フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2008-02-29-Fri-22-41

身毒丸

藤原竜也×白石加代子による

身毒丸 復活

を見てきました!

ドラマシティはさすがの満席。舞台自体数えるほどしか見たことがないのですが、噂に名高いこの舞台を見ることが出来てほんとうにラッキーでした。
なんというか、・・・出だしから圧倒の世界。舞台のことは全然詳しくないのですが、もう、「うわあ、超寺山修司!」という雰囲気がムンムン。アングラ?といっていいのか・・・怪奇でエロスで情念的な世界。
エキセントリックな内容だけど物語そのものはわりとストレートだな、と思ったのですが、それもそのはず、「しんとく丸」というのは中世から語り継がれてきたテーマなのだそうで。ふーむ、そうだったのか。

藤原竜也がゴロゴロとのたうち、よく動いてました。
白石加代子は・・・いくつですかね?すごい!と。ただもうそれしか。
なかなか自主的に見に行くことはないのだけど、見るたびに、「生って違うよなぁ」と思います。

藤原竜也の役者としてのデビューがこれってすごいよなあ、
そりゃもうTVドラマでデビューしてきた人とはベースが違うんだろうよな、というかんじです。
(比べるものでもないのでしょうが・・・)

そして最後はスタンディング・オベーションでした。
あれって見てるほうも感動するものなんですね。
濃い、濃いい、時間でした。

よかった。

藤原竜也×白石加代子 身毒丸ファイナル藤原竜也×白石加代子 身毒丸ファイナル
(2002/03/20)
藤原竜也、白石加代子 他

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2008-02-26-Tue-21-37

カウボーイ・ビバップ(再)

カウボーイ・ビバップがBSで再放送スタートです!

いやあ嬉しい嬉しい。
全話録画したビデオが実家にはあるはずなんだけど、でも「毎週1話見れる」というのは、なんだか懐かしい感覚がしていいですねぇ。
十二国や精霊の守り人など以外、他局で放送していたアニメもこういうふうに取り上げられるものなんですね・・・さすがNHKってとこでしょうか。でもナイスチョイスです、GJ、NHK!

これから毎週月曜日のお楽しみが出来ました。
時間帯が絶望先生とかぶっているのですが、どちらも欠かさず見ていこうと思います。

COWBOY BEBOP DVD-BOX (初回限定版)COWBOY BEBOP DVD-BOX (初回限定版)
(2008/02/22)
山寺宏一.石塚運昇.林原めぐみ.多田葵.若本規夫

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DVD-BOXが出ているようです・・・うーんうーん、・・・身内が買わないかなぁ・・・・。
家宝として買うかなぁ・・・。
2008-02-24-Sun-22-28

かみちゅ!

かみちゅ!/ベサメムーチョ原作/2005

気長にレンタルして見ていた『かみちゅ!』、やっと最終話まで見終わりました。
平成17年度(第9回)文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞、なんて立派な肩書きを持つこの作品、お上が認めるのも確かに・・・と思わせてくれるクオリティの高さでしたが、でも実は結構好みの分かれる作品だろうな、とも思いました。

「かみちゅ」という謎の造語は、「神様は中学生」の略。
広島県の瀬戸内地方に住む中学2年生・一橋ゆりえは、ある日突然「神様」になってしまった。神様であるからには神通力が使えるようになったわけだが、ゆりえはそれで世界を救うでもなく、私利私欲に走るわけでもない。中学生としての自分の許容範囲の中でその力を使おうとし、家族や友人をはじめとする周囲の人々もまた彼女を「神様だけど、中学生」として、おおらかに接していく。
海沿いの地方都市を舞台に、少々風変わりな女子中学生たちの1年間を描いたほのぼのファンタジーアニメ。一話完結形式で、季節感も豊かに少女たちの日々が紡ぎだされる。
また特筆すべきはこの作品の世界観で、主人公・ゆりえ以外にも神様が多数登場し、八百万の神々が座する国、という世界観になっている。それも人型あり、獣型あり、付喪神キャラクター型あり・・・なんでもありの造形、それがまたこの作品の一種独特の空気感を作り上げている。

少年少女青春モノ好き&日常ほのぼの好き&民俗学的世界観大好きの私の心にズドーンとキた名作です。名作と言いたい・・・言ってもいいんじゃないかなぁ、と思うのです。それくらい好みの作品でしたねー。
一見万人向けかと思われるほのぼの路線ですが、実はかなりマニア向け・・・というか、通向けではないでしょうか。ほのぼのすぎてダルいと思う人も多そうな気がします。(なにしろコタツから一歩も出ない回もあるくらい)80年代の地方都市が舞台、というあたりノスタルジー感も満載で、これはある年齢以上がターゲット層なのは間違いないでしょう。ほのぼのと見せかけて、「分かるヤツだけついてこいよ」的な思惑を感じるのは私だけでしょうか?
しかし何よりこの作品のウリは、高すぎるクオリティ!
第1話の冒頭から「おおっ」と思わされます。その美術、その色使い、キャラクターの動き方!
TVアニメで色彩設定者(設計者というらしい)の名前を意識したのは初めてでした・・・それくらい色が綺麗な作品です。思わず繰り返し見てしまいましたよ。
こんなに素敵なご当地アニメが作られたなんて、尾道市民、羨ましすぎです・・・

かみちゅ! 1かみちゅ! 1
(2005/08/24)
MAKO、森永理科 他

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女子中学生というアイテムに平仮名のタイトル、というところから「安易な萌えアニメ」と思って敬遠している人には是非実際に見て認識を改めて欲しい。そして「むしろ萌えアニメ」だと思って期待して見た人は・・・・まあ、でも、萌えるでしょう?直接的でない萌えに萌えてこそのオタクだろう、と思います。私はもうどうしようもなく悶えましたが、ゆりえのキャラクターを可愛いと思えるかどうかがキモのような気もします。
2008-02-23-Sat-21-54

同級生

同級生/中村明日美子/茜新社

中村明日美子の新刊を買いました。
うわーギムナジウムっぽい雰囲気だよ、と思ったらこれは現代日本が舞台なんですね・・・。
『Jの総て』の印象と絵柄の色気からヨーロッパ系耽美路線を想像してしまいがちなんですが、これは現代日本が舞台の、重さと軽さのバランスもとてもいい青春恋物語。
「まじめに、ゆっくり、恋をしよう。」という帯の文句の通り、耽美な絵柄や男子校というキャッチーすぎるアイテムからはちょっと予想外なほどの「初恋・純愛・青春」路線の作品なんです。

合唱祭の稽古が始まった頃、趣味でバンドもやっている草壁は教室で一人歌の練習をする優等生・佐条の姿を見かける。思わず「合唱祭まで歌をみてやろう」と声を掛けてしまった自分自身に驚く草壁。それまで接点のなかったクラスメイトの二人だが、歌の練習という名目で、放課後や休み時間をともに過ごすようになる。
明るくて軽いと思われている草壁、
誰もが認める優等生の佐条。
周囲からも「ジャンル違うんじゃね?」と言われても、自分達でも何故惹かれあうのか分からなくても、それでも好きだから一緒にいる。
焦らず、ゆっくり、自分達のペースで。

どちらかといえば『片恋の日記少女』に近いような雰囲気の作品。どうも中村明日美子=耽美、という固定観念を覆さなくてはいけないようです・・・この作品中の学園生活のシーンでも、ごくごく普通の少年達のあっかるーいノリが描かれています(縁がない生き物なので、そういう風に想像するしかないのですが・・・)。
個人的には報われない男・原先生もイイ!と思うのですが、軽そうに見えて一途な草壁も、思わず肩を支えてあげたくなる繊細美形な佐条も、そして草壁に軽くカミングアウトされてもそれを受け止めてくれる友達Aも、皆愛すべきキャラなのが実にいい。
まだ連載も続いているそうで、大学受験が近づいてきた彼らの今後がとても気になります。
青春というだけでは青さが足りない気がする、青い青い青い、彼らの青春です。

同級生 (EDGE COMIX) (EDGE COMIX)同級生 (EDGE COMIX) (EDGE COMIX)
(2008/02/15)
中村 明日美子

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ちなみにコレは音声ドラマ企画進行中だそうなのですが、佐条役が某糸色望先生らしいです(最近の声優で唯一名前覚えた)・・・・神谷氏、また眼鏡っ子か・・・!
2008-02-22-Fri-22-20

この本が、世界に存在することに

この本が、世界に存在することに/角田光代/メディアファクトリー

本をテーマにした短編集。
「子供の頃、本さえ読んでいれば幸せな子供でした」と作者が語るように、この本にはそんな本への愛情がみっしりと詰まっています。

売り払ったはずの本と、世界中で何回も何回も再会をする話。
旅先の旅館で、先の宿泊客が置いていった本を発見する話。
恋人と一緒に本棚を埋めていき、そして時がたったある日、本棚から自分の本だけを抜き出す話。
祖母に頼まれた、ただ一冊の本を探し続ける話。

本への愛、とはいえ、その本の登場人物たちは極端な読書家というわけではありません(一番の読書家は、同棲するやいなや大きな本棚を買ったカップルかな)。だからこそかな、本好きの人間にとっては勿論のこと、普段本をあまり読まないという人にもとても読みやすい短編集だと思います。
どの短編も、本を軸にしながらも、本をツールとした人と人とのかかわり、本を通した世界への扉というものをじっくりと描いています。「読みやすい」とは思っても、「軽い」という印象はしなかったのはそのせいでしょうか・・・
どの短編も好きでしたが、作者のあとがきもまた本への愛に満ち満ちていて、なんだか共感してしまいました。子供の頃、本は世界への扉だった。周囲に馴染めなくても、疎外感を感じても、本さえ開けば、そこが自分の居場所になった・・・とか。
別にたいそうな思春期少女だったわけでもないですが、自分勝手に思いつめたり、自意識過剰だったり、自家中毒っぽい中二病患者だった自分には本やマンガやアニメや映画は格好の逃避対象だったわけで、「本を読んで国語力とつけよう!」とかそういう理由じゃなく、好きなものを好き勝手に読んでいるんだよ、という仲間がいるような気がして、同好の士に会えたような喜びも感じてしまいました。

最近読む本にハズレがなくて嬉しいことです。

この本が、世界に存在することに (ダ・ヴィンチ・ブックス)この本が、世界に存在することに (ダ・ヴィンチ・ブックス)
(2005/05)
角田 光代

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2008-02-19-Tue-18-22

夜想 特集+耽美

夜想 特集+耽美

雑誌?ムック?
ちょっとカテゴリ分けしにくい本を読みました・・・半分以上が写真グラビアなので、「眺めた」といったほうがいいのかも。「耽美」特集ですって、ふふふ。貸してくれた友達に、どんだけ好みを把握されてるんだというかんじですね。
でも確かにツボでした。
ああ私、耽美っぽいのが好きだとはいっても、広大な海のほんの浅瀬のところで遊んでいるだけに過ぎないのだなぁ・・・と思わせられたディープな耽美作品の数々。
三島由紀夫の人間性とか面白かったです。人間・三島が、なんだか妙に生々しく感じられます。あとは故・山口小夜子の語る澁澤龍彦・・・どんだけ格好いいんですか!澁澤先生!!

夜想

「美しいものに心奪われることを怖れない。」という言葉は公式HPの紹介文の一文です。
なんとも・・・いいですねえ。

2008-02-17-Sun-10-07

リピート

リピート/乾くるみ/文春文庫

『イニシエーション・ラブ』を超える!
なんて煽り文句で並んでいた本書。うかうかと買わされてしまいました。しかし成る程、そうきたか!ってかんじのストーリーにぐんぐんと読まされ・・・途中でとめるのが惜しい長編って久しぶりでしたよ、うん。

主人公の毛利は大学4年生。
付き合っていた彼女に手ひどい振られ方をされ、卒論・進路等、考えることは山のようにある。そんな冴えない日々を過ごしていた9月のある日、一本の電話が掛かってきた。
謎の男からの電話、それは地震予告という奇妙なものだった。
ただのいたずら電話だろうと思ったのもつかの間、一分一秒も違わずにその地震は発生した。謎の男の予告通りに。
風間と名乗る謎の男は「自分は何度もこの時代を繰り返し体験している。これから発生する様々な事象について、自分はすでに知っている」と言う。そしてその時間旅行=リピートに毛利も参加しないか、というのだ。
果たして「リピート」とは何なのか?
風間の目的は?
毛利が選ばれたわけとは?
リピートすること、しないことによって未来はどう変化していくのか?

という、SFミステリです。(ちなみに解説は大森望)
SF的にどうよ・・・という見方は自分には出来ないのですが、先読みの出来ない謎だらけの展開に、ぐぐっと引き込まれてしまいました。登場人物も多くて、誰も彼もが怪しく見えたし。
ぐいぐい展開する話、びっくりさせてくれるミステリが好みの人にはオススメできるのではないでしょうか。あとタイムリープ系の話がお好きの方にもどうぞ。

何故か文庫版の画像が出ないのですが、文庫版表紙のさわやかさと中身のギャップがなかなかです。そこもわりと好きなところ。

リピートリピート
(2004/10/23)
乾 くるみ

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2008-02-15-Fri-23-14

ブルースカイ

ブルースカイ/桜庭一樹/ハヤカワ文庫

初めて自腹で買ってみた桜庭一樹本です。中古ですが。
真っ青な表紙が目を惹いたのと、ちょっと耽美趣味で浪漫趣味っぽい桜庭一樹がハヤカワ?SF?というのが気になったので・・・でも読んでみると、成る程桜庭一樹!ってかんじでした。

第1部の舞台は1627年のドイツ。
10歳の少女・マリーはレンスという田舎町のはずれに祖母と二人、ひっそりと暮らしていた。しかしその静かで穏やかな暮らしも、魔女狩りの断行によって打ち破られる。マリーの祖母が魔女の疑いをかけられたのだ。
一人きりになり途方にくれるマリーが出会ったのは、なんとも奇妙な容貌をした一人の少女だった。
第2部の舞台は2022年のシンガポール。
CG世界を構築する仕事に従事する青年・ディッキー。ゴシック好みである彼は、自分と自分と同じような仲間(青年)たちのことを「いつまでも大人になりきれない、けれども子供でもない存在のようだ」と感じていた。それに比べて女たちのなんと強く、大人であることだろう、と。そんなある日、すでに過去の存在であるはずの不思議な少女と遭遇する。少女はかつていたはずの「少女」と呼ばれる存在だった。
第3部の舞台は2007年の日本、鹿児島。
高校卒業を間近に控えた少女が主人公。家族仲も良好、友人も彼氏もいるはずの彼女は、しかし携帯電話で他人とアクセスを図る時にこそ「世界と繋がっている」と感じることが出来た。平和で幸せで穏やかで緩慢な日常を過ごしていたはずの少女は、ある日、あるきっかけで、その日常から隔絶される。

ということで、うーん確かにSFなのかな?SFなんだけど、ガッツリ桜庭一樹っぽい「少女(をテーマにした)小説」だな、と感じました。特に第2部は「少女論」も語られています。少女概論というか、少女という存在についての考察が。個人的にはその辺が好きだったので、とても興味深く読めましたね。
少女という存在は発明である、というのはどこか別の本で見たような気もします。子供という存在でさえ近代の発明だとも言いますよね。ある時代までは子供はすなわち「小さな大人(労働者)」だった、というような。少女=モラトリアムだと考えれば、確かにそれは近代の発明だろうなと思います。

エンタメ小説としてというよりも、桜庭一樹の考える少女性というものについて面白く読めた本でした。話として・・・と言われると、ちょっと消化不良なところもあったかなとは思いますが。興味深いという意味で面白かった、というところです。

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)
(2005/10/07)
桜庭 一樹

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2008-02-13-Wed-20-11

スウィーニー・トッド

スウィーニー・トッド/2007/アメリカ・イギリス

やっと見にいけました、ジョニー・デップ×ティム・バートンの「猟奇ミュージカル」!
「悪魔の理髪師」というサブタイトルの通り、復讐に燃えるあまり無差別殺人鬼と化した男・スウィーニー・トッドのあまりにも悲しい人生を、ジョニー・デップが暗く美しく演じています。
いやー、なんだかイキイキして見えます。ジョニーったら。

気になる評判は・・・まあまあ?ってところみたいですが、(まあこれは好みが分かれるんだろうな~)個人的には大満足。オチが読めなくて、「最後はどうなるの?どうなるの?」ってハラハラさせられたのも久しぶりで、わざわざ劇場に足を運んだ甲斐がありました。

一緒に行った友人は、「血が・・・血が・・・・・」と言っていたのですが、私は全然許容範囲内でした。神経太いのかな?
殺人シーンよりもその後の「処理」のほうが残虐なんですが、それは詳しい描写がなかったし。(それが細かく描かれていたらさすがの私にもキツかったはず)気になるラストも、「まあそりゃそうなるよなー」ってかんじで納得でした。117分、あっという間で。
あとはパイ屋の女主人(ヘレナ・ボナム・カーター)が濱田マリに見えて仕方なかったのは私だけでしょうか。女主人の夢見る「海辺の生活」シーンは笑えました・・・

2008-02-11-Mon-20-41

東京バンドワゴン

東京バンドワゴン/小路幸也/集英社

「東京バンドワゴン」、それは3代にも続く古本屋の屋号。
今時珍しい「東京の下町」で堅実な商売を続ける古本屋では、これまた今時珍しい大家族が暮らしていた。

3代目店主にして頑固者の祖父:勘一(79)
伝説のロケンローラーにして勘一の息子:我南人(60)
シングルマザーの画家にして我南人の長女:藍子(35)
フリーライターにして我南人の長男:紺(34)
元スチュワーデスにして紺の妻:亜美(34)
藍子の一人娘:花陽(12)
紺と亜美の一人息子:研人(10)
魅惑の添乗員にして我南人の次男(腹違い):青(26)

毎日賑やかな東京バンドワゴン。
少しでも売り上げを伸ばそうと古本屋に続けてカフェを併設したり、頼まれて出張買取にいったり、施設に纏めて品出しをしたり・・・昔と変わらず家族同様の付き合いをするご近所さんもしょっちゅう立ち寄る古本屋には、おかしなことに、ちょっと謎めいた不可解な事柄もまたよく舞い込んでくる。

春、夏、秋、冬それぞれに、大家族のところにやってくる「謎」。
そんな季節ごとの連作ミステリを語ってくれるのは、惜しくも鬼籍の人となってしまった勘一の妻・サチ。そう、サチさんは死して尚家族の元に残り、大家族をすぐ近くで見守っているのでした。

ということで、メフィストデビューの小路幸也の本を読んでみたのでした。
いやー素直に面白かったです!
『高く遠く空へうたう歌』、『空を見上げる古い歌を口ずさむ』を読んだこともあるのですが、その先行2作品の持つ「ちょっと懐かしい昭和の匂い」を引き継いだままにファンタジー色を廃した(おばあちゃんゴーストはいるけど)本作、世評もなかなか良いようなのですが、それはそうだろうなあっと思ってしまう出来のよさでした。
日常ミステリ+大家族SP、ということで「北村薫(というよりは初期宮部みゆき)+向田邦子÷2」というかんじでしょうか・・・

人情話は人情話なんですが、この大家族構成も単に子供が多いというだけではなくて、ちょっと捻った構成なのがいいんですよね。大人が多いし、自立した上で寄り添ってるという感が気持ちいいですね。温かし甘いんだけど、決して甘ったれてないかんじが・・・
思わず実写版を想像してしまいましたが、とりあえず我南人(がなと)は内田裕也!
ビジュアル的には岩城滉一かなぁ・・・という気もしますけど。
この我南人のキャラクターがとてもいいですよね、好きです、私。だってベイベー、愛なんだよね。

東京バンドワゴン東京バンドワゴン
(2006/04)
小路 幸也

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2008-02-07-Thu-20-13

少女には向かない職業

少女には向かない職業/桜庭一樹/東京創元社ミステリ・フロンティア

晴れて直木賞作家となられた桜庭一樹さんの本が一冊だけ図書館にあったので借りてみました。今は文庫にもなってますね、タイトルだけは知っていて、それとなく気になっていた本だったのでラッキーです。

主人公は中学2年生の少女、葵。
学校や友達の間では「明るくて楽しいキャラ」で通っている葵は、自分の中に鬱屈したものを抱えていた。優しかったはずなのに、体を悪くして以来酒びたりで暴力をふるうようになった義父と、そんな生活に疲れきった母との家庭では「無口でおとなしい」自分として生きている。
そんな二重生活を送っていた夏休みのある日、葵は同じクラスの宮ノ下静香と出会う。
クラスメイトではあったけれど、ほとんど会話としたこともなかった二人。複雑な家庭の事情を抱えつつ「明るい少女」を演じる葵と、網本の祖父に溺愛されているという噂の「真面目で目立たない」静香は、しかしいざ二人きりになってみると、意外と居心地のいい二人でもあった。
夏休みの間に段々友人としての付き合いを始める葵と静香。
ある日、静香が葵に言い放つ。
「葵。ぜったいみつからない人の殺し方、教えてあげようか」

というわけで、「少女には向かない職業」=殺人者、ということなんですね(これはネタバレかしら・・・でも本当のネタはちゃんと別にあるので)
なんとも読みやすい本でした。桜庭さんはデビューがラノベなんですね?最近持続力がなくて、一冊の本を2~3日かけて読んでしまうことがほとんどなのですが、今まで読んだ桜庭さんの本はどれも一日で読んでしまっている気がします。
この「読みやすさ」というのは、武器ですよねぇ。正直、ストーリーそのものは・・・好みかどうかと言われると、うーんってなもんですが(でも女子中学生コミュニティの不条理さとかリアルで怖い)・・・ちょっと安易に殺人に走ってない?とか・・・でも読ませられます。ずいずいっと。
文章が上手いというのか勢いがあるというのか。
他の本も読もうと思います。

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)
(2005/09/22)
桜庭 一樹

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2008-02-04-Mon-20-09

秘密 トップ・シークレット④

秘密 トップ・シークレット④/清水玲子/白泉社

アニメ化も決定した、清水玲子による美麗サスペンスドラマの4巻目。
人間が「目」を通して「脳」で見た映像を再現すること、殺人事件の被害者の脳を分析することによって事件解決を図るという警察内特殊機構・通称「第九」。

シリアスで猟奇的な事件が「現代日本で起こってもおかしくないかも」というふうに感じられたり、死体が続々と出てくるのだけれども、清水玲子の耽美な絵柄がそれを妙に綺麗にエロティックにみせてくれたり・・・
というお話なんですが、この4巻で、思ってもみない(いやそうでもない?)方向に話が向かっていきそうです。清水玲子ってそれっぽいのは描くけど、今までそんなに露骨な話は描かなかったんですけど・・・・とりあえず薪さんが切ない。切な過ぎてもうどうしよう。

アニメ化にも期待と不安の両方が渦巻くのですが、原作のこれからにもドキドキです・・・。
・・・・・青木めっ・・・。

秘密(トップ・シークレット) 4 (4) (ジェッツコミックス)秘密(トップ・シークレット) 4 (4) (ジェッツコミックス)
(2008/01/29)
清水 玲子

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2008-02-03-Sun-22-41

おもいでエマノン さすらいエマノン

おもいでエマノン
さすらいエマノン/梶尾真治/徳間デュアル文庫


エマノンはノー・ネームの逆さつづり。
異国風の顔立ちにすらりとした肢体。シーンズと粗編みのニットに身を包み、ナップザックひとつでどこにでも旅をする彼女は、地球に生命が誕生して以来の総ての記憶を持っていた。
エマノンが旅する世界各地と、世界各地でエマノンと出会う人々の物語。

鶴田謙二のイラストも雰囲気ぴったりな連作短編集です。
いやー読み終わってから思い出したんですが、コレ昔自分で買って読んでました(今回は友人に借りたのを読んだ)!記憶力が低下しているなあ・・・しかも気づいたのが読み始めてすぐじゃなくて、最後まで行ってからでした。

でもほとんど内容を忘れていたからか、まっさらな気持ちで読めたのはよかったです。昔(刊行当時として7、8年前?)読んだ時よりも素直に「面白い!」と思って一気読みでした。昔はもっと・・・なんというか、読書にエンタメ的なものを求めていたので、「こういう路線は別にいいやー」と思って、忘却の彼方に飛ばしてしまったのだと思います。SF不慣れというのもあったし・・・
いや、今となっては『エマノン』は十分エンタメ作品だと思うんですけどね。そして読みやすかったです。年をとって感想が変わるというのはこういうことなのだなーと実感しました。

おもいでエマノン (徳間デュアル文庫)おもいでエマノン (徳間デュアル文庫)
(2000/09)
梶尾 真治

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『さすらい』のほうは画像が出ませんでした・・・


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