フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

メニュー目次メニュー目次メニュー目次メニュー目次
-----------------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2006-12-31-Sun-11-43

バスジャック

バスジャック/三崎亜記/集英社

表題作他6編を収録した短編集。
全てに共通しているのは、どれも「ありえない話」だということです。
例えば『バスジャック』なら「バスジャックが合法化された社会」だし、『動物園』なら「念じることで他人に幻の動物を見せることができる職人が存在する社会」なのです。

どれもこれも、そういう「ありえない設定」を、それがまるでさも当然であるかのように、奇妙なリアリティでもって描き出されています。
だからジャンルとしてはファンタジーかSF的ということになるのかもしれませんが、読んでいても何故かそういう気になりません。
ただ「新しいものを読んだ!」という気分です。

『バスジャック』は表題作なだけに、とても意表をついた設定でインパクトのある話なのだけれど、個人的に印象的だったのは『動物園』と『送りの夏』。あ、本好きとしては『雨降る夜に』もはずせない。

『二階扉をつけてください』『バスジャック』『動物園』のユニークさ、
『しあわせな光』『雨降る夜に』のロマンチックさ、
『送りの夏』の心理描写の巧みさ、
などなど、さまざまな雰囲気の作品を味わえる一冊。
どれをとっても読み応えのある話ばかりです。
「日常の隣の非日常」という世界が好きなので、私はどれも面白く読めました。

軽やかでトリッキーで、でもセンチメンタルなところもしっかりあるし、勿論文章は読ませてくれる。
そういう点から伊坂幸太郎を連想しましたが、第1篇の『二階扉~』を読んだときには星新一のショートショートが出てきました。
読む人にとっては筒井康隆を連想したりもするみたいです。

なんにせよ、新しくて面白い書き手さんです。
ぐいぐい読まされてしまいました。
個性的なモノを求める人には是非お勧めしたい一冊。
『となり町戦争』が駄目だった方も、これを読んだら作者への印象が変わるかもしれませんよ。

読了日:2006年10月31日

COMMENT

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK

http://funafunababy.blog89.fc2.com/tb.php/29-e2596f19



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。