フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

メニュー目次メニュー目次メニュー目次メニュー目次
-----------------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2007-10-05-Fri-21-50

神様

神様/川上弘美/中公文庫

川上弘美の初期短編集。
短い話ばかり9編が収録されていますが、中でも表題作の『神様』はデビュー作なのだそう。よく「処女作にはその作家の全てが詰まっている」なんてことを言いますが、この『神様』をはじめとする初期作品群が川上弘美という作家の特色であるとしたら、それはあまりにもユニーク。

近所に引っ越してきた「くま」とピクニックに出かけたり、河童に恋愛相談を持ち掛けられたり、不思議な壷から不思議な女の子が出てきたり、風呂場で人魚を飼ってみたり。

どれもこれも、大変奇妙奇天烈な話ばかり。それがあわあわとした柔らかい文体に包まれて、何故かするりとこちらに入ってくる。そんなにとんでもないことじゃないんじゃないか、と思わせられる。これは童話とも民話ともつかない・・・そう、解説の佐野洋子の言葉を借りるならば「(夜に見る)夢のような話」なのです。ううん、言いえて妙。
人外の生き物が出てくる話だと聞いて、「シュールでとんがった話なのか・・・苦手だ」と思い込んでいたのですが(その頃は川上さんの作風も何も知らなかったので)、この本に入っている話には「シュール」だなんて切れ味のある形容は似合いません。「ファンタジー」というのもちょっと違うかんじ。そんな横文字言葉よりも、どちらかと言えば「のんびり」「ゆったり」「ふしぎでおかしい」という言葉が似合います。

意味が分からない、という人もいるかもしれません。でも意味なんてなくてもいいんじゃないの?
梨の妖精みたいな虫と暮らしたり、
原っぱの真ん中で死んだ叔父さんと再会したり、
民話みたいな過去をもつおばあさんの昔話を聞いてみたり、
優しいくまとの別れを惜しんだり、
ただそういう不思議なことを不思議なままに感じてみてもいいんじゃないかと思う。

頭を空っぽに、のんびりした気分で読んでほしい一冊。
ちなみに私はこれを読んでいると無性に眠くなりました。やはり「夢のような話」だったから、かな。

神様 (中公文庫) 神様 (中公文庫)
川上 弘美 (2001/10)
中央公論新社

この商品の詳細を見る


個人的に好きだったのは『花野』。あとり硅子の短編を思い出しました。あと『春立つ』もいいな・・・。

COMMENT

2007-10-06-Sat-21-13

コメントありがとうございます。
『神様』をかしてくれた友人が『龍宮』を同時に渡してくれたのは、そういう理由だったのですね。
ということで、次は『龍宮』を読もうと思います。妖艶なモノノケ・・・楽しみです。
2007-10-06-Sat-10-21

神様は私も大好きな作品です。
対になるように「龍宮」もありますがこちらはちょっと妖艶なモノノケが出てきます。
どちらも川上さんの特徴がよく出ていますね。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK

http://funafunababy.blog89.fc2.com/tb.php/164-50a45406



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。