フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2010-03-31-Wed-19-28

母べえ

母べえ/2007/日本

これもTVで見た映画・・・。
昔はあれですね、「どうせTVでやるんならわざわざ映画館行かなくてもいいじゃん」なんて思ってたものですが、最近は本当に見たい作品は映画館に行くべきだよなあと思います。それでこそ初めて映画を映画として味わえるというか・・・個人的には画面の大小とか音響はともかく、途中に入るCMがねー。雰囲気ぶった切りですよ、もう。

と、それはともかく山田洋次監督による戦争映画です。
といっても直接的に戦争を描くのではなく、戦時下における一家の悲しくも愛おしい日々を描く・・・というかんじでしょうか。主人公は吉永小百合。清く美しくけなげな妻として、夫(思想犯で投獄されている)を信じ、娘たちを支えるという聖母のような存在として作中に君臨します。

うんまあ、吉永小百合に求められるイメージってこうなんでしょう。
いつまでたっても何歳になっても清らかな乙女というかんじ。
役者としてはその固定されたイメージはどうなのとも思いますが、この人はもうこれでいいんだろうなあ。ある意味木村拓哉みたいなものかな。演技者として芸達者、というわけではないけれど、本人が自分に求められているものを自覚して(していない場合もあるのでしょうが)、その範囲内で演じている、というかんじ。
昔はそんな俳優さんを「演技じゃないじゃん、素なんじゃん」なんて思ったものですが、年を取ったせいか、最近は「カメレオンタイプの俳優と本人素のままの俳優と、どっちが上ってわけでもないんだろうなぁ・・・」と思えるようになりました。
いや、勿論演技がたくみで、見るたびに違う個性の役柄を演じられる人のほうが素直に感心はするのですが、きっと芸能界というものはそういう人ばかりで成り立つものでもないのでしょうし。スターの個性ってのは、役柄にあわせるとかそういうものではないのかもしれない・・・です。演技なんて、分からないですけど。

まあそんな御託はともかく、この映画のお目当ては浅野忠信でした。
ヘタレで文学かぶれな学生、って、ちょっとワイルドさが売りの浅野さんには珍しい役柄だと思ったので。あ、上記のことでいえば、浅野さんはカメレオンタイプですよね。二枚目でも三枚目でも悪役でもヒューマンドラマでもなりきれちゃうってかんじ。山田洋次作品にも自然にとけこんで、そして自然に泣かされてしまいました・・・。

映画として云々というのはあまり思いませんでした。
まあド直球の話です。
でも泣けた。
戦争ものですが、作中には空襲や戦場というシーンは出ませんので、そういった描写が苦手だという人にも見られる作品に仕上がっていると思います。だからこそあえてリアリティをなくしたのかな・・・とも思いますが、深読みかな。家のセットが、「セット」ってかんじだったのです。TVドラマみたい。
まあ全体には突出している部分はないけれど、大きく外したという部分もない作品。
悪くいえば無難な気もしますが、よく言えば安定感どっしり、ってかんじ。

しかしこれに鶴瓶は必要だったのでしょうか?いえ決して鶴瓶が悪いという意味ではなく・・・。
あとラストで現代を持ってきたのが唐突に思えました。「おっと、いきなり戸田恵子かよ!」みたいな。
そうそうそれと壇れいが綺麗でした。
壇れいと浅野さんが印象的だったなー。


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もちろんサユリストも見て損はしないと思います。
吉永小百合ファンによる吉永小百合ファンのための映画、というように思いました。

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2010-03-25-Thu-22-34

Mr.&Mrs. スミス

Mr.&Mrs. スミス/2005/アメリカ

ご存知ブランジェリーナがブランジェリーナになるきっかけとなった一本。
ということは、あのビッグカップルが誕生したのは2005年なんですね・・・なんかもっとずっと長いことカップル続いてるような気がしていたので、意外です。「ブラピとアンジーが!?」って、あのニュースは当時結構衝撃的でしたよねー。

というわけで、内容云々よりもそっちの方に意識がいってしまいました。
いや、ハリウッド作品らしいゴージャスかつエンタテインメント性溢れる作品です。細かいことは突っ込まなくてもいいんじゃないの?ナンセンスじゃない?って思っちゃいます。まあ冒頭とラストのカウンセリングシーンはなんだかとってつけた感があるなあ、なんて思ったのも確かなのですけど・・・

それはともかく、こういう映画は日本じゃ撮れないでしょう。
ナイスガイなブラピ、セクシー爆発なアンジー。
キャスティングが決め手でしたね。

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なんだか派手な夫婦喧嘩を見たかんじ。
ルパンと不二子ちゃんが喧嘩したら近いものになるかなあ?なんて思いました。要するにリアリティがないんですよね。まあそんなことも娯楽重視の本作には無用の突っ込みでしょうが・・・
内容はない。
でも楽しくないわけではなかった・・・そんなかんじです。
まあ正直に言えば、もうちょっと面白いのかなと思ってました。
2010-03-24-Wed-20-23

エロティシズム

エロティシズム/澁澤龍彦/中公文庫

去年ブックオフで見つけた古本。
澁澤先生の本は古本で見かけたらちょこちょこ買ってます。ちょこちょこ過ぎて、いったい自分がどれを持ってるのかよく把握できてなかったりするのですが・・・文庫でも自分的に読みやすいものしか手を出さないし、コンプリートには程遠いのですけどね。

さてまあ、タイトル通りの中身です。
私ごときの言葉でまとめるようなものでもないので、文庫カバー裏表紙の文句を抜粋。

『人間のみに許された
  華麗なる<夢>世界へ。
   芸術や宗教の根底に横たわり、快楽・錯乱・狂気にまで高まる
    エロティシズムの渉猟。
 精神のパラドックスへの冒険をどうぞ。』 


・・・というわけで、そんな一冊です。
私は自分で言うのもなんですが、昔から非常な臆病者で、他人の目が気になって、そんな自分を自分で気にしてるような自意識過剰で、いわゆる「世間並み」の基準から外れることに恐怖を覚えてしまうような根性ナシなのですが、もう覚えていないくらいに昔からこういう世界への憧れがあります。たぶんこんな自分だからなんでしょうね。
その世界にいけない自分だからこそ、憧れとともに、羨んでしまうのだろうな。
そんなことを思いました。

エロティシズム (中公文庫)エロティシズム (中公文庫)
(1996/11)
澁澤 龍彦

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2010-03-23-Tue-20-00

プラダを着た悪魔

プラダを着た悪魔/2006/アメリカ

またしてもTVで見た映画の感想です。
見たい映画があっても不精でなかなか見に行かなくなって、しまいにはレンタルすることさえ面倒くさがる昨今。すっかり流行りに疎くなっています。・・・そういえば一人で映画に行ったりとか、もう随分してない気がする・・・。

で、まあ、内容説明も今更ですね。
アン・ハサウェイ演じる垢抜けないヒロインが、よりにもよって超厳しいと噂のファッション雑誌の編集社で働くことになり、そこでめきめきと洗練されていくとともに頭角とあらわしていく・・・という、まあ、わっかりやすいサクセスストーリー。

恋愛要素が少なめの「マイ・フェア・レディ」みたいなものか?と思ったのですが、これがちょっと違いました。
この映画のキモは「ヒロインがファッション的に垢抜けていく過程」だと思っていたのですが、肝心のその部分はかなり一瞬のうちにスルー!
「えっ、ここが見せ場じゃないの!?」と意表をつかれました。だってねえ、自力で垢抜けるのってかなり困難じゃないですか。いくらファッションアドバイザーたちが身近にいるからって・・・。
個人的にこの映画は「ファッション映画」だと理解していたので、その部分が相当はしょられていたのは残念でした。どうでもいいラブコメの過程とかどうでもいいから、もっとそういう部分を見せてほしかったな。いっそこの映画、恋愛色をなくしてもよかったかもしれないと思います。そのほうがヒロインに感情移入も出来たんじゃないかなー。

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思っていたよりファッション成分が少なめだったなあという印象です。というか、演出のせい?もっとこう、『マリー・アントワネット』くらいにフェティッシュな見せ方を求めていたのですが・・・。
テーマは面白いのに、もっと面白く出来なかったのかしら、とか、そんな上から目線な感想をもってしまいました。メリル・ストリープのキャラは面白いけどお近づきにはなりたくないです、ハイ。
2010-03-22-Mon-20-10

聖なる黒夜

聖なる黒夜/柴田よしき/角川文庫

友人に「是非!」と勧められて読んだ本。
えっと、一応・・・一般書です。
い、一般書ですよね?という風に誰ともなく尋ねてみたくなる、そんな本でした。


都内某所で、一人のヤクザが殺された。
ヤクザ世界のみならず警察内部にもその名を轟かす男の死に、容疑をかけられたのは男娼あがりの企業舎弟。恐ろしく頭の切れる美しい若造。それはかつて、主人公・麻生が取り調べを行った青年・山内だった。
当時、ただのいち大学生だった山内は、無実の罪を科せられたのだという。
それが全ての歯車を狂わせたのだと。
果たしてそれは事実なのか?狂った歯車は、もう元には戻らないのか?
苦悩する麻生と山内の過去が交差する。
どれほど願っても、時間は決して巻き戻らない。
何も知らず、平穏だった日々へは帰れないのだー・・・。


・・・ということで、まれに見るゲイ率の高い一般書でした。
しかも文庫版解説は三浦しをん!絶賛してます!そりゃそうかもね!いかにもしをんが好きそうだもんね!という・・・なんというか、「ああ、よっぽど好きなんだろうなあ(笑)」ってのがひしひしと伝わってくる解説でした。
正直ハードボイルド小説自体はやっぱりちょっと肌にあわない部分があって、うーんなんだかなあ、と思うこともなくはなかったのですが、それを補って余りあるのがこの作品に登場する男たちの絡み合い。
あ、精神的な意味ですよ、精神的な。
でもやはり精神は肉体にも左右されてしまうもので、まあ、そんな・・・むにゃむにゃ・・・というかんじです。お察し下さい。

貸してくれた友人は及川さんファンだそうですが、私は案の定「美しい男娼・山内練」にハマりました。
ええそうですよ、分かりやすいですよ。

聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)
(2006/10)
柴田 よしき

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ちなみに麻生刑事と山内練は柴田よしきの別作品にもちょこちょこと顔を出しているそうで、二人の今後が描かれているとか。
・・・・・気になります。

2010-03-21-Sun-22-08

ハッピーフライト

ハッピーフライト/2008/日本

わざわざDVDをレンタルしてきてそれほどしないうちにTV地上派放送されてしまうと、なんだかがっかりするものですよね。でも悲しいことにそれほど珍しくはない事実。間が悪いとはこのことか・・・。

さて、公開当時なかなかの評判だった本作。
矢口監督!
田辺誠一!
ということで映画館に足を運べなかったのを、とても残念に思っていました。
半ば忘れかけていたころに兄がDVDを借りてきて、これでようやく楽しみにしていたコメディ映画が見れるんだわ!と、

・・・・・少々、期待しすぎてしまったのかもしれません。

えっとですね、私、『ウォーターボーイズ』が好きなんですよ。
そんでもって、『スウィングガールズ』も好きなんですね。
それで「私って、矢口監督作品が好きなんだわ!」と思いこんでいたのですが、よくよく考えれば、両作品とも「(田舎の)高校生」「みんなでわいわいきゃっきゃ」「音楽とともに盛り上がる」という、私の大好きな要素てんこ盛り作品だったんですよ。
で、この『ハッピーフライト』もまた「制服もの&コメディ」ではあるのですが、一応は社会人もの・・・航空業界もの、でして。
そりゃあ学生ものとはちょっとは雰囲気変わるよな、というものでして(逆に、変わらなければ嘘でしょう)。

まあ要するに、その辺がちょっとアレだったのかなと思います。
でも反対に、私がよく訪問するレビューブログさんでは、それを「スウィングガールズの時はあまりのアホなヒロインや楽しくもありえない展開にイラッとした部分もあったが、『ハッピーフライト』では、航空会社がスポンサーであるということによってその馬鹿っぽいテイストが薄まり、いい塩梅に中和されたと思う。実に見やすいコメディになっていた」ということが言われていたし、まあ、好みの問題かなと思います。

最後に一言言わせてもらえれば、田辺誠一は、さわやか好青年や今回のような二枚目半の役柄よりも、サイコホラーな雰囲気やミステリアスな空気感の役柄とかのが似合うと思うのです。もしくは神経質そうなアーティストとか、さ・・・と思っていたら、TBSでコメディタッチな探偵役主演ということ。
それはそれで面白そう!と、ちょっとだけ期待しております(どっちやねん)

ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション [DVD]ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション [DVD]
(2009/05/22)
田辺誠一時任三郎

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航空業界に興味のある人なら十二分に楽しめるのでは。
あんなにいろんな役割の人がいるんだって知らなかったです。
ANAの良くできたPVってかんじ、かな。でもそれを十分コメディ映画として見られるものに仕立てたのは矢口監督の腕かなと思います。
2010-03-09-Tue-20-08

読む少女

読む少女/岸本葉子/角川文庫

古本屋で何気なく買った本。
タイトルと表紙がいいな、と思いました。
クラスでものすごく本を読むほうというわけではなかったのに、気付けばいつの間にか本にまつわる仕事をしている・・・という筆者が語る、ささやかな思い出。
さらりと読めるわりに、味のある一冊でした。
幼い頃近所に住んでいたという親戚のおじさんがいいかんじです。

何故かアマゾンの画像が出ないのが不思議・・・。

2010-03-08-Mon-19-31

踊るギムナジウム

踊るギムナジウム/森奈津子/徳間書店

2010年、一番最初に読んだのがコレでした。
なんと元旦。一年の計は元旦にあり。まさにその通りかもしれないと思わせてくれるに足る十二分なインパクトの本でした。
いやこれずっと前から読みたくて、図書館で待ってたんですよ。だって森奈津子。『お嬢様』であり『あぶない学園』であり・・・小学生高学年~中学生くらいまでの私の神様なんですもの。少女小説界を離れてからはどうしてらっしゃることかとひところは心配していたものですが、最近では活動の場をSFや性愛小説に移してもりもりと活動中のご様子、安心しております。
思えば小学生の頃、皆が校庭でドッジボールをしているのに一人「江戸川乱歩」を読み、皆が「折原みと」を読んで涙していた時に私は一人「森奈津子」を読んで爆笑していたものです。この頃から今の自分の片鱗というか、偏った好みが明らかだったんですねえ。「小説」を読んで「腹を抱えて笑う」ということがあるのだということを、森女史に初めて教えてもらった気がします。

まあそんなローティーン時代の心の師匠、森奈津子による実に森奈津子らしい一冊。
タイトルだけでおかしいでしょう、そう、おかしい話なんですよ。
いくつかの短編が収録されている短編集なのですが、インパクトという点ではやはり表題作がダントツでしょうか・・・後にも先にも、こんな「ギムナジウム」小説はこの世に生まれないんじゃないかなぁ。

舞台は某惑星。
少年だらけのギムナジウムに無理やりに入学させられてしまった主人公は、この世界の文化にちっとも馴染めない。だってそれは、「己の感情が高ぶると、常に携帯している音楽装置から流れ出す音楽にあわせて歌い踊らなければならない」というものなのだから。

・・・というお話です、ハイ。
古き良き時代の少女漫画の定番、ミュージカル風ギムナジウムをご想像していただければこのおかしさはさらに増すのではないかと。
シュールで不条理でナンセンス、ハイテンションな登場人物たちに引っ掻き回されるストーリー。
ああ、森奈津子だなあと思います。私の中では未だにコメディ作家としてナンバーワンの位置ですよ。

踊るギムナジウム踊るギムナジウム
(2006/12)
森 奈津子

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