フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2007-06-26-Tue-23-53

ぬるい眠り

ぬるい眠り/江國香織/新潮文庫

江國香織の短編集。
なんだか『つめたい夜に』の雰囲気に似ている作品が入っているなあと思っていたら、なるほど収録作のいくつかは90年前後に書かれた作品のようです。個人的にはこの頃の作品が好きなので嬉しい誤算。
特に『ラブ・ミー・テンダー』と『放物線』、『夜と妻と洗剤』がそうでした。あ、『清水夫妻』も奇妙でしたね。
中でも私が一番好きだったのは「放物線」で、これは一人の女と二人の男が中華料理屋で食事をするだけの話です。

3人はもう何年も前に卒業してしまった大学の友人で、今は各人が全く違う仕事についている。
主人公の道子は過去に恋人の清水から「じゃあ道子ちゃんは本気で友情が風化しないと思ってるんだ、らしくないなあ」と言われ、黙ってしまったことがあった。道子は“どうして反論できなかったんだろう、私は友情を信じているし、無条件に愛してもいるって”と思うけど、どこか不安なのも事実。
でも3人で食事をしていると、「あんまり自然だったので」「私たちのリズム」なので「おいしくて気持ちよくてめまいがする」のだ。

これ、学生でなくなってからはや数年が経過した自分にかぶらせてしまいました。私だって「友情は風化しない」と思っています、いや、思いたい(ちょっと弱気)。

また、それに近いかんじで『ケイトウの赤、柳の緑』の郎(ろう)の信条が気に入りました。
郎はすでに既婚者でありながら、友人たちとの夜遊びを止めようとは全く思わない。妻のために飼い犬を手放し、飼い猫を手放しても、「友人と自由だけは手放すわけにはいかない」と思うし、また「40にもなってそんな学生みたいなこと、と顔をしかめる連中にはしかめさせておけばいい」と思っている。

うん、いいじゃないですかコレ。
不良な大人(notチョイ悪)に憧れます。世間の目とか良識とかを馬鹿にしつつも意識せずにはいられない小心者としては単純に憧れます。

だらだら言っていますが、要するに自分が年をとって子供を生んでオバチャンになっても「旦那のグチと子供の話しかしない人」にはなりたくないな、と思っているというだけのことです。
そしてそれには私を支えてくれる友人がいてくれてこそだということですね。

江國香織の作品には、こんな風にどこか共感してしまうところがあるんですよ。江國作品は絶対恋愛以外のもののほうがいいなと思っているのは私だけではないはず。

あと「災難の顛末」は、最初コメディかと思っていたのですが、最後にはホラーに・・・?読後は思わず部屋を掃除してしまいました。

ぬるい眠り ぬるい眠り
江國 香織 (2007/02)
新潮社

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あ、『ケイトウの赤~』は『きらきらひかる』の続編です。
彼らのその後が見れますよ。『きらきら~』ファンの方は是非どうぞ。

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