フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2007-03-31-Sat-22-11

改めて、はじめまして。

はじめましての方は、はじめまして。

旧ブログからの方も、改めて、はじめまして。

本日以降、こちらでの更新をスタートさせます。
(2007年3月以前の記事は旧ブログと同一です)
本や漫画や映画やテレビの感想を、つらつらと気の向くまま、好き勝手に語っていきたいと思っています。
傾向としては エンタメミーハー+文学少女+アニヲタ+腐女子 をぐちゃぐちゃにかき混ぜて煮込んだかんじ、でしょうか・・・。

こんな私ですが、以後よろしくお付き合いいただけますよう、お願いいたします。
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2007-03-28-Wed-20-41

海の底

海の底/有川浩/メディアワークス

『空の中』の次に読んだ本。
これは自衛隊シリーズといっていいのでしょうか?
『空の中』では空自が登場しましたが、今回は海自がメインです。(あ、忘れちゃいけない機動隊も頑張ってます)

これで有川作品も3冊目になるのですが、なんだかもうすでにデジャヴを感じる読み心地。その理由は、

武装集団(自衛隊とか図書隊とか)+正義とは何か?+ほんのりラブ 

今までの3作品、全てこれで表現できてしまうのですよね。
うーん、でもそれはそれでいいんじゃないでしょうか。
いい意味でのパターン化というか・・・水戸黄門的な?というとまた違う気もするけど、設定やストーリーが違っても、結局この作者が書きたいものは同じなんだろうな、と思います。
この作風は福井晴敏に近いような印象です。
単に自衛隊ってこともあるし、今回は潜水艦だしね。

それにしても作者の「好きなものを書くんだ!」という潔さが見事です。それでちゃんとエンタテインメントになってるしね。
文章は読みやすいしテーマは明快。ひねくれモノの私にはもうちょっとほの暗さがあってもいいくらいですけども。

ところで今回は『空の中』のUFOに対し、巨大エビが陸上で暴れまくります。
描写としては今回のほうがキツいですが(死に方が嫌・・・)、『空の中』か『海の底』のどちらが面白い?といわれたら、私は断然『海の底』ですね。
あ、元は「潜水艦で十五少年漂流記」だったそうですよ。
なるほどなるほど、納得です。

ちなみに私は皮肉屋海自・冬原とマイペース&マニアックな中学生・木下玲一君が好みでした。
あとは烏丸さんもはずせないでしょ、明石も梶さん(エヴァ)ぽかったし、もちろん男気の人・艦長には心から敬礼したいです。

・・・この人、ほんとにこういうキャラ造りが上手いですよねぇ・・・
2007-03-20-Tue-22-26

空の中

空の中/有川浩/メディアワークス

作者曰く「怪獣物と青春物足しっぱなしで空自で和えてる」物語、とは言い得て妙。これ以上に的確な表現もないでしょう。

主人公は高知に住む高校生・純。純はある日、海岸でクラゲ状の謎の生物と遭遇する。動物なのか植物なのかもわからないそれは、あるきっかけから純と人の言葉でもってコミュニケーションをとるようになる。
一方、それに前後して、立て続けに二度発生した飛行事故の調査が行われた。空自と民間企業の連携によって確認された事故原因は、「空中に存在する巨大生物」という常識外の事実だった・・・・。

という、まあ、SFです。(というよりは怪獣物?未知との遭遇物?)そこに少年の成長とか初恋とか堅物自衛官とクセモノ技術者とのかけあい漫才のような恋愛とか・・・そういうものがゴチャゴチャっと入ってます。「電撃文庫初のハードカバー」ということで、ノリとしてはラノベの延長線上のノリですね。楽しく読みやすいテンポの良さで、スルスルと読めてしまいました。
『図書館戦争』を先に読んでいるので尚更かもしれませんが、「この人(作者)・・・・ほんとにこういうドンパチとラブコメが好きなんだなぁ・・・」という印象を受けました。ほとんどノリが一緒ですもん、ラブと笑いとシリアスの調合具合とか、時折挟み込まれる警句とかね。
あとはスケール大きいと思いきや意外とコンパクトなところとか・・・もっともこれは、話を広げようと思ったらどこまでも壮大な大長編になってしまったことでしょうし、作者の持ち味であるキャラクターの魅力とテンポのよいストーリー展開を両立させるには、これくらいの話の膨らませ方が一番良かったのであろうと思います。
だから決して否定的意見ではありませんが、難をいえばまとまり過ぎてて展開が読めちゃったかな?キャラクターも確かに魅力的だけど類型的だとも言える・・・のですが、まあそれも王道だしな、とも思います。

SFっ!
未知との遭遇!
謎の物体X!
というよりは、楽しいエンタメ作品ですね。『図書館戦争』を気に入った方ならきっと楽しく読めるでしょう。綺麗な絵でアニメにしてみたら面白いのではなかろうかと思いました。GONZOとかやってくれませんかねー
でもこれはやはり実写で怪獣映画のノリを求めているのかな・・・
そうそう、あとは表紙デザインがとても綺麗だと思いました。
2007-03-17-Sat-22-23

それからはスープのことばかり考えて暮らした

タイトルだけで素敵です。さもあらん、作者は吉田篤弘さんなのでした。

それからはスープのことばかり考えて暮らした/吉田篤弘/暮らしの手帖社

内容は、吉田さんにしては割りとストレート。
引っ越したばかりの主人公・大里君(愛称:オーリィ君)は、無職だというのに毎日ぶらぶらと映画館に通ってばかりいる。映画館で見るのは、もっぱら昔の日本映画ばかり。なぜならスクリーンの中にオーリィ君の片思いの相手がいるからだ。
そんな毎日に新たな日課が加わった。近所のサンドイッチ屋「トロワ」のサンドイッチを食べて以来、日参するようになる。
そんな気ままな毎日の中で、オーリィ君はふらふらぶらぶら、色んなことを考える。

アパートの大家さん(屋根裏のマダム)、
「トロワ」の店長・安藤さん、
安藤さんの一人息子・リツくん、
映画館で出会う謎の婦人。

何も特別なことは起こらない。そんな日常の中で様々な人々と出会い、話すことで、人はまた色々なことを感じ取っていく。
なんでもないことが幸せなのだということ、作中に登場する「名前のないスープ」がそのテーマを表現しています。
これは吉田さんにとって永遠普遍のテーマなのかもしれません。
同類項として、映画『かもめ食堂』を連想しました。

個人的にはオーリィ君が映画館で出会う婦人の「わたしはね、食べることと、お昼寝と、本を読むことだけ。その他には何もいらないの」という言葉が印象的でした。かっこいいなあ、もう。
私もそんなことがいえる大人になってみたいものだけど、あと携帯電話とTVとパソコンがなかったらかなりキツいのは間違いないです。
うーん、俗世にまみれまくりだなぁ・・・。
2007-03-16-Fri-09-48

夜のピクニック

夜のピクニック/恩田陸/新潮社

それはそれは世評の高かった本書、遅ればせながら読了しました。実は恩田陸を読むのはものすごく久しぶりのことだったのですが、ううんなるほど、評判どおりの大当たりでした。

地方の進学校が舞台。
主人公は高校3年生の貴子。貴子が通う学校には、年に一度開催される「歩行祭」という行事があった。全校生徒で丸一日を歩きとおすという伝統行事なのだが、肉体的にも心理的にも辛いこの行事を通して、生徒たちは様々な体験をする。
仲のいい友人とふざけながら、普段なら言わないようなことを漏らしてしまったり。独り黙々と歩きながら、今まで見えていなかった自分自身を発見したり。

作中に登場するのは、ほとんどが「北高の3年生」なので、当然「卒業」と「進路問題」が重要な問題になってきます。そしてだからこそ全体の空気はセンチメンタル。

高校生活の中に存在する「歩行祭」という非日常は、高校生である「今」しか体験することのない非日常であり、そしてそれはそのまま高校生活を凝縮したような1日でもある。
歩き続ける中で「早く終われ」と思ったり、「こんな風に皆で歩くなんて今しかないんだ」と思ったり、「最後に一緒に歩いたのがこいつでよかった」と思ったり、「ここにあの子が居たらな」と思ったり、そして「いつまでも歩行祭が終わらないで欲しい」と思ったり・・・

主人公はあくまで貴子ですが、これはこの物語の3年生たち全員が主人公だといえます。
マイペースのように見える貴子が実は他人に引け目を感じがちな少女だったり、その異母兄弟である融は、先を見据えるあまり余裕のない少年だったり、貴子の親友である美和子は才色兼備であるあまりに自分が打算的であることを自覚していたり、融の親友である忍はクールを装いながらとても細やかな気配りができる人だったり・・・書き出したらキリがありませんが、ひとつ思ったのは1人1人の多面的な性格を描いているということ。
またそれは「悪人がいない」ということにも繋がります。
ちょっと感じの悪い同級生や、空回りしている行動をする人も登場しますが、その彼らも100%の悪意でもって行動しているわけではないのです。
だから極めて印象はさわやか。人によっては「甘すぎる」し「現代モノとしてリアリティがない」と感じる人もいるかもしれません。

ですが、断言します。
地方都市の高校生は、今でも結構こんなもんだぞ、と。
さすがに一昼夜をかけての「歩行祭」はありませんでしたが、私が通っていた高校では「全校生徒によるオリジナルダンス」が体育祭の恒例イベントでした。7月という真夏に開催される体育祭に向けて、今思えば不思議なくらい毎日毎日練習していたものです。必ず倒れる人間が出るのですが、それでも全校生徒ダンスは毎年行われるのです、そう、もちろん3年生が中心となって。
だからかもしれませんが、この『夜のピクニック』の雰囲気も懐かしいものとして感じることができました。

体力的には辛いし、暑いし、早く終わってほしいのに、その中でも「こんな風に何百人もの人間と何かをすることって、きっともう二度とない」ということを感じてるんですよね。
「今しかない」ということ。
そのことを、この本に登場する3年生たちは、皆すごくよく分かっているんです。でもそれは当時の自分たちだって、口にこそしなくても(だって気恥ずかしいでしょ)、皆薄々分かってたことなんですよね。
自身の高校時代と重ね合わせてしまう作品でした。

あそうそう、「パソコン」「携帯電話」など、時代を特定するような単語が出てこないのも技ですね。そうすることによって、どんな年代の人でも自分の時代のこととして読み取ることが可能になりますもの。これを自分の母親世代に読ませたとしても、きっと懐かしい時代のこととして感じることでしょう。
今も昔も高校生が感じることや思うことというのは、意外と大差ないんじゃないかな、などと思ったりしてしまいました。

普遍的な青春小説だと思います。
広く長く読んで欲しい一冊。でも高校生が読むよりも、大人が読んだほうがグっとくるかな?今まで読んだ恩田陸作品の中で一番好きかもしれません。
2007-03-09-Fri-21-44

マルドゥック・ヴェロシティ 1~3

マルドゥック・ヴェロシティ1~3/冲方丁/ハヤカワ文庫

先月読了した『マルドゥック・スクランブル』の続編。
時代的には『スクランブル』以前、『スクランブル』でヒロイン・バロットの敵役として登場した徘徊者・ボイルドが主人公の物語だから、続編というよりは姉妹編?「スターウォーズシリーズ」に対する「エピソードシリーズ」ですね。アナキンがいかにしてダースベイダーとなったか、という。

なので、『スクランブル』は孤独な少女が居場所を見つける話という明るさがあったのですが、一方の『ヴェロシティ』は、読み手にははじめから「主人公が居場所と相棒を亡くしてしまう」話だということが分かっています。
(シリーズを順番に読んでいればという前提ですが)
それがなんとも物語全体に暗い影を落としているのですが、でもそれが実に格好いいのです!

荒野に立っているような男の姿が、
己の罪に立ち向かい続ける過去のある大人の姿が、
命を賭しても任務を果たす兵士の姿が、
馴れ合いにはならない男と女の関係が、
それら全部が、大人で苦くて乾いた世界の雰囲気を感じさせてくれます。私にはあまり馴染みのない世界だけれど、こういうのを「ハードボイルド」と言うのでしょうか。
あ、「ボイルド」という名前の由来ってもしかして・・・?
(いや、ウフコック=煮え切らない、というところからきてるのかな?冲方丁氏がそんな安易な名づけをするかは超疑問)

この物語で、主人公ボイルドは自身と同様に人体改造をされた仲間たちとともに強大な敵と戦います。
物語の魅力はこの仲間たちでもあるんです。皆実に個性豊か。
盲目の元狙撃兵&姿を消す猛犬
各方向から発声可能な斥候&変幻自在の通信兵
死なない元衛生兵&万力の歩兵
眠った精神の天才ハッカー&ドクター
ショットガンの腕を持つ女兵士
計画の責任者である道化師プロフェッサー
そして徘徊者ボイルド&万能兵器ウフコック
・・・なんだか、こうして並べると「009」みたいですね。あ、ほら、皆あわせて「09」だし。(これもオタクの深読みか?)

貸してくれたカノさんは「一気読みのハイスピード!最後までノンストップゴーゴー!」と言っていたのですが、私はちょっと読むのに時間がかかっちゃいました。何故かというと、だってそれはこんなに素敵な仲間たちが、最後には・・・・っていう展開が分かってるから。あーんな運命やこーんな未来に翻弄される「09」の皆の姿を見ていられなくって・・・ホロリ。でも最終巻も後半、ついにボイルドがダースベイダーになる運命を転げ落ちるところに来てからは本当にノンストップでした。

いやー、辛い。でも面白かった。
こちらを読んじゃうと、また『スクランブル』を読んでいろいろ確認したくなっちゃうじゃないですか、もう。
とりあえず、将来もし犬を飼う機会があれば(猫派だけど)名前は「オセロット」でいきたいと思います。


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