フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2006-12-31-Sun-11-54

小春日和

小春日和/野中柊/集英社文庫

年末年始の読み貯め用として買ったはずなのに、うっかり読んじゃいました。
最近好きなガールズ路線。児童文学・・・ではない、と思いますが、一般文芸かと言われると??です。小学校高学年~中・高生向けかな?とも感じますが、「大人が懐かしんで読む」本というのが正しいような。
古きよき少女漫画の世界です。

主人公は双子の女の子、小春と日和。
ごくごく平凡な双子であった姉妹の日常は、母の影響でダンスを習い始めたところから少しだけ変化をみせはじめる。
彼女たちのダンスを見た人から、CM出演のオーディションを受けてはどうかと勧められたのだ。
周囲の予想を裏切ってトントン拍子に話は進み、二人のCMは全国区の人気となった。突然変わった周囲の環境に戸惑う二人、子供の将来のことで言い争うことが多くなった両親、はじめて生まれる「相手(双子として)への違和感」・・・

ダンスは好き、きれいな服を着てCMに出るのもうれしい。
けれどそれと同時に感じるのは見知らぬ人から勝手にキャラクターとして見られてしまうことへの戸惑いと先の見えない将来への不安。

どうです、ちょっと昔の正統派少女漫画にありそうな設定じゃありませんか?
舞台もちょうど「ザ・ピーナッツ」が引退間際のころだし(70年代?)、文庫裏の「ノスタルジック・ストーリー」という言葉がしっくり馴染みます。

幼い少女の揺れる悩み・・・というのももちろんポイントではあるのでしょうが、個人的によかったのは「何かに夢中になることへの喜び」が伝わってきたこと。
体と心が離れていく。
足が別の生き物みたい。
二人だけで踊るとき、目を見るだけでお互いの思っていることが分かってしまう・・・。
生まれた時からインドア派の私でも、なぜか理解できるような気にさせてくれました。ほんとに楽しいんだろうな、体中が「それ」だけで染められるのって、というかんじです。
二人が映画館で初めてミュージカルを見るシーンも印象的でした。これは私にも実感できます、本当に夢中になって見聞きするときって、放心状態になっちゃうんですよね。トリップするというか、トランス状態というか・・・そういう。

そんなキラキラが伝わってくる文章なんです。
ともすれば甘ったるいだけのお話かもしれませんが、これは甘いだけじゃない、確かな心理表現も併せ持った「少女小説」なんだと、声を大にして言いたいですね。
あとは登場人物も魅力的~。
「近所のお爺さんに恋して毎日通い妻状態の祖母」や、
「そんな祖母をおおらかに受け入れる長沼さん」、
「どこか大人びた同級生・吉田俊樹」ははずせないし、
双子を夢中にさせた「桜井先生」はたんに格好よくてダンスが上手いだけじゃなく、二人を子ども扱いしない・・・というところもポイントですね。

これは双子の妹が過去を懐かしむという形式をとっているので、「これから先はどうなったの?」「え、ひょっとして・・・?」なんていろいろな想像をしてしまいます。そこがちょっと大人の味付けというところでしょうか。
かわいくて愛らしい作品です。
これは大人の女性に読んでほしい、と思いました。

ところで読み終わってから気づいたのですが、私、この人の本2冊目でした。以前読んだのは『ひな菊とペパーミント』。これも本当にかわいい話でした。
この人は、キャラが上手いんだなぁ・・・・

読了日:2006年12月22日

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