フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2006-12-31-Sun-10-01

春季限定いちごタルト事件 氷菓 愚者のエンドロール

春季限定いちごタルト事件/米澤穂信/創元推理文庫 
氷菓/米澤穂信/角川スニーカー文庫
愚者のエンドロール/米澤穂信/角川スニーカー文庫


青春ミステリの書き手として若い世代を中心に人気のあるという米澤穂信を友人に借りて3冊一気読みしてみました。
うーん、なるほど「青春ミステリ」ね。
どちらかといえばミステリ<青春、という印象です。

実はだいぶ以前に『さよなら妖精』を読んだことがありましたが、その時ミステリフロンティアシリーズにもかかわらず、「これはミステリではないなぁ」と思ったをよく覚えています。
好んで読みはしますが、さほどのミステリ中毒者ではない私にとって「ミステリっぽくない」ことは必ずしもマイナス評価には繋がらないのですが、しかし、どうも私は米澤さんの作品世界にはハマれないようです。それは今回の3冊を通しても変わりませんでした。
あ、ミステリかどうかという点においては今回の3冊はれっきとした謎解きものではありましたが。

米澤作品に共通している点(現時点で4作品しか読んでいない者の戯言ですので念の為)は、主人公の造形にあります。
まず高校生の少年であること。
賢いが、それを前面に押し出すようなタイプではないこと。
(↑もちろんこれはガッコウのオベンキョウが出来る、ということではなくて)
群れるよりも一人で思索することを好みがちな、同年代の中にいると若干浮いてしまうようなキャラクターです。
さらにヒロインは一見大人しそうだけれども実は風変わりな少女であり、主人公の友人達も総じて主人公と対等に知的レベルが高そうなキャラたち。

周囲から突出しないよう勤めているくせに、埋没することが出来ない主人公。 他人や社会を覚めた目でながめ、一定の距離感を保とうとする言動というのは、ちょっとひねこびた学生時代を送った人なら身に覚えがあるのではないでしょうか?
クールに振舞う主人公の言動は、同い年から見れば大人びた雰囲気を感じるでしょう。 しかし大人から見れば、それは子供が大人ぶっているようにしか見えないのです。
わかっていないくせにわかったような物言い、書物から得ただけの知識。なんでも知っているような顔をして、本当はまだまだ知らないことだらけなんです。

米澤さんの作品には、そういう、己の(目を背けたいような)若い頃というのを感じ取ってしまうのです。
あぁ、恥ずかしい。

勿論、それは逆に思春期をリアルに描いているからだということもいえます。確かに共感する部分も大いにあるのです、彼らには。

いろいろ御託を並べたところで、結局は主人公を好きになれるかどうかということ。
クールぶってるくせに青臭い主人公を好意的に見れるかどうかが米澤作品のポイントかしら、と思います。

一般文芸書にしてはキャラが立ちすぎのような気もしますし、ライトノベルだと思って読むと物足りないかも。
ミステリだと思ってよむと肩透かし感をくらうかもしれないですが、青春物語だと思って読むと「これってミステリ?」と思うかも。
そんなかんじのボーダーレス作家さんだなぁ、という印象です。

読了日:2006年6月3日

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