フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2007-06-30-Sat-21-29

海月書林の古本案内

海月書林の古本案内/市川慎子/ピエ・ブックス

ネット古書店「海月書林」の店長が綴る古本紹介本。
海月書林が取り扱う古本は

・デザインがすてきな本
・昭和を感じる本
・生活がちょっぴり楽しくなる本

という基準をクリアした魅力的な本ばかり。
勿論本書で取り上げられている本もそんな「見て楽しい」「読んで楽しい」本ばかりです。

私が「海月書林」さんを知ったのは、立ち読みした雑誌(確かクーネルだか天然生活だか、その辺の)で紹介されていた記事を読んだからです。その時雑誌に登場していた若い女性は地方でゆたりと暮らしつつ、自分の好きな古本を取り扱って生活している・・・という、なんとも羨ましい人生を生きてらっしゃって、「いいなあ、まさに夢のような生活であることよなあ」と憧れたものでした。
こうして名前だけは記憶に残っていたのですが、実はそれほど「古本大好き」というわけでもない私は海月書林を利用することもないままでした。
今回たまたま図書館でこの本に出会い、つらつらと眺めていたのですが、うん確かに一昔前の本・雑誌には、現代のものにはない愛らしさや素敵なレトロ感がありますね。

『暮らしの手帳』の表紙は今見ても新鮮だし(レモンのが好き)、
漫画好きの身としては新書館が大人の女性向け文芸書シリーズを刊行していたというのも驚きです。
個人的には『サントリー天国8月号』の澁澤龍彦が塩ラッキョについて得々と語っているらしいのが非常に気になります・・・読みたい!

これを読んで感じたのは、古本が刊行された当時の製作側の志の高さ。
自分たちの理想とする本を作るのだ、という信念が満ち溢れています。
特に海月書林さんが集める本にはそういう傾向が強いのでしょうが、表紙から中身まで徹底して乙女のためにあろうとしていたり、主婦向けの内容でありながら紙面はとてもデザイン的でモダンであるとか。
雑誌って(収集つかなくなるので)あまり買わないのですが、媒体ごとの色がありますよね。それがとても面白いと思います。

それにしても『洋酒天国』が「夜の岩波文庫」と呼ばれていたって、面白い!
さすがは山口瞳、ミスタ・アンクルトリス!
こんな広報誌なら私も読んでみたいものです。

海月書林の古本案内 海月書林の古本案内
市川 慎子 (2004/10)
ピエブックス

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2007-06-29-Fri-20-59

言葉変換バトン

お友達のまいさんから頂戴しました。
早速やってみましょう。いざ!

■言葉変換バトン■

※前者から回された言葉のそれぞれの文字で予測変換し、
その上位5つをあげてください。

Q1、あなたの「う」の変換候補上5位は?
  
  ・うちらと
  ・羨ましい
  ・●さん(←個人名なので伏字)
  ・うぉーしーりーべんれん
  ・美しく

Q2、あなたの「み」の変換候補上5位は?

  ・見返そう
  ・皆さん
  ・みたい
  ・未定
  ・未満

Q3、あなたの「の」の変換候補上5位は?

  ・のが
  ・ので
  ・野
  ・のことかわかりませんでした
  ・のころ

Q4、あなたの「ち」の変換候補上5位は?

  ・地上波
  ・中国語
  ・ちなみに
  ・ちょっと
  ・長男

Q5、あなたの「か」の変換候補上5位は?

  ・「」(かっこ)
  ・監督
  ・カップリング
  ・会合
  ・神主

Q6、Q5の言葉だけで文をつくってください。

  監督と神主の「カップリング会合」ってどうよ?

Q7、次に回す5文字を。

  もう7月だねー、ってことで 「な」「つ」「や」「す」「み」 。

Q8、その回される犠牲者を5人。

友達少ないんですよ・・・でもまあ一応Q7にお題も出したことだし、心優しいアナタがもしお暇なようならやってみて下さいませ、というに留めておきたいと思います。

バトン、以上で終了でございます。
なんでしょうね、我ながらよく分からない単語が頻出しています(長男とか中国語とか)。特にQ5は異常事態ですね。なんだコレ・・・ひ、ひかないで下さい・・・。
2007-06-28-Thu-20-46

夏の魔法

夏の魔法/北國浩二/東京創元社ミステリ・フロンティア

表紙の雰囲気とレーベルだけで手に取った本書。
「哀しい願いの物語」ですって・・・でも読み終えて納得しました。
これはタイトルの響き通りに甘くてロマンチックで、そして途方も無く残酷な物語。

中学生の頃、ナツキは世界の中心にいた。
人目を惹くほどの美しさとそれに無自覚でいられる若さ、
転校の繰り返しで鍛えられた度胸、
他人を庇う勇気と正義感、
誰からも愛される天真爛漫さ、
優しい両親と初めてのボーイフレンド。
それら全てを当然のものとして受け止めていた彼女の時間は、しかしある日突然歯車を狂わせる。
「早老病」という病に侵された彼女は人の倍のスピードで年をとり、その病は若さとともにナツキの朗らかさや明るささえも奪っていった。
22歳にしてすでに老女の容貌となったナツキは末期ガンにも侵され、最後の夏をすごすために南の島を一人訪れる。そこは健康だった頃、ボーイフレンドと双方の家族とともに訪れた、最高に幸せだった頃の思い出の島。
最後の時を静かに過ごすために島へとやってきたナツキは、そこで信じられない人物に出会う。それは立派な青年へと成長した初恋の人だった。
思いがけない再会に喜びつつも自分の正体を知られることに恐怖を覚えるナツキ。年相応の若者を目の当たりにしたナツキは徐々に生へのエネルギーを取り戻すが、同時に凪いでいたはずの感情が激しさを取り戻し・・・・・

というお話。
レーベルとしてはミステリですが、読み終えた印象は「哀しい少女小説」です。
物語後半の展開がちょっと取って付けたような印象で、あの展開はあまりにも他人の命を軽んじているし、ボーイフレンドの選択にも違和感を覚えます。でもそれも22歳という成人でありながら中学生時代の自分を引きずっているような主人公たちの精神的アンバランスゆえか・・・と思えば納得できるような、いややっぱりできないような。
そんなモヤモヤを感じつつも一気読みしてしまいました。
文章が自然で読みやすかったのと、ナツキへの感情移入があったからかな?

全体の雰囲気はロマンチックでセンチメンタルですが、「若く美しい少女が急速に老化し、周囲への嫉妬に苛まれる」という設定はこれ以上ないくらいの残酷さです。
いやあ、痛いですよ。痛いです。残酷というかシュールなのかもしれません。ロマンチックなタイトルとのギャップが哀しい限り。

ちなみに私はラストで明かされる(これがミステリとしてのオチなんだろうな)ナツキの両親のことを「ひどい!」と思ってしまいました。
ナツキに感情移入過多だったのか、それとも単に私が青いのか。
やっぱりこれはミステリというよりは思春期少女小説だと思います。

夏の魔法 夏の魔法
北國 浩二 (2006/10/24)
東京創元社

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2007-06-26-Tue-23-53

ぬるい眠り

ぬるい眠り/江國香織/新潮文庫

江國香織の短編集。
なんだか『つめたい夜に』の雰囲気に似ている作品が入っているなあと思っていたら、なるほど収録作のいくつかは90年前後に書かれた作品のようです。個人的にはこの頃の作品が好きなので嬉しい誤算。
特に『ラブ・ミー・テンダー』と『放物線』、『夜と妻と洗剤』がそうでした。あ、『清水夫妻』も奇妙でしたね。
中でも私が一番好きだったのは「放物線」で、これは一人の女と二人の男が中華料理屋で食事をするだけの話です。

3人はもう何年も前に卒業してしまった大学の友人で、今は各人が全く違う仕事についている。
主人公の道子は過去に恋人の清水から「じゃあ道子ちゃんは本気で友情が風化しないと思ってるんだ、らしくないなあ」と言われ、黙ってしまったことがあった。道子は“どうして反論できなかったんだろう、私は友情を信じているし、無条件に愛してもいるって”と思うけど、どこか不安なのも事実。
でも3人で食事をしていると、「あんまり自然だったので」「私たちのリズム」なので「おいしくて気持ちよくてめまいがする」のだ。

これ、学生でなくなってからはや数年が経過した自分にかぶらせてしまいました。私だって「友情は風化しない」と思っています、いや、思いたい(ちょっと弱気)。

また、それに近いかんじで『ケイトウの赤、柳の緑』の郎(ろう)の信条が気に入りました。
郎はすでに既婚者でありながら、友人たちとの夜遊びを止めようとは全く思わない。妻のために飼い犬を手放し、飼い猫を手放しても、「友人と自由だけは手放すわけにはいかない」と思うし、また「40にもなってそんな学生みたいなこと、と顔をしかめる連中にはしかめさせておけばいい」と思っている。

うん、いいじゃないですかコレ。
不良な大人(notチョイ悪)に憧れます。世間の目とか良識とかを馬鹿にしつつも意識せずにはいられない小心者としては単純に憧れます。

だらだら言っていますが、要するに自分が年をとって子供を生んでオバチャンになっても「旦那のグチと子供の話しかしない人」にはなりたくないな、と思っているというだけのことです。
そしてそれには私を支えてくれる友人がいてくれてこそだということですね。

江國香織の作品には、こんな風にどこか共感してしまうところがあるんですよ。江國作品は絶対恋愛以外のもののほうがいいなと思っているのは私だけではないはず。

あと「災難の顛末」は、最初コメディかと思っていたのですが、最後にはホラーに・・・?読後は思わず部屋を掃除してしまいました。

ぬるい眠り ぬるい眠り
江國 香織 (2007/02)
新潮社

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あ、『ケイトウの赤~』は『きらきらひかる』の続編です。
彼らのその後が見れますよ。『きらきら~』ファンの方は是非どうぞ。
2007-06-24-Sun-22-40

空桶

ひっさしぶりにカラオケに行きました。

職場の人や知人レベルの人(要するにはっちゃけられない人)と行くカラオケは遠慮したいものですが、くだけた仲間と行くカラオケは好きです。それは何故ならば、、

思い切りアニソンが歌えるから

ということに他なりますまい。

いやーまさか「●ン●ム●」(伏せすぎ)のキャラソンが入っているとは思いもよりませんでした。そして歌えた自分に驚き。三つ子の魂百までというか、オタクの呪縛というべきか・・・・
いやあ懐かしかったです、「愛は流星」。

付き合ってくれたお二人にはありがとう。
またマニアックな歌を歌いましょうね。
2007-06-23-Sat-22-41

グリッター

昨日深夜放送でやっていた映画。

グリッター/2001年/アメリカ

売れない歌手の母親と二人、貧しくもそれなりに暮らしていた主人公は、ある日ついに母親と別れて施設に入れられる。母と同じく歌うことが好きだった少女は、長じてバックコーラスの一員としてステージに立つ。しかし彼女の才能をいち早く見抜いたプロデューサーによりソロシンガーとしてデビュー、着々とスターへの階段を上っていくものの、恩人であり恋人となったプロデューサーと事務所の意見が対立し・・・・、

という王道サクセス・ストーリー。
ちなみに主演はマライア・キャリーです・・・って、「ちなみに」じゃないですね、これこそがこの映画のキモですから。
2002年のラズベリー賞6部門にノミネートされ、ワースト主演女優賞も獲得したといういわくつきの作品だということは後から知ったのですが、そうと知った今となっては「さもありなん」、でも「マライアの映画としてはアリ」じゃないかなぁ、というところです。

だってマライアじゃないですか。
プロの女優じゃないのにそんなに期待するほうが無茶だろうと思うし、視聴者的にはただマライアが歌ってくれればそれなりに満足するのでは?と、フォローを入れてあげたい。(別にファンじゃないんですけどね)
少なくとも途中で見るのをやめさせなかったわけだし、最後まで見ても蹴りを入れたいとまでも思わなかったし。
なにより福祉施設時代からのバックコーラス仲間と最後まで一緒だったというところが良かった。男と別れて帰ってきたマライアを受け入れてあげた彼女たちに拍手!

グリッター グリッター
マライア・キャリー (2007/06/22)
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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2007-06-22-Fri-21-28

天の陽炎

大正浪漫伝説 天の陽炎/栗本薫/角川文庫

人形のような美貌を見初められ、若くして貴族の家に嫁いだヒロインの前に現れたのは、ただ怠惰だった日常を一瞬にして打ち砕くような魅力に満ちた男だった・・・・

という、いってしまえばそれだけのお話。
それを栗本薫風「大正浪漫」であえてみました、というところがポイントでしょうか。
ストーリーはお決まり通り、ちょっと猟奇が入るところも栗本薫の定番。読み終わった次の日にはストーリーを忘れてしまいそうな作品ですが、読んでる間はそれなりに楽しかったりして。突っ込みなから読んでいけます。途中、やっすいVシネみたいなんだもの。

なんだかんだ言いましたが、でも私、実はこういう昼メロ系って嫌いじゃないんですよね・・・

天の陽炎―大正浪漫伝説 天の陽炎―大正浪漫伝説
栗本 薫 (2007/02)
角川書店

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あ、ちなみに今回大道寺さんは登場しませんでした。
2007-06-21-Thu-21-17

五郎治殿御始末

五郎治殿御始末/浅田次郎/中央公論新社

実は時代小説はあまり読みません。歴史は好きなんだけど、ちょっと身構えてしまうのが本音なんです・・・が、そんな私が全く気負わずに読める時代小説が浅田次郎。
これはそんな浅田次郎の、明治前半期を舞台にした侍物語短編集。

侍であった過去を捨て、商人として生きる男。
戊辰の混乱期に自分の命を千両で買い取った男。
誰よりも優秀な天文方であったが、新たな時代に不遇をかこう男。
時代の変革期を乗り越え、地位に恵まれながらもどこか満たされない男。
敬愛する主を失って以降、時が止まった男。
桑名の侍として、一族の長として、幕末の侍として、あらゆる始末をつけた男。

いずれも明治に入って数年後、まだまだ江戸を引きずっている時代の物語です。
もちろん浅田次郎ですから、基本的には佐幕派に偏っています。私はずっと「浅田次郎は新選組が好きだから~」なんて思っていたのですが、佐幕・倒幕というよりも「滅びゆくものの美学、失われゆく日本の美徳」という方が当たっているかなぁとも思います。

今回特に印象的だったのは「暦」です。
太陰暦から太陽暦への一新というのは我々の想像を絶するほどの衝撃だったことでしょう。
1週間(日曜は休み)という単位、1年365日、1日24時間、1時間60分、1分60秒・・・・・一気にこれらを覚えろと言われた当時の人々の混乱はどんなものだったのか、想像もつきません。ましてや変換に当たっては12月の頭に「明日明後日が正月だ」なんて言っちゃうんですもの。かなりむちゃくちゃです。

本作には優秀な天文方だった元侍が登場します。
また時刻を知らしめる砲を打つ役目の軍人も登場します。
維新によって職を亡くした者、維新によって将校に任じられた者という違いはありますが、彼らはどちらも「時」「暦」を掌握する任に携わっており、そして両者ともが「日本の時が失われていく」ことを嘆きます。

もっともそうした強攻策があったがゆえの日本の近代化だというのも確かでしょう。国際基準にあわせなければ、諸外国と肩を並べるのには不都合ですから。
そんなことは分かっているんですけど、それでも消えていく文化を嘆かずにはいられないってのが人の道でしょう。

「泣かせようとしているのが見え透いてて」、
「あざといかんじがするから」、
浅田次郎は嫌いだよ、という人もいるでしょう。
それは分からなくもないけれど、私はその大衆的な部分をこそ好みます。
ある意味、浅田次郎作品こそが「誰が読んでも面白い大衆文芸」へのオマージュだと思う。と言っては言いすぎでしょうか?
「自分が読者として面白いと思えない話は書かない」という浅田次郎には、世代やジャンルを超えた“物書き”としての本質が見える気さえします。
ここまで極めりゃ「大衆的」って言葉もほめ言葉でしょ。
そんなかんじで、またしても次郎に泣かされてしまったのでした。


五郎治殿御始末 五郎治殿御始末
浅田 次郎 (2003/01)
中央公論新社

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2007-06-20-Wed-20-29

ティファニーで朝食を

ティファニーで朝食を/1961年/アメリカ

『ローマの休日』と肩を並べるであろう、オードリー・ヘップバーン主演のラブストーリー。
長い間タイトルとテーマソングしか知らないままだったのですが、ついに見ることができました。

ストーリーは以下の通り。
N.Yに引っ越してきた若手作家・ポールは同じアパートの下の階の住人で不思議な魅力を持った女性・ホリー(オードリー)と出会う。
ホリーはいわゆるコールガールで、お金のために身を売ることもいとわない。「男は皆ネズミよ」と言いながら男に金を貢がせるホリーは、軍に入隊している弟と暮らすために大金持ちと結婚することだけを夢見ていた。
実は物書きとしてひとり立ちできないポールもまた既婚者マダムからのツバメという状況であり、都会でただ一人という立場もどこか似ている二人は良き「友人」として付き合うようになるのだが・・・・

というお話。
しかし私、この作品のデータを検索してようやく「あっ、ホリーってコールガールだったんだ!」と納得しました。いえ、映画を見た限りでは全っ然それっぽくないんですよ。それらしき発言は本人がしているし、きっとそうなんだろうなぁ・・・とは思っていましたが、映画を見た限りではちょっと分かりにくかったです。
これはきっとオードリーからセックスを連想させたくなかった、という製作側の意図なのではないかな?とまで思うほど。『プリティ・ウーマン』のがよっぽど立派なコールガールですよ。
レビューを見ていると似たような意見の人が多々いらっしゃるようで、ちょっと安心。
それが原因かどうかはともかく、個人的にはホリーのキャラクターがいまいちつかめませんでした。ホリーが身を売っている・・・という背景を意識すればまた違ったのかもしれませんが、ホリーの言ってることがなんだか支離滅裂のような気がして。何故あそこまで無条件に男たちに愛されるのかもよく理解できませんでしたね。

でもオードリーは確かに綺麗でした。
黒いドレスに黒い帽子(長いリボン!)姿や、オレンジの色鮮やかなコート姿とか、まさに動くお人形。それにテーマソングも素敵です。「ハックルベリーのような友」だって、そんな歌詞だったんですねえ。

ストーリーはともかく、オードリーとテーマソングだけで損はしないと思わせてくれた作品でした。
特に熱心なオードリー信奉者ではないつもりですが・・・そんな私にそう思わせるなんて、やっぱりすごい、オードリー!

ティファニーで朝食を ティファニーで朝食を
オードリー・ヘプバーン (2006/04/21)
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
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ちなみに原作者のカポーティは、ジョディ・フォスターをして「彼女こそホリーだ!」と言ったそうです。なんでも原作のホリーは影のあるところが魅力的な女性なのだそうな。機会があれば原作も読んでみたいと思います。
2007-06-17-Sun-19-24

Papa told me

今日は父の日なのだそうです。
言われるまで全く意識していませんでした。例年ならばこのままスルーなのですが、せっかくなので「父と娘」をテーマにした本の感想でも書いてみます。

Papa told me/楱野なな絵/集英社ヤングユーコミックス

「父と娘」といえばコレでしょう。
1987年の連載開始から今もなお不定期に新作が発表されており、某漫画賞も受賞した本作はもはや国民的漫画といってもいいのでは。
しかしながら私がこのシリーズに手をだしたのは結構最近のことなんです。
タイトルだけは聞いたことがあったのですが、微妙にタイムリーな世代ではないのですよね。読者層としては私よりもう少しだけ年上の世代がベースのような。

物語は基本的に一話完結形式で、小学生の知世とその父親であり職業作家である信吉の2人きりの父子家庭日常物語です。
主人公が小学生女子、という設定だけだと単なるほのぼの家族愛ものかと思われそうですが、この知世“ちゃん”が可愛い顔したくわせもの。
なかなかどうして大人以上の毒舌家でありシニカルな視点の持ち主で、世間の常識やつまらない因習にとらわれている「世の中」をクールに見つめています。

実は以前文庫版の感想を書いたのですが、古本屋でコツコツ集めた単行本もほぼ全巻集まったので、改めて思ったことだけを少し追加。
未読の人にこのシリーズを説明する際、「柳沢教授の少女漫画版ってかんじ」と言ってみたことがあるのですが、全巻通してみると「似ているけれど決定的に違う」と思い直しました。一話完結形式、基本的にヒューマンものである、という点では確かに似通っているのですが、主人公のスタンスが決定的に違います。
例えば価値観の異なる人と出会ったとき、柳沢教授なら「何故そういう思考をするのか、非常に面白い、理解したい」と思うでしょう。
でも『Papa~』の知世の場合は「あなたはあなた、私は私。その考え方を通すのはかまわないけど、こっちの邪魔はしないでね。私(と私の愛する人たち)の世界に入ってこないでね」というところでしょう。

柳沢教授の世界は外に「開いて」いるけれど、
『Papa~』の世界は「閉じて」いるのだ、と思えます。私には。
主人公である知世をはじめ、『Papa~』の主役級の人たちは皆確固とした自分と価値観を持っています。それは自由であり独立であり静謐な世界であり・・・とても居心地のいい空間なのであるが故に、その世界を共有できない人(権力におもねる人や目先の損得を優先する人、世間の価値観を疑うこともしない人)に対しては冷徹なまでの拒否反応を示します。

『Papa~』シリーズは今は亡きヤングユー連載だったということもあり、そのターゲットは大人の女性です。長い連載が示すように、その支持は厚いものがあるのでしょうが、一部の人(特に男性が多いよう)にとっては上記にあげたような部分が「鼻持ちならない」と感じさせるようなのも事実。
以前「ちょっと生意気すぎるんだよ」と批評されていたのを耳にしたことがあります。その時は「この作品の魅力を分かってないわ!」なんて思ったのですが、シリーズを通して読んだ今ならその気持ちも分からなくもないかなぁ・・・。
精神的にも物質的にも父の全てを一身に集める知世、
洋服に情熱を注ぎとっかえひっかえ着替える知世、
彼女の世界を肯定し、同じ価値観の大人たちに囲まれる知世。
どんなに大人びていても彼女はまだ世間の何も知らず、愛する父親の手の内で遊びまわっているにすぎないんじゃないの?幻想の美しい世界で生きていられるんだものね?
なぁんてことを、これっぽっちも思わないかと問われれば、それは嘘になってしまいます。(みにくい大人ですから・・・)

でもこの作品はそれでいいのです。
世の中に全くの奇麗事がなければ生きてはいけないでしょう。
理想的な父親像である信吉も、
人形のように愛らしく時に哲学者のように世を語る知世も、
美しく賢いのにどこか夢見がちな百合子も、
強く賢く一人の世界を大事に生きる北原さんも、
その「理想的すぎる」面を全てあわせてこその『Papa told me』。

何度も何度も読んでしまう魅力に溢れたシリーズです。
未読の方、特に「一人で本を読むのが好きよ」という大人の女性には強く薦めたい作品。
傑作集ではなく完全収録の文庫版を発行して、より多くの人たちに読んでほしいと思います。

Papa told me (1) Papa told me (1)
榛野 なな恵 (1988/02)
集英社
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個人的には初期~中期のが好みの話が多いですが、ガーリーだった知世の服装が段々変化していくところも作者の好みの変化を感じて面白いです。
2007-06-16-Sat-21-54

崖の館

崖の館/佐々木丸美/創元推理文庫

主人公・涼子には幼い頃からの習慣があった。それは夏休みや冬休みといった休みには必ず伯母の家に長期滞在するということ。
使い切れないほどの財産を持ちながら孤独を愛する伯母の住む家は海を臨む崖の上に建ち、館と呼ぶにふさわしかった。そこには他の従兄弟たちも頻繁に訪れ、幾人かが成人した今も休みをあわせて伯母の家に集まることが恒例となっていた。
自由と孤独を愛する伯母は、涼子や従兄弟たちにとって身近な憧れであり、よき理解者だった。
しかし涼子たちにとってそれ以上の存在だったのは伯母の一人娘・千波。
誰よりも美しく賢かった千波。
伯母の愛を一身に享受していた千波。
しかしその千波は死んだ、二年前、館の建つ崖から転落して。

千波の事故から二年後、従兄弟たちが雪に閉ざされた館に集まったところから物語は始まる。
皆が館に集まったその日から不審な出来事が次々と発生する。これはただのいたずらか?それとも悪意の顕在か?何より千波の事故との関係性は?
社会派ミステリ全盛期にひっそりと刊行された、知る人ぞ知るゴシック・ミステリの再刊行。

ええと、初版は1977年だそうです。
30年前・・・それも納得かなぁ、というところは確かにあります。
なんだかやたらと登場人物が古式ゆかしい。
主人公の女子高生・涼子はいわゆる“ドジっ娘”キャラですし、
浪人生・哲文は論議好きのインテリかぶれ、
女子大生・由莉は気の強いわがままもの、
独身貴族の棹子は家事全般に万能な大和撫子、
青年実業家(を目指している)真一は実直で優しい好青年、
千波の元婚約者・研は大人で優しくそして千波が死んだ後もなお千波のことを想い続けている。
そしてこれらの従兄弟たちは皆総じて「かしこく弁がたつ」のです。
これが本作の一番の特徴だと思いました。
特に千波と哲文がその道に通じているとされるキャラクターなのですが、なかなかどうして他の人物たちも(みそっかす扱いの涼子でさえも)美術・文学に通じている風があります。
衒学趣味といってしまえば話は簡単なのですが、この作品の雰囲気は「薀蓄」というよりも「美術というのは、こういうものよ」という個人的な思想のようなもののように感じられました。
登場人物の口をかりた作家の主義主張なのでしょうが、うーん、正直いって若干独りよがり気味なのは否めません。
「そう思うのはアナタの勝手だけれどね、世の中には人の数だけものの見方があるってことを忘れないで欲しいわ」って突っ込みたくなりました、哲文に。(涼子には悪いけれど、私には哲文の良さがイマイチ分かりませんでしたよ。むしろ真一さんいいです。研さんもいいけど)

ミステリとしては、犯行の動機はともかく、その手口があまりにも偶然に頼りすぎているようなところが気になりました。
あとは身内の犯罪に気づきながらもそれを隠蔽しようとする登場人物たちの心理がなぁ・・・誰も「警察にまかせよう」って言い出さないんですもの。この世界には自分たちしかいないのだ!という世界観ですね、まあ密室ものだし、いいんですけど。
突っ込みどころはあちこちあるのですが、この作品の本質は「トリック」よりも「ゴシック・ミステリとしての雰囲気」でしょう。

佐々木丸美は好き嫌いの分かれる作家だそうです。
私はこれが初の佐々木作品だったのですが、それは確かにそうだろうと思わされました。
現代日本だとは思えないようなシチュエーション、
生活感のない登場人物たち、
頻繁に現れる芸術論、
知性のないものは存在することさえ許されないような閉鎖性、
そして全体に流れる少女的センチメンタリズム。
こういうのがダメだという人は本当にダメでしょう。私は特に嫌いだとは思いませんでしたが、とても好きというほどでもないですね・・・でも犯人の犯行動機の部分、いつも気丈に振舞っていた由莉の従兄弟たちへの鬱屈した感情というところが面白かったです。
リアリティのない(というよりも人間味のない?)キャラクターたちの中で一番リアルに感じられたのが由莉であり、千波に対する言いようのないコンプレックスを抱え続けていた犯人の感情でした。

うーん、読み手は選ぶけれど、ゴシック・ミステリが好き、ちょっと昔風の少女漫画が好き、という人なら読んでみて損はない本かもしれません。
しかしながらうかつに他人様には薦められない一冊ですね。

崖の館 崖の館
佐々木 丸美 (2006/12/21)
東京創元社

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しかし本作中で私がもっとも引っかかったのが、「若く美しい20歳の娘への贈り物が『角兵衛獅子人形』」というくだりです。
角兵衛獅子の置物・・・って、地方のみやげもの屋の片隅においてある民芸品というイメージですよね・・・?それが女子へのプレゼント・・・?
今の感覚ではむしろ「いやげもの(バーイみうらじゅん)」レベルだと思うのですが。うーん、恐るべし70年代。
2007-06-15-Fri-21-22

宮崎あおいが・・・

ちょっとショックです。



宮崎あおい、結婚。



あおいちゃん(何故かちゃん付けしてしまう)好きなんですよー、だもんで余計にびっくりです。
21歳だって、早くない?女子高生役だって違和感なさそうな容姿だからさらにです。
「電撃!」なんてアオリとは縁がなさそうだったのになあ・・・なんて思いますが、記事を信じるならば「出会ってから7年」とのこと。
ふーむ、14歳の時に出会った運命の人かあ。
そう思えば「リアル純情きらり」みたいで好感がもてるかな。
ひょっとして「初恋の人とゴールイン」とか?
なんだか少女漫画みたいですね。ふむふむ。

大河の主演も決まったこのタイミング、21歳で結婚というのはよく事務所が許可したなあ、事務所も認めざるをえないほどの決意だったのだなあ、と思うと「びっくり」な気持ちも祝福したい気持ちに変わっていくのです。

何はともあれ、おめでとうございます。
それにしてもしばらくはワイドショーに騒がれそうなのがお気の毒。
そういうの慣れてなさそうだもんね・・・
2007-06-14-Thu-21-09

西の魔女が死んだ、映画化

梨木香歩の『西の魔女が死んだ』が映画化するそうです。
結構前のニュースみたいですが、全く知りませんでした。ちょっとびっくり、でも意外ではない?かな。

登校拒否気味の主人公の少女が、イギリス人で今は山の中に一人で暮らす祖母と暮らすうちに立ち直っていく、という児童文学。名作といっていいんでしょうね、数々の児童文学賞を獲得しているそうです。
私が読んだのはもう何年も前のことで記憶もおぼろげなのですが、「おばあちゃんの家」の雰囲気が好きだったのを覚えています。
が、正直にいえば『西の魔女』しかり『裏庭』(これも有名ですね)しかり、梨木さんの児童作品はどうにも「教訓くさいオチ」がつくのが、ちょっと・・・・・なんです。ごめんなさい。
『家守綺譚』や『村田エフェンディ~』はすっごく好きなんですけどね。もっともそれらもメッセージ性は強いかなあと思いますが。

映画化ニュースで気になったのは、かの「おばあちゃんの住む家」が原作に忠実に再現され、一般公開もされるというところ。
うーん、気になります。
私の想像では「さつきとメイの家」っぽい雰囲気なんですけどね、どうなんでしょう。見てみたいものです。

詳しい記事はこちらでどうぞ。
2007-06-11-Mon-20-40

水谷豊≒杉下右京

「相棒」杉下右京さんこと水谷豊さんの素敵情報ゲットです。

いまだに奥さんを「さん」付けしてしまう・・・いいなぁ~、しかも「ランちゃんさん」ですよ。ネタですか?きっと本気なんでしょうけど・・・うーん素敵すぎます。
実は家事もこなすそうで、自宅でもきちんと紅茶いれたりしてるのかしら・・・なんて、プライベートが見えないだけに右京=水谷と錯覚してますね。でもどこか偏屈っぽい(ほめてますよー)ところとか、ちょっとキャラクターかぶってる気がするんです。

右京さんファンの方はどうぞこちらへ。

映画も気になるなー。
実は私、2時間ドラマ時代から見てますから。

私信:透子さん藤沢さんお疲れでしたv
2007-06-09-Sat-22-41

エニアグラム診断

またまた自己分析系やってみました。
世の中いろんな分析があるものなんですね・・・今回は エニアグラム 診断、というものです。

質問数が多いのですが、それだけにまあまあ当たっているような気がします。ちなみに気になったのは、診断をはじめるにあたっての

「自分が20歳以下だったときにどうだったか考えるようにしてください。20歳以下がその人の本質だからです。自分は「こうありたい」、「ねばならない」ではなく、20歳の自分を想定して直感でチェックしてください。」

という文言。
そうなのですか、二十歳以下が人の本質ですか。でも私は10代の頃の自分が嫌いですけどね・・・人からは「あまり変わらないよ」といわれるのですが(それって成長してないってこと?)、自分では結構丸くなったな~、と思っています。これでも。

なかなか面白かったので、気が向かれた方は挑戦してみてくださいませ。

私の分析は以下の通り。長いので隠します。
当たってますでしょうかしら。自分的には言い当てられた感満々です・・・よくも悪くも。

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2007-06-06-Wed-20-59

フラワー・オブ・ライフ

フラワー・オブ・ライフ④/よしながふみ/新書館

よしながふみが描く高校生青春物語、最終巻。
なんとまあ・・・・前3巻から一気に物語の軸が動きましたね。
あまり書いてしまうと、未読の友人から袋叩きにされそうなのであまり語れないのですが(でももう読んでるかな?)、ともすればいつまでも続けられそうな青春学園ストーリーを、こういう形で潔く決着させたのはやはりよしながふみだな、と。
人によっては許せない(認めたくない)展開かもしれませんが、まあよしながふみだしね・・・・ってことで納得しちゃう、させちゃう作家ってやっぱりすごいのかもしれません。

高校1年生たちが主人公の物語なのですが、毎日毎日馬鹿なことばっかりやっているようでも、この子たちは1年をかけてしっかり成長したのだなぁということが見える最終話でした。
それは主役だけじゃなくて、脇役のクラスメイトたちも同じこと。可愛かったりお調子者だったり真面目だったりオタクだったり、いろんな個性の高校生が楽しそうにしている様はちょっと理想的すぎるところはあるけれども、でもやはり「楽しそうだな、いいなあ」と思える空間でした。個人的には相沢さんと山根さんのエピソードが身近なかんじでジーンときましたね。

これからも彼らの日々は続いていくはず。また春がきて、クラス分けや席替えがあって、そしてまた新たな「青春の日々」が始まるのです。それは同じようでいて、毎日が違う日々のこと。
青春、万歳!

いやー年をとると「青春」って言葉に弱くて・・・・涙腺を刺激する単語です。

ところでタイトルの『フラワー・オブ・ライフ』というのはそのまんま「花のような生活」だとばかり思っていたのですが、「若い盛り」という意味もあるそうです。
・・・なるほど!

フラワー・オブ・ライフ 4 (4) フラワー・オブ・ライフ 4 (4)
よしなが ふみ (2007/05)
新書館

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2007-06-05-Tue-20-57

読書速度測定

読書速度を測定してくれるサイトがあるそうです。

なかなか興味深いですねえ~、仕組みがシンプルで分かりやすいのがいいです。
興味のある方は是非挑戦してみてくださいね。
こちらです。

何回かやってみたところ、私の平均は1100~1200文字/分くらいでした。
でも実際はもうちょっとゆっくり読んでいるかも。内容にもよりますしね・・・・
さりとて今以上のスピードを求める目的もないので、当分は自分のスピードで満足です。
2007-06-04-Mon-22-56

ベルカ、吠えないのか?

ベルカ、吠えないのか?/古川日出男/文芸春秋

第二次世界大戦中、日本はアメリカ領土である小さな島ふたつを占領していたが、米軍の攻撃により、日本軍上層部は全員撤収計画をうちたてた。濃霧にまぎれての艦隊への乗り組みは成功し、ふたつの島からは日本軍が消えた。
しかし、犬は残された。
4匹の軍用犬が残された。
1匹は北海道犬の「北」、海軍所属。
2匹はシェパードで「正勇」と「勝」、陸軍所属。
もう1匹は元アメリカ軍所属の軍用犬で「エクスプロージョン」。
いずれも鍛えられた犬たちだった。そしてこの本はこの4匹を祖にした犬たちの物語。
日本軍の手を離れた4匹はそれぞれの運命を辿り、そしてその子孫たちはさらに数奇な人生を辿ることになる。
アメリカ、アラスカ、ソビエト、南米、ベトナム・・・・世界をまたにかける強くたくましい犬たち。
軍用犬として十分な素質をもち、その能力を発揮させて生きた犬。
戦争の最前線で戦い、死んだ犬。
名誉の負傷を負い、勲章を受章した犬。
伝説といわれるソリ引きになった犬。
野犬と呼ばれ、ひたすら逃げ続けた犬。
コンテスト入賞の常連となった犬。
マフィアの飼い犬となった犬。
優秀な麻薬探知犬となった犬。
そして、ソ連軍将校に見込まれ、北の大地の片隅でひたすら人間を襲う訓練をさせられた犬。
元を辿れば4匹の祖に行き着く犬たちの不思議な運命が描かれた一冊。
これは犬たちの、犬たちによる現代史。

第二次世界大戦~東西冷戦締結に至るまでの歴史が、犬の、いや、それを超越したものの視点から描かれます。
『アラビアの夜の種族』以来の古川本だったのですが、いやはや、さすがは『アラビア』を書いた人。これまた読んでる体温の上がりそうな、そして読書体力(今作った造語)を消耗する本でした。

主に物語の軸となるのは冷戦時に組織されたソ連の軍用犬養成施設の局長とその仲間の思惑・・・ですが、そこに至るまでの道のりが、犬たちの運命がすごいです。
結局何匹の犬が登場したか、数える気にもならないのですが、それらすべて元を辿れば最初の4匹の犬だというのがさらにすごい。犬に関する知識がほぼ皆無の私は、単純に「犬って多産なんだなぁ・・・」と関心してしまいました。
1匹1匹の人生がまた壮絶です。人間の都合であっちにいったりこっちにいったり、それでも犬たちはしぶとく生きようとします。本能の命ずるがままに。

犬に語りかけるような口調の地の文が印象的です。
犬に対して「お前は~」というように語りかける文章は、人間よりもむしろ犬視点。いや、犬の神とでもいったほうがいいのでしょうか。
スプートニク号打ち上げを「イヌ紀元ゼロ年」とする発想が面白かったですねー。

それにつけても、とても細かいところまで書き込まれているために、一体この物語のどこまでが史実でどこからがフィクションなのか分かりません。軍用犬の歴史というのも・・・・この人の話なんだから、真に受けちゃ駄目なんだ、と自分に言い聞かせながら読みすすめていましたけれども、実際どうなんでしょうか。そこまで犬を重宝していたのでしょうか?なんだかあまりイメージがわきませんが・・・ちょっと調べてみたくなりました。

それはさておき、『アラビア~』同様にちょっと見はとっつきにくい本のようですが、これまた『アラビア~』同様に、いざ読んでみると意外と読める本でした。
「難解」という人もいるようですが、とにかくめまぐるしく変わる各犬に焦点を絞って読んでいけば着いて行けるかな、と。
文体も飽きさせませんし・・・韻を踏んでいるような、遊んでいるような文体は好き嫌いがわかれるかもしれませんが、個人的には好きですね。リズムがいいので。

「古川日出男はすごい!」という認識を新たにしましたが、この人は体力のある時じゃないと読めないなぁ、と思い直したのもまた事実。
「ここが面白い」「ここがヨカッタ」なんていう細かいつつき方ではなく、物語の波に呑まれ、翻弄される感覚がクセになる作家さんです。
翻弄されてみたい方は、是非どうぞ。
骨のある、読み応えのある本を読みたいという方にはオススメです。

ベルカ、吠えないのか? ベルカ、吠えないのか?
古川 日出男 (2005/04/22)
文藝春秋

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2007-06-01-Fri-22-27

コミックバトン

なんだかオタク熱が盛り上がっている今日この頃。
昨日はダンボールひっくり返して昔の同人読み返してました・・・

それはさておき、バトンです。
何故か英文付きのコミックバトン、いってみましょう。


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