フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2008-06-09-Mon-00-26

最後のプルチネッラ

最後のプルチネッラ/小島てるみ/富士見書房

プルチネッラとはナポリで昔から愛されてきた道化の名。
これは、「最後のプルチネッラ」と呼ばれるにふさわしい「最高のプルチネッラ」を目指す二人の少年と、神により二千年もの時を転生するよう定められた道化の物語です。

著名な劇団一家に生まれ、天才子役としての名声を得ながらも母の命により舞台を退いた少年・ルカ。
貧しい下町に生まれ、障害のある妹とともに街角にたって生計をたてる少年・ジェンナーロ。
この二人が「最後のプルチネッラ」を演じるためのワークショップに参加するところから始まります。
かたや名家のお坊ちゃんでありながら孤独を抱える天才肌のルカ、かたや貧しくはあるが友人に恵まれてたくましく生きるジェンナーロ。あまりにも環境の違う二人の若者がひとつの役柄を目指す、というのはまるでガラスの仮面の亜弓VSマヤのような構図ですが、この話のテーマは決して演劇勝負ではありません。
劇中劇であるのか別次元のもうひとつの物語であるのか、本編(現代ナポリ編)の合間に挟まれて進行する「転生する道化の話」とともに、二人の少年は自分の体と心を見つめなおしながら、「プルチネッラ」とは何なのか、道化を演じるということはどういうことなのか、ということを考えていきます。
ただひたすら人間の生命をもてあまし、時には自ら命を絶ってきた別次元の道化もまた、転生を繰り返すうちに「人間」らしく生きるようになっていきます。二千年の歳月を、ナポリの一市民として生きながら。

プルチネッラとして生きること、人間として生きること、ナポリに生きるということ。
殻をやぶった少年二人と道化の姿は、ひどく明るく、前向きなエネルギーに溢れていました。

最後のプルチネッラ (Style-F)最後のプルチネッラ (Style-F)
(2008/04/03)
小島 てるみ

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同時刊行の『ヘルマフロディテの体温』の表紙イメージ(山本タカト)のせいで思い切り「耽美系」だと思いこんで読み始めたのですが、いざ読んでみると、いや思ったより耽美でなかった・・・むしろ幻想系なんだろうけど結構青春成長ものじゃない、なんて思った次第です。
帯には「ファンタジー」とあったけど、それはちょっと違和感・・・

ナポリの町並みや歴史に関しての描写なども詳しく、興味深く読めました。
残念ながらどのへんまで史実に沿っているのかというのが分からず(私に世界史知識がないので・・・)、そのあたりは詳しい方ならもっと面白いのではないかなと。二人の美少年が一人の男から演技を通して自身を見つめる手段を学ぶシチュエーションというのは、確かに耽美的といえば耽美的かな。そっち方向(萌え)にもっていけそうなのにあくまでさわやか成長物語路線で留まっている感がよかったです。
重いといえば重い話ですが、読み応えはなんともさわやかでした。

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