フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2008-08-17-Sun-16-38

犬はどこだ

犬はどこだ/米澤穂信/創元推理文庫

実は結構前に読んだまま感想を書かずじまいだったこの作品。
すでに記憶が曖昧なところもありますが、でもなかなか面白かったと思います。

『さよなら妖精』や『思春期シリーズ(だっけ?』でもすでに売れている感のある米澤さん。・・・でも私的には、前述の作品はどれも「うーん・・・」だったのです。どこがダメというよりは肌に合わない、とでも言うのか。「ガツンとした肉料理が食べたかったのに、可愛らしいスイーツが出てきちゃった」というか。
「ミステリが読みたかったのに、切ない系青春小説を読んじゃったよ」という気持ちにさせられてしまったのです。

そんなわけでしばらく足が遠のいていた米澤作品でしたが、この『犬はどこだ』はミステリ的評価が高かったというのを聞いたので、文庫化を機に買ってみたのです。
そしたらこれがなかなか確かにミステリでした。
それだけでなく、今まで私が読んだ作品はいずれも高校生が主役の青春もの・学園ものの側面がかなり強かったのですが、今回の主人公はちょっと落ちこぼれてしまった社会人です。

堅実な人生を歩もうとしてきた主人公は希望通りにいち社会人としての生活を歩みだしたはずだったが、そこで謎のアレルギーに冒される。
原因不明のアレルギーのために退職を余儀なくされ、何の当てもなく地元に戻った主人公。
自分の人生設計が足元から崩れ、ただ無為に引き篭もった日々を暮らしていた彼はどうにか食い扶持を稼がなければ、と重い腰をあげる。それはペット探し専門の探偵事務所だった。

というお話。
登場するキャラクターたちに親近感が持てましたね。これでもかというほど堅実な人生を求めてその通りに生きてきたはずなのに、自分の意思とは関係のないところでその足場が崩され、それはまるで自分の人生を否定されたかのような・・・という欝気味の主人公とか。
過去に読んだ米澤作品の主人公たちはエリート臭のする学生達で、それがどうにも鼻についてしまったのですが、今回やっと米澤キャラを素直に読んでいくことができました。
もっとも、『犬はどこだ』の主人公も、学生時代には他の米澤シリーズの主人公たちと似たような性格だったのかもしれません。ただ違うのは、彼が社会に出て自分の小ささを感じたことというか。要するに挫折してしまったわけですが、挫折を知った主人公は、それを知らないままの登場人物よりもずっとずっと魅力的だと思います。

あ、キャラ造に終始してしまいましたが、ストーリーもしっかりミステリでした。
個人的にはあの終わり方はOKです。

犬はどこだ (創元推理文庫 M よ 1-4)犬はどこだ (創元推理文庫 M よ 1-4)
(2008/02)
米澤 穂信

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