フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2007-07-13-Fri-20-25

水に描かれた館

水に描かれた館/佐々木丸美/創元推理文庫

最近読了した『崖の館』の続編。
続編だ、三部作で完結だ・・・という話は知っていたのですが、ここまで前作を引きずった話だとは思っていませんでした。

仲の良い3人の従姉妹たちが死んでから数ヶ月。
3人の死は事故ということで発表されたのだけれども、その不自然さは隠しようがなく、資産家である伯母は世間からの心無い風評に晒されていた。事件が終わってから数ヵ月後、再び涼子とその従兄弟たちが館に集まったのは、その伯母の遺産目録作成のためだった。
遺産鑑定のために集められた鑑定士は4人、しかし実際に館にやってきたのは5人。
謎の1人は誰なのか?
同じ夜に浜辺で倒れていた少女。
聖書を抱え、神の声を聞いたという少女の正体は?
日に日に神経質になっていく鑑定士。
彼をそこまで追い詰めたのは誰か?

3人の従姉妹が死んだ館で再び起こる怪事件の数々。
佐々木丸美「館」三部作の中巻。

ということで、『崖の館』の続編です。
前巻で特徴的だった美文調はさらにエスカレートし、美文というよりはむしろポエムの域に達している感すらあります。『崖の館』は大丈夫だったのですが、今回は読んでいる途中に幾たび突っ込みたくなったことか・・・これは駄目な人は本当に駄目でしょう。

あと気になったのは死者の扱い。
どうにも「軽い」気がするんですよね。従姉妹の死については涼子が亡霊を見かけたりするなどして、はっきりと「死んだ」という認識に至ってないから・・・というふうに考えることもできますが、今回唯一の犠牲者となる人に関しては最後まで道化扱いだったりして。人が一人死んでいるのに、登場人物の間には大した精神的影響も何もない。ちょっとひどいんじゃないのかなぁ、と思ってしまいます。

それから主人公・涼子ですね。
全編が涼子目線なので、涼子自身のグチャグチャした精神状態も辟易するものではありますが、従兄弟たちが涼子の内面・成長を認めようとせず、いつまでも子供扱いで、彼女のことについて知ったように話し合う(そんな従兄弟たちも20代なのに)ところが勘に触りました。そしてそんな彼らからの扱いに甘んじている涼子自身も。なんだかなぁ、と思ってしまいます。

あとひとつ、ミステリとして。
これはもう「ええ・・・?」というかんじでした。ミステリとしてアリかナシかというと、私はナシだと思うんですが。宮部みゆき『魔術はささやく』で感じたありえなさを思い出しました・・・(でも『魔術』はいい話だったから別にそれでもかまわなかったんですけど)。

いろいろ辛い話でした。
あと一冊で完結だそうなのですが、読むかどうかは微妙なところです。
でも結局涼子は哲文なのかどうかは知りたい気がします・・・涼子、目を覚ませよ。

水に描かれた館 水に描かれた館
佐々木 丸美 (2007/02/28)
東京創元社

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COMMENT

2007-07-14-Sat-23-49

先日は突然訪ねてしまい、大変失礼いたしました。「佐々木丸美」をGoogleのブログ検索していまして訪ねたしだいです。
コメントを返していただき、ありがとうございます。これにて失礼いたします。
2007-07-14-Sat-20-55

ありがとうございます

佐々木丸美でコメントがつくなんて思わなかったので、大変嬉しいです。ありがとうございます。
独特だという話は聞いていたのですが、予想以上の雰囲気に圧倒されてしまい、批判的な感想になってしまったかもしれません。でもこれは好みの問題だろうと思っています。

ご紹介の本も図書館などで探して、機会があれば読んでみたいと思います。
元々ゴシックミステリもセンシティブな雰囲気も好きですので・・・
2007-07-13-Fri-23-01

はじめまして。
第3「夢館」はかなりおもむきが変わりますので読まないほうがいいでしょう。
どうしても、ということでしたら、物語の中の時間的経過を考慮して「橡家の伝説」「榛家の伝説」を先に読むことをお勧めします。
佐々木丸美の全作品を通して解説できる
方は少ないので、自分なりの理解でよろしいと思います。
いきなり、失礼いたしました。

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