フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2013-06-10-Mon-19-24

カラーひよことコーヒー豆

カラーひよことコーヒー豆/小川洋子/小学館文庫

小川洋子さんのエッセイ。
エッセイは初めてだったけれども、もしかしたら私は小川さんの小説よりエッセイの方が相性がいいのかもしれない。
この本は主に女性向けに?描かれたエッセイということだけど、明治生まれの祖母2人についての1本が無性に泣けた。
おかしいなと思ってもう1回読んでも、やっぱり泣けた。
自分の祖父母に重ね合わせてしまったのかもしれない。
無償の愛を注いでくれる人に、自分は何もしてこなかったなーという後悔とか申し訳なさとか感謝とかそういうのがいろいろ。
最近とみに涙腺が弱いので(特に老人ものは…)、何度読んでもやっぱり泣いてしまうかも。
読みやすそうだなという感覚だけで選んだわりに、予想外に泣かされた1冊でした。

カラーひよことコーヒー豆 (小学館文庫)カラーひよことコーヒー豆 (小学館文庫)
(2012/09/06)
小川 洋子

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あと、表紙がかわいいね。
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2013-05-28-Tue-21-09

赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説/桜庭一樹/創元推理文庫

久々読んだ桜庭一樹の本。
これで直木賞とったんでしたっけ?

本書は、分かりやすく言えば『女三代記』です。
戦後・80年代・現代と、それぞれの時代の赤朽葉家の女達の人生が語られます。
読書家の友人は「まんま『百年の孤独』じゃん」と言っていました。
私は未読なのでその辺はあまり分かりませんが、後書きで作者自ら『百年の孤独』の名前も出していたし、そこは意識したところなんだろうな、と・・・。

三世代、それぞれ全く別の小説のように雰囲気が違います。
まず1950年代からの祖母の時代、第一部は、なんだか怪奇というか耽美というか。
人ならざるものたちから置いていかれた存在である祖母は、千里眼と呼ばれる不思議な力をもつ人物として描かれます。
なので、この第一部だけ若干ファンタジックです。
個人的にはこのファンタジー感は必要?と思ったのですが、それはまた(前述の友人とは別の)友人と話していて、「でも桜庭一樹ってそういうのを書きがちじゃない?」と言われたので、それはまあそうかと納得もしたり・・・。
第一部ではとくに死んだ青年の死体を抱えて山の中に分け入る描写が好きでした。
そして第二部、これは1980年代ということでスケバンサクセスストーリー。
第一部との世界観のあまりの違いにクラクラしたのですが、わけがわからないエネルギーで一気に読んでしまいました。
密かに夭折した兄のほのかな恋愛事情に胸ときめいたのですが・・・これは番外編とか出ないんだろうな、多分。
第三部は現代辺。
ちょっと現実離れしていた一部、二部とは違い、とても地に足のついた物語です。
第一部から一気に読んできたいち読者としては、華やかなりし赤朽葉家の急激なさびれっぷりがちょっと寂しくも・・・でも一言では言い表せない関係の人たちが身を寄せ合っているということで、これもまた奇妙な一家の体ですが。

ということで、なんだかこう書くと分けがわからないお話ですね。
でも三世代、半世紀の物語を一冊で描いたからこその言いがたい波、エネルギーみたいなものは確かに感じました。
細かい設定(なんでこんなキャラ付けにしたんだろう?それは必要だった?的な)への疑問はいろいろありますが、それもひっくるめて本書の魅力かなーと。
個人的な好みとしては『私の男』のがスッキリしましたが、それはそっちの方が消化不良な部分がなかったからだろうと自分で思います。
ううん、許容量の狭さよ・・・。

あでも、これで直木賞っていうのはちょっとびっくりしました。
結構突飛な話だと思ったんだけどなー。
でも久しぶりにこれだけ長く濃いお話を一揆に読んでしまいました。
謎の熱を感じる一冊でしたね。
うん、それは間違いない。

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)
(2010/09/18)
桜庭 一樹

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2013-04-21-Sun-22-05

MAMA 1巻

MAMA 1巻/売野機子/バンチコミックス

書店で偶然目にして思わず買っちゃった本。
買った理由はずばり煽り文句の『寄宿舎』です、『寄宿舎』、『ギムナジウム』!
おまけにそこに集う少年たちは皆「天使の歌声をもつ選ばれし少年」とか、設定だけでおなか一杯になりそう。
売野さんの作品はすでに短編でその上手さを知っていたので迷わず買ったのですが、今のところ、これは面白くなりそうです。

物語としては上にも述べた通り。
ヨーロッパ風の土地、田舎の森の奥にとある学校、寄宿舎がある。
そこに集う少年たちは各地方から集められた美声の少年達。
そしてその学校には伝説があった、「とりわけ選ばれた少年は、本当の『天使』になるらしい」と。
謎めいた学校、謎めいた少年達、そして『天使』の謎とは?

・・・などなど、とりあえず謎だらけの第1巻でした。
1巻では主人公の少年の生い立ちが明らかになったところ。
他の生徒たちも皆それぞれ訳アリなかんじで、続きも楽しみです。
全体の雰囲気としてはずばり「トーマの心臓」かな。
設定はちょっとファンタジーっぽいけど、ミステリーなのかなあというかんじです。
そこらへんの雰囲気が好きな人なら、読んでみて損はないのでは。
とりあえず私は続きも買います。
これからどう転ぶのか、これからが楽しみな作品でした。

MAMA 1 (バンチコミックス)MAMA 1 (バンチコミックス)
(2013/03/09)
売野 機子

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2013-04-13-Sat-17-45

カーリー

カーリー 黄金の尖塔の国とあひると小公女/講談社文庫/高殿円

およそ10年前にファミ通文庫から刊行された同作を再刊行したもの。
その元々のバージョンの評判がどうだったのかは、今の私には分かりません。
でもまあ2巻しか刊行されなかったというところで・・・そしてそれがとても中途半端に終わっているというところで、押して知るべしじゃないかと。
と、そんなかんじの作品が今何故再刊行されたのかというのは、これが『一般文芸』扱いで再刊行された点が物語っていると思います。

つまりはこれ、『男性向けラノベ』じゃなかったんだよ!

ってこと。

あらすじは、こう。

第二次世界大戦勃発前のインドにやって来たイギリス人少女。
少女は実の父と義理の母の意向で、この土地の寄宿舎学校に入学することになったのだ。
何もかも目新しく珍しいはずのインド、しかし寄宿学校の中はまるで一昔前の時代遅れのロンドンだった。
古臭く頑固な教師たちや身分制度を気にしてばかりの同級生達に息の詰まる中、主人公にとっての唯一の輝かしい存在はルームメイトの一人の少女だった。
誰よりも美しく賢く勇気有る少女の名は「カーリー」。
しかし彼女には、誰にも言えない秘密があるようで?
迫り来る戦争の影、波乱の時代を背景に描かれる少女たちの物語。

ということで読んでみた雰囲気は、寄宿舎なとこが『小公女セーラ』っぽくて、主人公が風変わりなところは『赤毛のアン』か、秘密たっぷりなイメージと狭く重苦しい建物の雰囲気は『秘密の花園』、そして現れるイギリスのスパイ!たちはとっても『007』だなーと、そんなよくばりてんこもりなこの一作を一言で言い表すならば、ずばり『ハウス世界の名作劇場』。
後書きで作者自身がそういっているように、古きよき少女小説の雰囲気たっぷりな一冊なのです。

なのでね、これも10年前にコバルト文庫とかから出してれば人気シリーズになったんじゃないのーなんて思いつつ(でもそのころのコバルトはBLに迷走していたか・・・)、いやいやこれが講談社文庫から出たってことは、「大人が読んでこその少女小説」と見なされたんだろうなーと一人で頷いてしまいました。
だって多分、今の10代の子はこういうのは読みたがらないだろうからね。
ラノベ全盛の今、本を読む子は「ラノベ読むぜ、むしろラノベしか読まないぜ」っていう子とあるいは「ラノベなんて子供っぽいわ」なんて子に二極化してる勝手なイメージ。
確かにこれは、子供時代に毎週わくわくしてTV前で『セーラ』を応援していた世代の人たちが読んで胸ときめかせる一冊かなと思います。

個人的にはこのあらすじ(寄宿舎というフレーズだけで、私はもう)と表紙の愛らしさでハートを打ち抜かれました。
帯の煽り文句が結構気合入ってるんですが、確かに好きな人にはたまらないだろうなーという道具立てだらけ。
NHKでアニメ化しちゃってもいいのよ、という雰囲気満載なのであります。

カーリー <1.黄金の尖塔の国とあひると小公女> (講談社文庫)カーリー <1.黄金の尖塔の国とあひると小公女> (講談社文庫)
(2012/10/16)
高殿 円

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しかし今2巻までなのですが、非常に「ええーここでー!?」というところで止まっています。
早く3巻、3巻を・・・!
しかしやっぱりドレスを仕立ててパーティに行ったり王子様に胸ときめかせたり、寄宿舎の一室で先生に内緒のお茶会なんてのは女子の永遠の憧れなんですねえ。
2013-04-07-Sun-22-43

よつばと! 12巻

累計1000万部突破だって。
すごいね。

よつばと! 12巻/あずまきよひこ/電撃コミックス

よつばと! 12 (電撃コミックス)よつばと! 12 (電撃コミックス)
(2013/03/09)
あずま きよひこ

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「とーちゃん」と二人暮らしの少女「よつば」を通して、ご近所さんと身の回りの日常生活を綴ったほのぼの漫画。
上にも言った通り1000万部突破だそうで、もはや国民的漫画といってもいいのでは。

12巻では、すっかり秋です。
1巻でよつばが町にやってきたのが、多分初夏くらい?だったから、やっと半年が経ったのかな。
作中ではゆっくりゆっくり時間が流れるのですが、個人的には、春夏秋冬の1年が経過したあたりでこの物語としてはおしまいかなぁと予想しています。
といってもこのペースなら、それでもまだまだ数年はかかりそうですが。

ちなみに個人的には、しまうーが好きです。
とらこも好き。
脇役が好きなんですかね…
あとは、とーちゃん&ジャンボ&やんだの、大人気ない男子チームの雰囲気も好きです。
いい年して馬鹿やれる友達とつるめるのってとても幸せだなーと思うんです。

2013-04-04-Thu-21-29

未知との遭遇

未知との遭遇/腰乃/ビーボーイコミックスデラックス

腰乃さんの新刊、リーマンものです。
パンツ愛好者(男性用)の後輩と、いじめっこ体質の先輩とのドタバタラブコメ。
デザイン素材色柄に並々ならぬこだわりを持つパンツフェチな後輩のことが、先輩は何故だか気になってたまらずに、ついついちょっかいを出しては嫌がられ…と、そんなかんじのあっかるい一冊。
どんなもんかなーと思って買ってみたのですが、期待を裏切らないスピード感とテンションの高さ、何も考えずに読めるライトなライトなお話でした。

腰乃さんの魅力は、その『軽さ』だと思います。
大人の男2人が出てくるのに、受ける印象はまるでやんちゃな子犬の取っ組み合い。
一応、濡れ場描写もウリのようですが(←何かでそう読んだ)個人的にはそこはどうでもいいかなあ…いや、もちろんそれがサービスシーンだってのは分かってるんですが。
確かに始めて読んだコンビニの本では、濡れ場に至るまでのコメディの流れを裏切るねちこい描写におどろいた記憶があります。
でもやっぱりこの人の魅力は、頭からっぽにしてふふふと笑えるというその点ですね。
人によってはそれが物足りないのかも?
軽すぎる、という人の意見も分かります。
また人によっては絵が苦手なのかも。
率直に「下手だ」という意見も見聞きしたことがありますが、個人的には、この人の作風に似合いの画風が確立しているし、それだけの画力はあるのだと思います。
読むのが辛いというほどの絵でもなし、ある意味スピード感、ライブ感を感じる絵柄じゃないかと。
あんまりカチッとしてる無個性な絵よりは全然好きですけどねー。
まあ「上手い!」とも思いませんが…上手い絵がマンガ向きとも限りませんので。

未知との遭遇 (ビーボーイコミックスデラックス) (ビーボーイコミックスDX)未知との遭遇 (ビーボーイコミックスデラックス) (ビーボーイコミックスDX)
(2013/03/09)
腰乃

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わいわいキャッキャとしたテイストのBLを求める人はお好きだと思います。
なんだかんだラブラブなのも、けっこう好きです。

2013-03-31-Sun-21-05

NightS、囀る鳥は羽ばたかない

ヨネダさんのマンガ2冊、お友達に借りました。

NightS/ヨネダコウ/ビーボーイコミックスデラックス

NightS (ビーボーイコミックスデラックス) (ビーボーイコミックスDX)NightS (ビーボーイコミックスデラックス) (ビーボーイコミックスDX)
(2013/02/09)
ヨネダ コウ

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前作の『どうしても触れられたくない』もしっとりと大人なBL長編でしたが、この『NightS』は短編集です。
裏社会モノ、学生モノ、そして働くお兄さんものということでテイストもさまざま。
『どうしても~』が力が入っているのを感じた分、でもちょっとだけ「この手の作風以外だとどうなんだろな?」と思っていたのですが、いや、御見それしました。
どの短編も非常に安定感のあるいいお話でした。
個人的にはどの短編もそれだけで十分単行本一冊にはなるなってくらいの魅力を感じたのですが、それをあえて「短編」でサラッと描いているのがいいのかも。
最近はサービス過剰気味の作品が増えている気がするのですが、こういうチラリズム的な?「もうちょっと!もうちょっと見たいからー!」と思えるくらいで終わるお話が、一番いい状態なのかもしれないと思うようになりました。

それからも一つ。

囀る鳥は羽ばたかない/ヨネダコウ/H&Cコミックス

囀る鳥は羽ばたかない 1 (H&C Comics  ihr HertZシリーズ 129)囀る鳥は羽ばたかない 1 (H&C Comics ihr HertZシリーズ 129)
(2013/01/30)
ヨネダ コウ

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ちょっとライトなテイストの『NightS』と比べると、こっちはぐっとシリアスな雰囲気です。
裏社会モノ、ヤクザものです。
こっちはちょっと好みが分かれるかな…でも最終的には救いがありそうな、そんな印象の第1巻。
3作通してのヨネダさんの印象は、誠実なBLを描く人だなあというところです。

2013-03-30-Sat-22-00

私の戦後追想

私の戦後追想/澁澤龍彦/河出文庫

私の戦後追想 (河出文庫)私の戦後追想 (河出文庫)
(2012/07/05)
澁澤 龍彦

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澁澤先生のエッセイ集。
まず表紙の写真がかっこいーです。
なんとなく芥川龍之介風?永遠の文学青年、てかんじ。

タイトル通り、この本では著者自身の(戦中も含む)戦後の思い出が語られます。
さまざまな媒体に発表していたせいか、内容が多々かぶっているところはご愛嬌。
美学というかポリシーというか、己を貫いた人だなあという印象は読後も変わることはありませんでしたが、身近にいたらちょっと大変かも。
TVの点け方が分からないとか家族と生活時間逆転とか、うーん、想像しただけで疲れる。
やっぱりこの手の人は、遠くから羨望の眼差しで見つめるに留めておいたほうがいいのかもしれないですね。

2013-03-28-Thu-21-38

放浪息子 14巻

放浪息子 14巻/志村貴子/ビームコミックス

放浪息子 14 (ビームコミックス)放浪息子 14 (ビームコミックス)
(2013/02/25)
志村貴子

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主人公の二鳥くんたちも、小学生から始まってもう高校生。
早いものだと思っていたら、なんと放浪息子、連載10年を迎えていたそうです。
ということは、リアルだったらすでに成人!
ひゃー、そりゃあ私も年を取るよね!と恐ろしくなりました・・・。

しかし恐ろしいのは、このお話、未だに着地点が見えないところです。
いったいどんな最終回を迎えるのか、まだ全然想像がつかない。
そして大抵の場合こういう長期連載って途中でダレる感が出てくるものですが、放浪息子はそれがない(と思う)。
ありきたりな日常の中に、ぴんと張り詰めた緊張感が常に漂っている気がするのです。
常々思うことですが、この作風を描けるだけの画力があっての『放浪息子』だなと。
完結したら一気に読み返そう。
それが今から楽しみです。

そういやアニメ見てないなー
どんなもんだったんだろ

2013-03-16-Sat-20-49

白蝶花

白蝶花/宮木あや子/新潮文庫

白蝶花 (新潮文庫)白蝶花 (新潮文庫)
(2010/09/29)
宮木 あや子

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宮木さんの本、たしか3冊目。
で、3冊読んだ中で一番好みの一冊でした。

内容としては、戦前~戦後の激動の時代を駆け抜けた女性たちのそれぞれの人生・・・ということで、各お話ごとにヒロインが設定されるという短編、だけどそこかしこで彼女たちは繋がっているという連作仕立てです。
芸者として身売りされた少女が知った初めての恋、田舎町からやってきた少女の大人への目覚め、誰にも心を許せない孤高な少女の揺れる心。
こうやって書いてみると、「大人の女性の恋物語」というよりは(なんとなくそういうテイストかと思っていたんだけど)、「少女たちの恋の目覚め、大人への歩み」的な一冊だったのかなと思いました。
頑なだった少女が初めて他人に心を揺さぶられたり、子供子供していた少女が生まれて初めての高揚に身を委ねたり。
激動の時代にあっても、むしろだからこそあまりにも人間的な少女たちの物語です。

なんというか、多分に情念的なので、読み手は選ぶかも。
ちょっとばかり女性向けすぎるかもしれない。
でも好きな人はすごく好きだろうなあという、そんな宮木さん感想でした。



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