フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2007-12-29-Sat-22-58

2007年決算

明日、田舎に帰ります。
なので、今年中はこれが最後の更新になるかと。2007年を軽く振り返って終わりにしたいと思います。

冊数的には合計で106冊。(漫画は除く)
ここ数年100冊到達しない年が続いていたので、やっと目標値クリアってかんじです。読むときと読まないときの波があるのが問題なんですよねえ・・・来年はもっとコンスタントに読んでいきたいです。あと図書館の延滞を少なくしようと思います。ごめんなさい、某中央図書館。

一方、2007年で一番記憶に残った本は『アラビアの夜の種族』ですかね。何を今更ってかんじですが、今年になってやっと読めたんです。噂に違わぬ作品でした。
作家としては川上弘美や古川日出男、秋山香乃等との出会いが良かったかな。まだまだ知らない作家さんや、興味はあるのに手が出せない作家さんが沢山なので、来年ももりもりと精進していきたいと思います。

では皆さん、よいお年を!
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2007-12-28-Fri-22-48

金春屋ゴメス 芥子の花

金春屋ゴメス 芥子の花/西條奈加/新潮社

第17回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品の続編。
近未来お江戸物語です。

近未来の日本において、忽然と存在する独立国・江戸。
諸事情によって日本から入国した主人公・辰次郎もすっかり江戸の水に馴染み、誰もが恐れる通称ゴメスこと長崎奉行の下働きとして精を出していた。新たな人員として凛々しくも美しい女武士・朱緒も混じり、ゴメス一家<金春屋>は今日も大賑わい。
そんな和やかな日々も、「阿片問題」という大事によって一気に色を変える。こと麻薬となれば、それはもう江戸国内でも問題に収まらない。国際問題、ひいては江戸国の存亡そのものを揺るがす大問題なのだ。
頼りは勿論、鬼も恐れる金春屋・ゴメス!
ゴメスの天敵である北町奉行・筧や新人・朱緒の元婚約者まで入り乱れて、事態は予想外の方向へ展開を見せ始める。

2作目にしてすっかり各キャラクターの個性が定着した感があります。先に読み終えた友人が「筧様ー!!」(ラブな意味で)って言ってたことがラストで分かりました・・・一番美味しいとこ持ってったのって、ひょっとしてこの人かな?
頭ガチガチの北町奉行に可憐な女武士と美味しいキャラクターも増えて、次作もありそうな雰囲気です。今後はますます日本VS江戸という方向に持っていくのかな?とも思いつつ、大変読みやすくて入りやすいお話なので、「しゃばけ」のように化けないものかなーという期待もしております。でもゴメス様はしゃばけのモノノケみたいに愛らしくないからダメかしら・・・
アニメ化したら面白くなりそうだ、とも思います。時代物は難しそうだけれども。

芥子の花 (金春屋ゴメス)芥子の花 (金春屋ゴメス)
(2006/09/21)
西條 奈加

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2007-12-27-Thu-20-38

放浪息子⑦

放浪息子⑦/志村貴子/BEAM COMIX

待ってましたの放浪息子、新刊です。
女の子になりたい少年・二鳥くんと、男の子になりたい少女・高槻さんを中心とした思春期青少年物語。

今回は中学1年生の文化祭(クラス出し物:演劇)の後から始まります。
なんとも思いがけない展開(二鳥くん、そうきたか!)があってびっくり仰天の巻でもあるのですが、一番ズズーンときたのはまこちゃん(二鳥くんの親友・女の子になりたい男子)の心理と、それから千葉さん(二鳥くんのことを好きなミステリアス美少女)と高槻さんのやりとりでした。

キャスティングミスだ、と思いながらも主演を演じてしまって、好きでやったはずなのに後悔しきりの悩めるまこちゃん。いつも二鳥くんを励ましたりけしかけたりするポジションなのですが、実は自分の容貌にコンプレックスを抱えていたり、物事を客観視できる冷静さをもっているが故に悩み多き乙女だったりするんですよね。
そんな彼(彼女というべき?)が「幼馴染であるちーちゃんに固執する白井桃子」に対して「いいかげん大人になりなよ!」というところは、我を通そうとする白井さんと<折り合いをつけるってことを知らないんだろうか>という自分を重ねてしまったから出た一言なわけで、・・・なんだか上手く言えないのですが、モヤモヤっとして消化不能な感情が伝わってきたシーンでした。
容姿に恵まれた子とそうでない子の思春期における精神状態ってかなり違うと思うんですよ。そういうところで二鳥くんとまこちゃんの対比は面白いです。

それから因縁の千葉さんと高槻さんの和解。
和解というにはまだ氷が溶けきってないかんじですが、高槻さんの押しの一手に千葉さんが少しだけ心の扉を開いたような・・・・ まるで中学生日記のような展開ですが、小学生時代からの二人の冷戦を見てきただけに、ああ二人ともなんて大人になったんだ!と感激です。
対峙したり許しあったり、そんな熱い友情を築いたためしがないので(熱いけどゆるい友情ばかり)、うーん立派だなぁと感心するばかり。認めてるから嫌いになれない、嫌いになれないから自分の中でモヤモヤしてしまう・・・そんな二人の友情が深まらんことを。

次に気になるのは安那ちゃんの心理かな・・・

放浪息子 7 (BEAM COMIX)放浪息子 7 (BEAM COMIX)
(2007/12/25)
志村 貴子

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2007-12-26-Wed-22-37

Danza

Danza/オノ・ナツメ/講談社

オノ・ナツメの新刊購入しました。
等身低いバージョンの絵柄ですね。こっちでもまだ描き続けていたんだなぁ・・・どちらの絵柄も好きなので嬉しいことです。

イタリアのワイン畑を舞台にした父子物語「長靴」、
ちょっとびっくりなSFモノ「湖の記憶」、
国際人情ドラマ「箱庭」、
お得意のジェラート話「ジェラテリーアとカラビニエーリ」、
因縁の兄弟モノ「煙」、
NYの警察バディもの「パートナー」、

の計6作の短編が収録されています。
私のお気に入りは一番短い「ジェラテリーアと~」。
ストーリーよりも、こういうエピソードものっぽいのが好きですね。
准尉ったら・・・たまらんです。

Danza (モーニングKC)Danza (モーニングKC)
(2007/12/21)
オノ ナツメ

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それと「パートナー」は例の同人書籍の続編ですね。
連載かぁ・・・いやはや売れっ子だなぁ。
2007-12-24-Mon-20-36

大奥 第三巻

大奥 第三巻/よしながふみ/白泉社

もう三巻、まだ三巻?
年に一度のお楽しみがやってきました。今回は二巻で波乱万丈の末に結ばれた家光とお万のそれからの話です。

いやあもう、よしながふみは上手いねえ・・・としか言えないのですが、この作品の面白さというのは、紛れもなくパラレルワールドの創作話なんだけれども、それにしっかりと日本史上の実際の(というか、通説とされている)事柄を絡めてあるところですね。
女達の髪型の変化という文化的な事柄を「女達が動きやすいように」という、この物語の設定においても納得のいく風に解説してあるところとか。よしながふみ自身も時代劇や歴史が好きなのでしょうが、好きだからこそのこだわりが感じられますね。
(まあその分ネームも多いので、そこのあたりに興味のない人にとっては説明的すぎるきらいがあるのかもしれません)

今回はもうお万が不憫で不憫で・・・・そしてズンズン男前になって家光。
ハイライトのラスト、「女将軍家光の誕生である」は鳥肌くるぐらい格好良かったです。
これで『没日録』の出てきた1巻ラストと繋がったわけですが、さあ次はどうなるのでしょう。最終的にはまた吉宗時代に戻るのでしょうが・・・うーんうーん。来年が楽しみです。首を長くして待っています。
大奥 第3巻 (3) (ジェッツコミックス)大奥 第3巻 (3) (ジェッツコミックス)
(2007/12/20)
よしなが ふみ

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2007-12-23-Sun-16-11

毎年恒例

今週末は、もはや毎年恒例となりつつある年末カラオケオールナイト大会★でございました。
年末・・・というか、正確にはクリスマスあわせなんですけどね・・・「世間の浮かれ具合に物申す!」ってかんじの集いだったような気がするのですが、こうなったら我々もそれなりにキリスト祭りを堪能しているような気もします。
それでも明日は仕事です。はは。

今日はなるべく早く寝よう・・・
2007-12-21-Fri-22-31

ニコ動

ほんっとうに今更だと思いますが、ニコニコ動画なるものに登録してみました。
いや、登録自体は先月くらいにやってたんですけど、常時開放の順番までずっと待ってたんですよ。で、さっそく見に行ってみたんですが、いやーいろいろありますね。

何はともあれ『ここはグリーン・ウッド』を検索してみたわけですが。
CDやカセットテープはまだ実家にあるとはいえ、10年ぶりにまとめて歌とか聴いたわけで・・・・・・もう、もう、もう!!!です。
正直、これだけでもニコ動に登録した甲斐あります。
もう上手く書けない程の懐かしさに感動し、胸いっぱい、腹いっぱい、夢いっぱいです。

ニコ動は個人の書き込みが流れるのが特徴だって聞いてて、「それがどうした?」と思ってたのですが、実際に見てみると面白いものですね。リアルタイムで感想を語り合ってるようなかんじ。仲間内で盛り上がってるような臨場感が出るわけですねー、なるほどなるほどです。
しばらく色々見てみようと思います。

しかし10年ぶりに聞いた歌でも空で歌詞が出てくるって、どんだけ当時聞いてたんだか・・・きっと今新しい歌を覚えたとして、10年後なんて覚えてないだろうなぁ。そう思うとやはり思春期のハマりものって一生ものですね。
歌だけで青春が蘇ります。それがアニソンだって、それ以前のキャラソンだって、いいじゃないか。ありがとう、ニコ動!感動をありがとう!
2007-12-19-Wed-22-07

電波の男よ

電波の男よ/西烔子/小学館

今更ですが、西烔子の新刊を購入してみました。
書店で一際目を惹く末期色真っ黄色の表紙が「最後の一冊だぞ、どうするどうする」と語りかけてきたからなのですが、いや、買って正解。よかったです。

本書は表題作他2編が収められた短編集。

「波のむこうに」 : 容姿にコンプレックスのある新任女性教師が、ある日突然絶世の美女に変身してしまった。わが世の春を楽しみつつも、一瞬にして態度の変わった周囲に不信感を抱く主人公。ただ馴染みのラーメン屋の店員だけは変わらない態度をみせてくれるのだが?

「電波の男よ」 : 高校時代にアマチュア無線で言葉を交わした女性との再会を目指し、非常に間違った方法で努力を重ねる主人公。暗くてキモいと後ろ指をさされ続けた主人公にとって、人生で最も会話を交わした女性<マリン>との再会なるか?

「海の満ちる音」 : それぞれに過去のある男女。お互いに深入りはすまいと思っているのに、いつの間にか相手はもう胸のうちに住み着いていた。どこか懐かしさただようラブ・ストーリー。

と、一応どれもラブストーリーというくくりの作品ですね。しかもわりと直球?珍しい!
しかし<容姿コンプレックスの女主人公>とか<キモいと言われ続けた男主人公>が主役というあたり、まさに西烔子というかんじです。人のマイナス面を描かせたら上手いんですよねえ・・・自意識過剰とか羞恥心とかついつい周りの人間を呪ってしまう自己中ぶりとか、身に覚えがあるだけに思わず共感してしまうのですが、西烔子の場合はそれをサラっと笑いをこめて描いてくれるので、そう重くならずに読めるのです。
(重かったり痛かったりすると、読めずに逃げちゃうんです。チキンなので)

西さんのシリアスめの話(「海の満ちる音」)って久しぶりに読んだのですが、笑いという技がなくってもやっぱりこの人「見せ方」上手いなー、と思わされたことでした。絵も上手いですしね。
うーん、でもこれはスポーツカーとか真知子巻きとか、そっちのほうを笑ってもいいものだったのでしょうか・・・突っ込みどころではあると思うのだけど。

電波の男よ (フラワーコミックス)電波の男よ (フラワーコミックス)
(2007/10/26)
西 炯子

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2007-12-18-Tue-20-14

不条理な男

不条理な男/樹生かなめ/講談社ホワイトハート文庫

BL界に咲く一輪の可憐な野茨・樹生かなめさんは、以前友人から薦められて以来、たまぁにチェックする作家さんになりました。
甘々でもなく鬼畜でもなくハーレクイン調でもなく耽美でもなく・・・コメディ、というのが一番いいのでしょうが、明朗に笑い飛ばせる作風かというと、そうでもなく。
ちょっと変化球・ひねくれた笑いというような。どうにもカテゴリ分けし辛い作家さんなんですね。結構ギリギリの線を走ってらして、「コレ笑っていいの?笑っていいの?」と思わされたことは数知れず・・・

で、この『不条理な男』についても、非常に不条理であって、それがもう笑えるレベルの不条理なんですけど、被害をこうむる立場になったら笑ってばかりもいられない・・・というか。
ぐるぐるぐるぐるしてるのですが、最後はちょっと救いのあるオチでよかったです。

不条理な男 (X文庫ホワイトハート)不条理な男 (X文庫ホワイトハート)
(2004/11/01)
樹生 かなめ

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2007-12-17-Mon-23-01

まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒/三浦しをん/文藝春秋

友人に借りていた三浦しをん本、読了いたしました。
そういえばコレで直木賞とったんだったっけ、と思い立ったがゆえに純粋に読書に没頭できなかった気がします・・・勿体無い。

物語の舞台は東京都まほろ市。それ自体で完結したような市で、主人公の多田は便利屋を営んでいた。
いつものように仕事に出た先で、多田は高校の同級生だった男・行天と出会う。寒空の下裸足にスリッパという格好の行天は、帰るところも頼れる知り合いもいないのだという。さして仲の良くなかったとはいえ、仮にも同級生だった男を凍死させるわけにもいかず、多田は行天を事務所に泊まらせることにする。その一泊が運の付き。
多田のお人好しに漬け込んだ行天はその後も便利屋に居座りを続け、うやむやのうちに一人きりの便利軒は二人で仕事をするようになっていく。行天の奇妙な言動と一筋縄ではいかない依頼人たちのおかしなテンションに巻き込まれながらの毎日が過ぎていく中で、次第に明らかになるのは、多田と行天、それぞれの過去・・・。

と、こんなかんじの短編連作集です。
しっとりとした作風の続いた三浦しをんが、持ち味であるコミカルな雰囲気を改めて打ち出してきたってかんじですね。キャラのたった登場人物による人間ドラマあり、笑える掛け合いありで、かるーく楽しく読ませてくれます。
うん楽しかったなぁとは思うのですが、本作が直木賞・・・と言われると・・・個人的には『むかしのはなし』のが好きだったかな、と思いますが、「ついにBLが直木賞をとった」なんて一部では言われていたのを思い出して、ううんそこまで言われるほどでもなかろう・・・とも思いました。(イラスト有りなとこがそういう雰囲気を助長したのかな?)
要約すると、よかったけど、まあわりと普通に良かった・・・というかんじですかね(暴言失礼)。あ、でもでも好きなんですよ三浦しをん!なんというか、特に日常生活が他人とは思えないところが!!

まほろ駅前多田便利軒まほろ駅前多田便利軒
(2006/03)
三浦 しをん

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気になったのは「まほろ市」が実在するのかどうか?ということ。ウィキで調べてみたのですが、どうも「町田市をモデルにした架空の町」らしいです。おお、町田市行ったことあるよ!と、今更急に親近感がわいてきました。続けようと思えば続けられるシリーズですし、ひょっとしたら続編もアリですかねー。
2007-12-16-Sun-20-45

ブルータス

コンビニで今号の『BRUTUS』を立ち読みしました。
いえ、「読書特集」だったもので、つい。
皆さんいろいろお読みですねえ、と、こういうのは良い発奮材料になるのです。
しょこたんもなかなか読書家ですな。

BRUTUS (ブルータス) 2008年 1/15号 [雑誌]BRUTUS (ブルータス) 2008年 1/15号 [雑誌]
(2007/12/15)
不明

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そうそう、そういえばまたしても『ユリイカ』がBL特集をやるそうです。
よくやるよー、と思いつつもまた読んでしまうんだろうな。
楽しみです。
2007-12-15-Sat-20-00

バロックライン

バロックライン/樹月弐夜/カッパノベルス

ケンブリッジ大学に通う青年ヴィクターは、少々鋭すぎるくらいの勘を備えていた。それは周囲から「完璧な(フローレス)ヴィクター」と呼びはやされるほどのものだったが、その才能を見込まれたために、英国政府が絡む重要任務を任される羽目になってしまう。
わけも分からないままにウィーンを訪れるヴィクターは、約束していた取引相手の死体を発見し、さらに宮廷警察やテロリストたちから命を狙われることに。丸腰・素人のヴィクターの身を守る唯一の手段は、理論物理学の勉学によって鍛えられた<物質的な威力を持つ『式』>だけ!
大戦前のウィーンを舞台に、青年ヴィクターの冒険の幕が開く・・・

ええとこれは作品名も作者名も全くの初耳だったのですが、表紙の羽住都さんの絵が綺麗だったのと、裏表紙の森福都さんの推薦文「美しくも怪しい五つ巴の冒険活劇」という文句に惹かれ、衝動読書してしまったのです。
舞台や設定から推測するに、皆川博子的なゴシックミステリに違いない・・・と読み出したのですが、あにはからんや、ミステリとみせかけたファンタジーでした。残念。
どの位ファンタジーかというと、人外の存在が出てくる程度にはファンタジーでした。それ自体はそれ程かまわないのですが、それよりも途中からミステリ要素が抜けていって、ファンタジーアクション?の方向にいってしまったことが残念でしたねぇ。うーん。
またこの作品の鍵となる重大事件は、かのオーストリア皇太子殺人事件なのですが、途中からそれが存在感なくなってしまってるんですよね。歴史ものとして、それはどうなの?という。
それからファンタジーはファンタジーとして、<数式で戦う>なんて発想は独創的で面白かったのですが、でも具体的にどうやって戦うのか(数式を唱えるのか)?どんな威力があるのか(数式のレベルによって変わる)?その技は何故イギリスの影響力内でないと通用しないのか?という設定にいまいち説得力を感じなかったですね。ファンタジーとしてもちょっと弱かったように感じます。

全体的な感想としては、「シリーズものの第1巻としてならアリかもしれない、でも独立した一作として読むにはちょっと残念」というところです。
怪しげでキャラたちまくりの登場人物が沢山いるし、彼らはまた確かに魅力的なのですが、その全てが「以下次号!」ってかんじなんですよ。シリーズものだという前提で読むなら許せる範囲だと思いますが、この本だけを読んだ私としては、正直、ちょっと残念でした。
ヨーロッパが舞台で、華やかな容姿のキャラクターが盛りだくさんなので、少女文庫系でウケそうなかんじはします・・・

バロックラインバロックライン
(2007/02)
樹月 弐夜

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2007-12-14-Fri-20-27

文學少女の友

文學少女の友/千野帽子/青土社

以前読んだ『文藝ガーリッシュ』の著者、千野帽子さんの本第2弾。相変わらずの「乙女ぶり」でございます。

さて本作もまた「孤独を愛し、浪漫と美意識と己の欲望を愛する一握りの少女たち」のための、偏りに偏りまくった内容となっています。とはいえ「夢見る乙女のためのブックガイド」というテーマが明確だった前作に比べると、こちらは様々な媒体に掲載された文章をまとめたものだけにその内容も様々です(でも今見返してみたらほとんどは『ユリイカ』だったんですね)。

小川洋子、人形、軽井沢・・・と、前半は「乙女」に属しているものたちについての文章ということですんなりと読めたのですが、第4章の「少年探偵団is dead.赤毛のアンis dead.」あたりからはそれが変化球になってしまって、ちょっと付いていきにくかったです。
乙女的でないものと比較してみせて改めて乙女的文化を考察するということだったんでしょうけど、後半はちょっと単純には楽しめませんでした。
(私がヌルい乙女だからでしょうか。こういう、「分かる人だけ分かってよね」という本が「分からない」時、わけもなく悔しくなってしまいます)

というわけで乙女節全開の本作中で、私が一番面白いと思った部分は

かつて稲垣足穂は室生犀星に<美少年は君、ホータイをするものだよ>と聞かされて<降参した>そうです。

というところでした(60頁)。
さすがは乙女の必読書家・稲垣足穂!すばらしい美意識です。そしてそれを理解してみせる室生犀星先生にも乾杯。包帯萌えはそんな時代からあったのですねえ。

文學少女の友文學少女の友
(2007/03)
千野 帽子

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2007-12-11-Tue-20-17

NO.6 #6

NO.6 #6/あさのあつこ/講談社

読了しました。
前回に引き続き、クライマックス一直線ですね。ネズミの過去が明らかになり、次巻はいよいよ紫苑が活躍するのかな?というところ。
それにしても、なんだかいつもいつもクライマックスだって言ってるようなシリーズです。
まさか紫苑のお母さんがここまで出張ってくるとは思いませんでしたねえ・・・

NO.6〔ナンバーシックス〕#6 (YA! ENTERTAINMENT)NO.6〔ナンバーシックス〕#6 (YA! ENTERTAINMENT)
(2007/09/22)
あさの あつこ

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2007-12-10-Mon-21-35

ギムナジウム

友人が、噂のギムナジウムカフェとやらに行ってきたそうです。

意外と(?)よく出来ていたらしく、とても面白かったとのことで・・・・

制服を着た青年たちの、窓辺での語らい、チェス、ギター、

委員長設定、寮長設定、部長設定、眼鏡、天然ドジっ子・・・・

ああ・・・・羨ましいなぁ・・・・・。
2007-12-09-Sun-20-07

あるようなないような

あるようなないような/川上弘美/中央公論新社

川上弘美のエッセイ集を読みました。
出版されたのも結構前、書かれたのはもっと前の文章で、大体90年代半ばから後半にかけて色々な雑誌に掲載されたものばかりです。
以前読んだエッセイも面白かったのですが、この『あるようなないような』は、特に掲載誌が多岐にわたっているためにその内容もいろいろで、そういう意味でも面白かったですね。
特に後半、パソコン誌に掲載されていたエッセイでは、著者がメールやパソコン通信(?)を「ワープロで」(!)行う様子が描かれていて、なんだかとても興味深かったです。
作家さんだというだけでアナログなイメージを抱きがちですが、そういえば川上さんは元々理系の先生なんでしたか。

川上弘美のエッセイは日常に根付いたもの(特に食)が多いのですが、今回はアレっと思わせるように、まるで短編小説のような話がちらほらとありました。どこまでが現実に起こった出来事の話で、どこからが架空の話なのかが判然としないのです。

小さい頃外国で孤独な思いをしたのは、多分本当だろう。
新しい季節の訪れを宣言する双子の少年と遭遇したのは、フィクション、だろう。
ではとある海辺で、靴がぎっしりと詰まった箪笥を見つけたのは?一体、どっちなんだろう。

というふうに、川上弘美という人は、小説は勿論のこと、エッセイ集でさえも世界の狭間を垣間見せてくれます。心がちょっと遊離している、足元がほんのちょっと中に浮いているような、そんなかんじの人なんだろうなと勝手に想像したりして・・・

あるようなないようなあるようなないような
(1999/11)
川上 弘美

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2007-12-08-Sat-20-31

ラヴェンダーの咲く庭で

ラヴェンダーの咲く庭で/2004/イギリス

戦争の匂いがくすぶり始めたイギリス。しかし小さく美しい島で暮らす老姉妹はそんな俗世とは無関係に淡々と二人だけで暮らしていた。
ある嵐の過ぎた翌朝、二人の穏やかな生活を一変させる出来事がおきる。二人が暮らす家近くの浜辺に、若い青年が打ち上げられていたのだ。言葉も通じない外国人の若者を救助し、介抱する二人。
青年を助けたその時から、老姉妹の妹・アーシュラは彼に心奪われる。親と子ほど、いやそれ以上に年が離れているのに、馬鹿で、おろかでしょうと自嘲しても自分の気持ちをとめられないアーシュラ。そんなアーシュラを前にして、姉のジャネットは妹を見守ることしかできない。
青年がやってきたことでとたんに色鮮やかになった老姉妹の生活。いくらもしないうちに、二人の生活の中心はもはや青年アンドレアとなっていた。
思いがけないことに、アンドレアは非常なバイオリンの名手だった。つたなく喋りだした英語よりもずっと能弁に感情を語る彼のバイオリンは、老姉妹だけでなく、島の人々の心にまで響き渡る。しかしそのバイオリンがきっかけで青年自身の、また老姉妹の日々が変化していく。

という、とても美しくてロマンチックで切ない映画です。
最近見た映画の中ではダントツで好きでした。イギリスの田舎ってなんでこんなに素敵なんだろう、と、自然は勿論小道具に至るまで惚れ惚れしてしまいますし(アンティークっぽい雰囲気がたまらない)、老姉妹を演じる主演ベテラン女優二人もすごくいい。
姉役のマギー・スミスは元々好きだったのですが、恋に落ちる妹役の女優さんが、ぱっと見はほんとにおばあさんなのに、表情とか些細な仕草が超「恋する乙女」ってかんじで可愛らしい・・・顔の綺麗さとかそういう問題じゃなくて、ああ可愛いな、と思いました。「老いらくの恋」なんて言葉は失礼よねってくらいに。

ラストにいたるまではわりと急な展開だったのですが、その潔い締めくくりもよかったです。「もうちょっと見たかったな」、と思わせつつ終わるのが一番綺麗ですよね。2時間弱という短さが私にはちょうど良かったです。

うーん、これは、オススメ。

ラヴェンダーの咲く庭で 特別版 (初回限定生産スペシャルアロマパッケージ)ラヴェンダーの咲く庭で 特別版 (初回限定生産スペシャルアロマパッケージ)
(2006/01/27)
ジュディ・デンチ、マギー・スミス 他

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2007-12-07-Fri-20-35

コールドマウンテン

コールドマウンテン/2003/アメリカ

南北戦争の時代、兵士となった男と男を待つ女がいた。
牧師の父とともにコールドマウンテンという片田舎にやってきたエイダは、そこで一人の青年・インマンと出会う。一目会ったその時から始まった、静かだけれど熱烈な恋。
しかしインマンは開戦とともに兵士として町を出ることになる。インマンはピアノの楽譜に隠して自分の写真をエイダに送り、エイダもまたコールドマウンテンの土地が書かれた旅行記とともに写真を送る。戦争が引き裂いた二人の仲。再会できないままに何年もの年月が流れていく。
その間に父を亡くし、途方にくれるエイダだったが、逞しい農家の娘・ルビーとともに生活力をつけて生きるようになる。一方兵士となったインマンは運良く生き延びるも、脱走兵として軍に追われる身に。エイダとインマンの望みはただひとつ、生きて再会すること。
果たして二人は再び出会うことができるのか?

という、まあ分かりやすい戦争メロドラマですね。こういうのを見ようと思ったのはひとえに主演が二コール・キッドマン&ジュード・ロウだったから。シリアスに熱演する美男美女の姿はとても絵になります、が、「世間知らずのお嬢様」には二コールは・・・ちょっと・・・(自主規制)ってかんじもしなくはなかった。『奥様は魔女』でもそう思ったのですが、このポジションに来る若手女優っていないんですかね?

個人的には頼れる娘っ子・ルビー役のレニー・ゼルヴィガーがよかったです。正直最初のほうはメロメロドラマチックで、レニーが登場してくれなかったら途中で見るの止めてたかも。
ルビーのおかげで生きていく力を身に付けていくエイダが単なるお姫様ヒロインに収まらないところもよかったよかった。エイダとルビーの女の友情もいいかんじでしたねえ。
この作品で一番注目されたのがレニーだったというのも納得です。確かに何かもう外見から頼れそうだよレニー!

コールドマウンテン コールドマウンテン
ジュード・ロウ、ニコール・キッドマン 他 (2006/01/25)
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

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戦争シーンもわりと生々しくって、逃亡兵狩りも陰惨です(サリー・・・涙)。紛れもなくラブストーリーなのですが、主役カップルが二人とも熱烈な恋人同士というよりは、そうなる手前で戦争に引き裂かれたために相手を理想化してみちゃってるような、そしてそれだけに純粋に想う事ができたような、そんなかんじでした。夢見がちラブストーリー+リアル戦争映画、という不思議な印象の作品。
2007-12-06-Thu-19-57

どん兵衛×ガンダム

日清のどん兵衛が1stガンダムとCMでコラボレーションだそうで、すごい時代になったものだと思います。

CMはネットで見れるので、興味のある方は見てみて下さい。(こちらです→http://donbei.jp/gundam/
すごいよすごすぎるよー。私はもう、銀河万丈の熱演に胸打たれました・・・

cm_pic02.jpg


ジュゥゥシィィーうどん!(うどん!)
2007-12-05-Wed-20-28

本バトン

拾ってみました本バトン。
ではさっそくやってみます。

【01】初めて読んだシリーズものは?
覚えている限りでは皆川ゆかの『ティー・パーティーシリーズ』。
最初はただの学園コメディだったのに、段々SF?な方向に走っていった不思議作品。パラレルワールドとか前世等の概念を教えてもらいました。

【02】授業で扱って一番印象に残っている作品は何ですか?(模試や試験で見たものも可)
①山月記(中島敦)
②海峡の光(辻仁成)

【03】その理由をどうぞ
①だって虎になっちゃうんですもん
②男同士の憎悪とか征服感とか、そういう感情を勝手に読み取ってしまいました・・・

【04】この季節にはこの作品!というものを教えて下さい。
桜の時期に、『桜憑き』(カッパノベルス 異形コレクション)。
桜をより楽しむために。

【05】声に出して読みたい名文をおひとつ。
声に出して・・・と言われても思いつかないので、とりあえず暗記している好きな文章を挙げて見ます。
「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」(茨木のり子)
「僕たちには夢がなかった 夢がなくて 自由だったね」(銀色夏生)
「故郷は遠きにありて思うもの そして悲しく歌うもの」(室生犀星)
「身捨つるほどの 祖国はありや」(寺山修司)
「うつし世は夢 夜の夢こそまこと」(江戸川乱歩)
どれも記憶だけを頼りに書いているので、細部が間違ってたらすいません・・・

【06】贈った本、または贈られた本は?
友達に『ハルチン』(漫画)を贈ったことがあります。貰ったものでは、乙一の文庫を貰ったことが。

一番古い、読書の記憶。
【07】どこで読んだ?
自宅の中庭に面した縁側で。

【08】何の本だった?
日本昔話とかの絵本シリーズ。

【09】初めてこんな言葉知った!こんな事知った!
読書で得た知識をどうぞ。

ありすぎて、言えません。
漫画だけど『あさりちゃん』でかなりの語彙を覚えたと思います。

【10】あなたの好きな一冊。漢字一文字であらわすなら?(タイトルも一緒に)
『花迷宮』(久世光彦)。漢字だと「美」とか「懐」。

【11】最短!○時間(単位は自由)で読了!
それこそ昔は少女小説とか30分くらいのもんでした。

【12】最長!○時間(単位は自由)で読了!
うーん、最近一日で読み終わることが少ないんですよね。一気読みの最長なら4、5時間くらいかな。日数だと分かりません。

【13】一ヶ月平均何冊くらい読みますか?
6、7冊くらいかと。

【14】文庫本の背表紙の色が好きな作家。
背表紙って言われてもねえ・・・とりあえず江國香織は水色(新潮文庫)のイメージ。

【15】今一番の本にまつわる心配事
(無い人はいろは歌を全部書いて下さい)

幅85センチ以内で奥行き40センチ前後、高さ100センチくらいの扉付きの本棚が欲しい。

自分が今執筆するなら
【16】タイトルは?
なんでしょうね、何か耽美的な?(笑)

【17】ジャンルは?
思い切ってBLとか。もしくは少女小説かな。(定義が分からない)

【18】同じ部屋に他の人が居ても読書に集中できる?
その人が話しかけてこず、静かにしていてくれたならば平気です。

【19】ベタな質問ですが、無人島に持って行きたい一冊は?
岩窟王とかロビンソン・クルーソーとか?でも実際は私知識がないので、「無人島で役立つカレコレ」的な本になると思います。あ、『マスターキートン』もいいかも。

【20】このバトンを本好きな人に回してください。
   また、その人へのオススメ本もご一緒にどうぞ。

本好きの方はどなたでもどうぞ。
2007-12-04-Tue-20-27

プリティ・プリンセス

プリティ・プリンセス/2001/アメリカ

ごくごく平凡、いやむしろ地味目な女の子が実は某国の王女様だった!
という超超超ご都合主義シンデレラ映画。
でもホントのこと言うと、こういうの嫌いじゃありません。夢見がちでいいじゃない!マイフェアレディ的な話とかも好きですしね。

何も考えずに見てみよう。そうすればきっと楽しい映画。
難を挙げればいろいろあるけど、それにはまぁ目をつぶって(個人的にはミアがもっと賢いほうがよかったなぁ。あんなチャラ男に引っかかるなよとか)、小学生女子の気分で楽しくみることができました。

プリティ・プリンセス プリティ・プリンセス
アン・ハサウェイ、ジュリー・アンドリュース 他 (2003/06/20)
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

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マイケルもいいんだけど、個人的にはジョーとくっついてほしかったなー
2007-12-03-Mon-20-00

帝都万華鏡

帝都万華鏡 桜の頃を過ぎても/鳩かなこ/講談社X文庫ホワイトハート

ホワイトハートなんて買ったの何年ぶりだろう。10年以上ぶりじゃないだろうか。なのに買っちゃった理由は、帯の栗本薫の推薦文「濃密と頽廃に染まる鳩の世界の中では、すべてがエロティックだ」という文句に惹かれたからです。イラストの今市子も高ポイント。

さて、タイトルから想像されるように、物語の舞台は大正時代の日本。
洋装と和装の男女が入り乱れ、日本家屋の町並みとレンガ造りの洋館が乱立し、新時代への明るい華やかさと戦争間近の危うい世情が奇妙な調和を保っている、そんな時代です。このドラマチックでロマンチックな時代設定を背景に、二人の青年の物語が描かれます。

学業の才が認められ、東北の田舎から憧れの一高に入学した石木。彼はそこで、自分とは別種の人間のように美しく洗練された高市に出会う。本来ならば出会うはずのなかった二人が親しく打ち解けるきっかけとなったのは、石木の文才だった。
取っ付きにくい外見に隠された世話焼きの素顔と、自分にはない高貴さを持つ高市に惹かれる石木。高市もまた、石木の持つ情熱的な文才と生来の無欲さに惹かれていく。
無二の友愛を育む二人だが、年月が次第にその色を変えていった。10年という歳月が流れ、お互いの心中に激しい感情を隠したままの二人は・・・?

という、大正浪漫BLです。
いやー、久しぶりに読み応えのあるBLでした。BLというか、これは「JUNE」といった方がいいかもしれません。うーんそりゃあ栗本薫の弟子だなあ、という浪漫っぷりですが、栗本薫ほどトンデモなくはない・・・と思います。
栗本薫が解説に書いているように、「出会って→Hして→いろいろモメて→仲直りして→Hして」というような幼馴染BL、はたまたリーマンBLとは一味もふた味も違う雰囲気の作品です。JUNE、もしくは耽美小説という懐かしい呼び名が似合いますね。
栗本薫御大が言うほどには「濃い」とは思いませんでしたが(感覚が麻痺してきてるのかも)、確かに心理描写・情景描写ともにじっくりとディープなものだと思います。
何より物語に必然性がありましたね。安易な男カップルものではなく、主人公たちが結びつくことにちゃんと意味がありました。友情から恋愛になっていく物語性がありましたし、10年という歳月、二人を見守る周囲の人々等、<二人のため世界はあるの>という世界観ではないところが良かったです。
すでにシリーズ化も決定しているらしく、明るくお手軽な作風が流行中の現BL界に、こういう耽美臭のある作品が登場するというのは私的には嬉しいことですねえ。うーん、続きも買う・・・かな?

帝都万華鏡 桜の頃を過ぎても (講談社X文庫 はG- 1 ホワイトハート) 帝都万華鏡 桜の頃を過ぎても (講談社X文庫 はG- 1 ホワイトハート)
鳩 かなこ (2007/12/03)
講談社

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2007-12-02-Sun-20-00

くすぶれ!モテない系

くすぶれ!モテない系/能町みね子/ブックマン社

日頃だったら買わないような本を買ってみました。だってコレ、WEB上で連載されていた「モテない系女子」に関する考察集なのですが、どうにもこうにも思い当たる節がありすぎて、その指摘され具合がどうにも的確で笑ってしまえたんですもの。
作者の能町さんは「モテ」を基準に、女子を3つに分類しています。

モテ女子(通称:モテ子)=要するにJJ・CanCan系。
女子らしい振る舞い・格好をすることに抵抗がなく、むしろそれが女として当然のことだと思っている。茶髪・巻き毛・服はピンクという、若い女子に対する世間のニーズに答えてナンボの女子。

モテない系=決して顔やスタイルが悪いわけではないのに(←ここ重要)、過剰な自意識のせいで「モテ系」路線に走れない厄介な女子のこと。物事や自身のライフスタイルについて譲れないこだわりを持つ。

圏外女子(通称:圏外ちゃん)=モテという基準から脱落している女子のこと。むしろ自ら「モテ」という階段を辞退している趣すらある、いっそすがすがしい解脱を得ている女子。


とまあ、大雑把ですが3つに分類されているうち、作者さん自身も属しているところの「モテない系」について語った本がこの本です。
「モテない系」の「モテない系」たる所以は、要するに過剰すぎる自意識なんですよね。自意識・自己愛・自己卑下。この三つって根は同じものなんじゃないのかなーと思うのですが、どうでしょう?ちなみに私はどれも過剰だと思います。
まあ詳しいことは読んでみて、としか言えないのですけどね。

あたかも恋愛という名の新興宗教に脳髄まで侵されたかのような現代日本において、非常に肩身の狭い思いをしている「モテない系」女子を、特段励ますでもなく、叱咤するわけでもなく、慰めるでもない。
ひたすら「ねー、そうだよねー」。「わかるわかるよー」。「わかっちゃいるんだけど・・・ね」と、ただただ相槌をうち、共感してくれる。
これは、そんな「モテない系」のための話し相手となってくれるような、そういう本です。
読んだからといって「モテ」ません。ようし、明日から「モテ」を目指すぞ、という発奮材料にもなりません。それが我々モテない系。さあご一緒に、レッツくすぶり★

 20071201213723.jpg


※作中に登場するモテない系要素具体例※
ピンクの服が苦手
絵文字だらけのメールが打てない
ぶっちゃけ恋愛や仕事を人生の一大目標にできない

特にメールの項は共感しまくりでした。確かに私も私の親しい友人も、絵文字使用率激少です!たまに職場の若い人(同世代)から賑やかなメール貰うと返信に困りますもん・・・
2007-12-01-Sat-21-11

白き花咲く龍の島

白き花咲く龍の島/真堂樹/集英社コバルト文庫

買い出してからかれこれ10年以上。今となっては唯一購入しているコバルト文庫の長編シリーズ『四龍島』の新刊を購入致しました。

実は今回の新作には無駄に心配させられたのです。
知っている人には分かると思いますが、今回のタイトルは今までと毛色が違うんですよ。四龍島の本編は「龍は~」で統一されていたし、その後の番外編シリーズは漢字四文字で統一されていたのです。
そこにきて今回のタイトル、『白き花咲く龍の島』。
美しくも暗示的なタイトルに、

「とうとう最終巻か・・・!」

と私が思い込んでしまったとしても、不思議じゃないですよね?ね?
新刊発売の情報とともにこのタイトルを知った時、正直いって一瞬心臓止まりましたよ。

番外編ばっかり出しちゃって、本編終了で終わってたほうが潔かったのに。惰性で出してる感があってどうもね、なんて不満を持ちつつも「青春の思い出」として買い続けていたシリーズなのですが、いざ「最終巻」を突きつけられた時にまず感じたことは、何より「寂しさ」でした。その後本書を購入して最終巻ではないことを確認するまで、「卒業間近の高校3年生」みたいな心持でしたもの。卒業生というよりは、仲良しの友達が転校していってしまう残された者というほうが近いかな。
とにかくそんな感情に襲われて、改めて「あー私ってまだこんなに四龍島のこと好きだったんだー」と思わされました。

実際読んでみたら、終了どころか新たなシリーズの幕開けかよみたいな内容でしたけどね・・・だからタイトルも変えたんだな・・・と、それはそれで納得したのですが・・・・そうすると今度は「そしていつまで続ける気だよ・・・」とも思ったり、でも久しぶりに飛が得意の変装で活躍する話で嬉しかったり、複雑な古参ファン心理なのでございました・・・

白き花咲く龍の島 (コバルト文庫 し 8-74) 白き花咲く龍の島 (コバルト文庫 し 8-74)
真堂 樹 (2007/12/30)
集英社

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ところで本当に今回がラストだと思ったのは私だけじゃない・・・と信じてるんですけど・・・どうでしょう・・・。


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