フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2009-01-09-Fri-22-15

グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ

グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ/飛浩隆/ハヤカワ文庫

今年最初に読んだ本。
お正月にこたつに入りながらにして、気分は真夏の楽園です。ただその楽園は、あまりにもあっけなく滅びさってしまうのですが。

すごーくおおざっぱなあらすじ。
物語の舞台は、電子空間に作られた「すこしばかり不便な、ノスタルジー感あふれる夏のバカンス」をテーマにした海辺の町。そしてそこに暮らす人々は細かく設定をつくられたAIばかり。作り物に暮らすものとして作られたAIたちは、自分たちが「AIである」という自覚を持ちながらも日々をおくっていた。
この町が作られた理由は、ただひとつ。
現実世界からやってくる「ゲスト」を満足させること、だ。
そしてそれはほとんどの場合、ひどく偏って残虐な性癖を満足させつということも含んでいた。どんなに無茶な要求をされても、自己の基本設定にプログラムされたとおりゲストの意のままになるAIたち。それは時に彼らの心に大きな傷を作るものでもあったけれど、ともかくここ1000年の間はそんなこととは解放された「夏休み」を彼らはすごしていた。
そう、この海辺の町には、もう1000年もの間、ゲストが来ていないのだ。
だがしかし、AIである彼らに詳細を知る術はない。ひょっとして管理者が破産でもしてほったらかされているのか、それとも現実世界の人類が死滅してしまったのか。あれこれ想像はしてみるものの、結局は変化のない日々が過ぎていく。
だがしかし、その「あまりにも長すぎた夏休み」はあっけなく崩壊する。
蜘蛛という名の異物、天使という名の圧倒的存在の前に。

・・・という。
世界観は抵抗なく受け入れられました。そして読みやすいです。私SFに慣れて来たのかしら、カノさん?あ、飛さんの文章が読みやすいだけですか。そうですか。

描写される夏の田舎町の美しい風景と、一方であまりにも容赦なく暴力的に虐げられるAIたちへの残酷さの対比が焼きつきます。
美しいものと残酷なものは、対極にあるものではなく、きっと紙一重のもの。
一片の影もない美しさなんて、きっとあまりにも明るすぎてつまらない。
そう、たまたま昨日読んだ本(文化史本)に書いてありました。
「人間は美しいものと同様に陰のものにも惹かれるものだ。どこか薄暗いものに心ときめく気持ち、それは大なり小なり人類皆が抱えている。もしそれを感じることができない人間がいるとしたら、それはとんでもない朴念仁だろう」ってね。
全然違う種類の本なのに、感じるところが似ているというのは、これもまた面白いことです。

ちなみにあとがきにあった作者の言葉は、「清新であること、残酷であること、美しくあることだけは心がけたつもりだ。飛にとってSFとはそのような文芸だからである」・・・ですって。
かっこいーね、この。

未刊行の続編、『空の園丁(仮)』が気になります。
昭和の地方都市、学園ものだって・・・想像が、つかない。

COMMENT

2009-02-08-Sun-23-21

げふんげふん。
まあSFへの道はそうそう簡単ではないということだね★SFアニメなら得意分野なんだけどな・・・たぶん雰囲気ではいっていけるからだな・・・。
ランゴーニ萌えできるかどうかは分からないけど、飛さんの文章はまだついていけるので挑戦してみまっす。10年以内に出る予定の「空の園丁(仮)」も、・・・ホントに10年以内・・・?
2009-02-05-Thu-20-08

悲しいお知らせ

私も久々に二巻の「ラギッド・ガール」を再読してみたよ。
それが、残念なことにあとがきに「『グランヴァカンス』ではSF的設定を一切書けないという制約があり~」とあったから君がSFに慣れたかどうかは…げふんげふん。
グランヴァカンスが舞台上の話なら、ラギッドガールはその舞台裏という感じでわりとばりばりのSFです。でも読みやすいと思う。
んでもって私と一緒にランゴーニ萌えしてください。いいよー蜘蛛の王ランゴーニ。
「空の園丁(仮)」は派手な展開を遂げるらしくて楽しみだけど10年以内に出ればいいなと個人的には思ってる☆

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