまうほどの事務的な描写、表現がとてもリアリティがあって(融通きかないのはウチの職場と一緒です)、そこが一層不気味で気持ち悪くて。
はじめから終わりまでずっとその違和感と不快さは続くのですが、でも、上手い、と思う。
この発想は「やったもん勝ち」かもしれないけれど、それをちゃんと読ませてくれたのは作者さんの力でしょう。
本当に不快なだけだったらさっさと読むの止めてますもん。

個人的には主人公と役所担当者香西さんの恋愛?部分が妙に浮いていたような・・・。

それにしても、これを映画にしようと思った人もすごいです。果たしてどんな出来になったのでしょう。とりあえず香西さん役の原田知世はぴったりだと思いますが・・・はてさて。

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