フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2008-03-17-Mon-23-31

ユーモレスク

ユーモレスク/長野まゆみ/マガジンハウス

主人公は2軒並びの借家に家族とともに暮らすデパガ、周子。
周子には年の離れた弟・真哉がいたのだが、小学生の時に行方不明になったきり帰ってこない。
年の近い姉弟がいる隣家とは弟の事件に少々の繋がりがあったこともあり、往来が途絶えてしまった。
しかし弟の事件から6年が経ち、隣家の姉・すみれが若くして亡くなったことから、再び隣家との接点が生まれていく。そう、隣家の姉・すみれはともかく、弟・文彦は真哉と大変仲が良かったのだ。

6年越しに語られる弟の思い出。
幼い弟の姿と、懐かしいユーモレスクの調べ。
人々はそれぞれの過去に別れを告げ、前へ進む。どんなに過去が愛しくても、後ろを向いたままでは生きていかれないのだ。

という、お話。
数年ぶりに長野まゆみの本を読みました。
高校生の時に同級生から勧められて読んでたっけな・・・という程度にしか読んでおらず、長野まゆみ的世界観はわりと好きだけど、そんなに熱心ではなかったというのが正直なところ。
正直、図書館でなんとなく借りてみただけの本だったのですが、

これが予想外によかった!

です!
時代が流れて、私の読み方・感じ方自体も変わったのでしょうが、長野まゆみの作風自体もちょっと変わったように思います。
この本の主人公も20代半ばの働くお姉さんで、芸術家でも学者でも高等遊民でもなく、恐らく都内近郊にあると思われる老舗デパートのネクタイ売り場勤務という堅実な職業についているんです。
漠然とした無国籍空間、無性のような美しい少年(たまに少女)、透明で硬質な繊細な世界・・・それこそが長野まゆみワールドだ!と思っていて、でもだからこそ長野まゆみ作品は一般受けはしないんだよなー、万年思春期少女世界なんだよなー、と思い込んでいたのですが、ちょっと離れている間に大変幅広い世界を描かれるようになっていたのですね・・・おみそれしました。
(いえ、長野作品には前から好きなのもあったんですよ。『鳩の栖』とか『上海少年』とか・・・偏ってる?)

この作品も、「長野まゆみだ」と知った上で読まなければ、長野まゆみだとは気づかなかったかもしれません。現代日本を舞台にした、生きている人間のお話、というかんじがします。(勿論多少のレトロ感や生臭さのないかんじ、十二分な繊細さ・ナイーブさはありますけども)
唯一「らしいな」と思ったのは、「ぢゃ」という仮名使い。これは譲れないこだわりなんでしょうね・・・

いやいや、長野まゆみであろうがなかろうが、なかなか好みの話でした。
現実ベースで、ちょっとだけ繊細な世界。ほんの少しだけ浮き上がったような、それくらいのファンタジー感が、この年になった私にはちょうどいいみたいです。
そうそう、やっぱり長野まゆみの表現する青年(少年)は魅力的でもありますし、ね。

ユーモレスクユーモレスク
(2003/02)
長野 まゆみ

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こういう作風でもいけるのなら、新たな読者層開拓にもなるんだろうけど、昔からのファンにとってはその変化というのは微妙な問題なんでしょうね・・・それもまた、分かるような気はします・・・

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