フナフナベイベ

徒然に一人語る読書感想文。 雑食ですが趣味嗜好はかなり偏っておりますのでご注意を。

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2010-11-23-Tue-20-31

白蓮れんれん

この前NHKでやっていて、そういえば夏に帰省した時に読んだなー・・・と思い出して。
母チョイスの一冊、大正の麗人・柳原白蓮の物語です。

柳原白蓮は、華族出身の歌人。
その玲瓏たる美貌で、『大正三美人』の一人にも数えられ、当時の婦女子の間ではなかなかの知名度だったとか。しかし、彼女の名を今日まで語らせているのは、そんな上っ面の華やかな名声ではありません。
彼女を名を日本中に知らしめたこと、それは大富豪の夫を捨て、年下の学生と駆け落ちしたという、そのあまりにもスキャンダラスな一面なのです。

・・・という、なかなかお昼のワイドショー的な人生ではあるのですが、これが意外と面白い。
華族の令嬢にしてはあまりに苛烈、激しい人生に、ホホーウとなることしきりでした。
その激しい気性に、どんな気の強そうな美人なのかと思っていたら、NHKで見た写真は思いのほか儚げな美人だったりして・・・これはなかなか、魔性ってかんじです。
100年も昔の日本にはこんなハーレクインも真っ青のロマンスがあったのねって、女性ならきっと興味深く読めることでしょう。

バツイチ、不倫、だけど純愛。
女の一生ってかんじですか。

白蓮れんれん (中公文庫)白蓮れんれん (中公文庫)
(1998/10)
林 真理子

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2010-11-22-Mon-18-18

萌えの起源

萌えの起源/鳴海丈/PHP新書

なんとなく図書館で借りた本です。
タイトルがキャッチーで・・・こういう、マンガやアニメ論の読み物ってついつい手を出してしまいます。
ちょっと前から、流行るというほどではなくても、ソコソコ刊行されていますしね。
でもそれだけに、新しい切り口というか、目の付け所というか・・・どうしてもマンガ通史というかんじになってしまって、読んでいて「新しいな」と思えるものってあまりお目にかからない気がするのですが、この本はちょっと違いました。

なんといってもね、筆者の肩書きが「時代小説作家」なんですよ。
これはちょっと新しいですよね。かつてなかっただろう、と思います。
で、肝心の中身なのですが、これも案外面白かったです。
タイトルがタイトルだけに、近年注目されている『萌え』系マンガ、アニメについての本かな~と思っていたのですが、この本では『萌え』をニアリーイコールで『カワイイ』としてとらえ、それが日本においてどれだけ昔から脈々と受け継がれてきたひとつの美意識であるか、と語っています。
デフォルメされたミニキャラ、SDはそもそも江戸時代の根付の時代から存在した、とかね。
なるほど時代作家・・・と思わせる目のつけどころです。
まあそんな出だしの後は手塚マンガについてだったりして、わりと普通の流れになっていくんですけれども、ちょいちょい日本文化を引き合いに出してくるあたりが私好みで面白かったです。
(そういえば、手塚マンガを『萌え』の観点からリメイクしようというプロジェクトが公式にあるみたいですね。懐広いなあ、さすが漫画の神様。でも手塚漫画はエロスだと私も思います)

ただ面白かっただけに、このタイトルが残念でした。
このタイトルだと、一気に読者の幅が狭まってしまうというか・・・キャッチーなのは確かですが、『萌え』だけに言及しているわけではないし、もっと違うタイトルはなかったのかなぁと。
あとこの本は作者の口述をインタビュアーがまとめたという形になっているそうなのですが、そのせいか、文中に(笑)や(苦笑)の文言が散乱しています。
個人的には、それが妙に気になりました。
やたらカジュアルな文体だなー・・・とは思っていたのですが、後書きで口述筆記だと聞いて納得しました。
でもやはり、書籍という形式で読むのに(笑)系の表現は気になります。それならいっそ対談形式にしてくれたら、まだ気にならなかったのに。

とまあそんなかんじで、面白くもあり、思うところもある一冊でした。
全体としては楽しく読めました。
たまたまですが、先日読んだ『逝きし世の面影』とかぶる部分もあったりして、こういうリンクってちょっと嬉しいものですね。

「萌え」の起源 (PHP新書 628)「萌え」の起源 (PHP新書 628)
(2009/09/16)
鳴海 丈

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2010-10-30-Sat-11-53

逝きし世の面影

逝きし世の面影/渡辺京二/平凡社ライブラリー

珍しく買ってしまいました。
発作的に・・・高かったですが、楽しんで読めたし、まあいいかな。

タイトルの『逝きし世』というのは、かつてこの世に存在した『日本』という国のこと。
今現在私たちが住んでいる『日本』とは似て非なる、「諸外国の文明文化に晒される以前の前近代日本」、だそうです。
作者が主張しているのは、それはたんに「かつての日本」なのではなく、すでにこの世から消滅してしまった「文明としての日本」という点。
「文化は滅びないし、ある民族の特性も滅びはしない。それらはただ変容するだけだ。滅びるのは文明である」と文中で言及しているように、かつてこの世にあったはずの、訪れる外国人を魅了してやまなかった『日本』という国の、「すでに滅んでしまった文明」がこの本の主題です。

というわけで、本作は前提として「もはや取り返しはつかない」というところから始まっているんですね。
「昔の日本はこんなに素晴らしかったんだ」、「だから昔の日本に戻りましょう」という保守的なメッセージがあるわけではない。
ある種のパラダイスとさえ言われていた『日本』はもはやこの世には存在せず、そして今を生きる日本人はすでにかつての日本人とは別個の文明の人々だからです。

この本では、江戸末期から明治にかけて日本を訪れた外国人の視点が多く語られます。
某国の大使として訪れた人から個人的旅行者までの日記や書き残した記事を多く引用して、かつての『日本』が語られるわけです。
もちろんその中には日本色に染まってしまった日本びいきの外国人もいれば、仕事だから仕方なく来訪しただけの日本嫌いもいるわけで、さまざまな日本観があります。
作者はそれらの両方に目を通し、その両者がともに見たであろう『かつての日本』、『かつての日本人』の姿を私たちの目の前に描いてみせるのです。

まるで子供のようだけど、愛すべき資質をもつ人々。
それは確かに今の私たちとは全く違う文明の人々なのだと思えました。

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
(2005/09)
渡辺 京二

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学術書なのかなー・・・と思っていましたが、案外サラッと読めました。
作者は在野の思想史家なのだそう。だからなのかな。
自分が今大学生で、また卒論を書かなくてはならない状況だったのなら、こういうテーマで書くのも面白いだろうなーと思いました。

2010-10-25-Mon-21-05

人生の大切なことはおおむね、マンガがおしえてくれた

人生の大切なことはおおむね、マンガがおしえてくれた/川原和子/NTT出版

なんというかタイトルそのまんまの本です・・・。
大のマンガ好きである作者がその愛と情熱を傾けまくったマンガについての一冊。
マンガ好き、オタクであることを自認する私はついついこういう種類の本に手を出してみるのですが、ものによってはぬるいなーと感じるものがあったりなかったり。
その点この本は、作者自身のブログを以前から拝見していたこともあってか、なかなかバランスのいい『マンガ本』だと思いました。

作者は恐らく私よりひと世代上の方、かと思うのですが、その大部分は『少女マンガ』についてでした。
陸奥A子あたりの古式ゆかしい少女マンガから、ハチクロ、NANAというメジャーヒット作、見落とされがちな四コママンガからなかなか手を出せない今時の若い子向け少女マンガに、締めはBLまで、という幅広い種類が網羅されています。

なんとなく印象的だったの作中の言葉に、こういうものがあります。

『自己陶酔するには理性が邪魔をしてしまう、そんな人の照れ隠しなのだろう』

と・・・。
ちなみにこれは川原泉作品について語られた言葉なのですが、なーんか我がことを言い当てられている気がしてしまって。いえ、自分のことを理性的な人間だなどと言い張るつもりは決してないのですが、「自己陶酔しきれない」って部分がどうにも。変なところで他人事のよう、というか・・・常に自分の中に覚めた自分がいる、という感覚が非常によく分かるもので。自分なんかがそんな恋愛ドラマの主人公(もしくは悲劇のヒロインとか)になれるわけないよね、という、それは一種の卑下なのかもしれないですが・・・。

まあ読んでみた印象として、「この人と友達になってマンガ談義をしたら楽しいだろうなー」と思える一冊でした。
自分と読み方の傾向が似ている、というのが大きなポイントなのかもれしれないです。
80年代白泉社作品にはまったことがある、という方なら一読をオススメです。
白泉社作品にはまったかどうかというのは、結構、女子のマンガ読みの好みを判別する試金石になる気がするのです・・・。

人生の大切なことはおおむね、マンガがおしえてくれた人生の大切なことはおおむね、マンガがおしえてくれた
(2009/03/25)
川原 和子

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あとどうでもいいですが、「女子」という言葉の使い方にも納得。
そうなんですよね、「女の子」って柄じゃないし、でも「女性」というほど自分は大人じゃない気がする・・・というか自分が勝手に「女性」という言葉に女性らしさのニュアンスを感じ取っているだけかもしれませんが。
「女子」って言葉ひとつにこんなに色々と面倒くさいことを考えている、という点だけでも結構高感度が上がったりして。
あとでも最後にひとつだけ、終盤のBLコーナーですが、あのラインナップ、あんまり初心者向けってかんじじゃないんですが・・・。最初が西田東ってさあ・・・いや、私は好きですけどね・・・。

2010-10-15-Fri-21-01

お菓子手帖

お菓子手帖/長野まゆみ/河出書房新社

少し前に図書館で借りた本。
パラパラ~と見て、「おお、長野まゆみ風『昭和物語』か」と思って借りてみたら、「物語」というよりは自伝というか思い出エッセイ?みたいなものでした。短編連作かと思っていたのだけど・・・と思いながらも、案外楽しく読むことが出来ました。
筆者の幼い頃の思い出から、小説家を目指してデパートに勤める頃の長い間のことがタイトル通り「お菓子」を軸にして語られます。
子供の頃はこういうことがあった、何味のお菓子が好きだった、あの時にこういうことがあって泣いてしまったことを覚えている・・・などなど、とても細かいところまでが語られます。
長野まゆみだけに、「どこまで本当?どこからフィクション?」という点は謎なのですが、読んでいる限りでは限りなく実際に近いものなんじゃないかな、と。
好きだったお菓子の「どういうところが好きだったのか」「どういう名前だったか」「食感は」「パッケージは」ととても細かいところまで言及してあるのが、らしいなあというかんじです。

子供時代の思い出は、私にしてみれば「昭和」という時代のものであり、小説・物語を読んでいる、という感覚だったのですが、作者が大学生~OLの頃の思い出話は、今の私の年齢に近いところもあり、「何者かになりたいのに何者にもなれないでいる」という葛藤などに共感するところもあり、そういう意味でも面白かったです。

実は私は長野まゆみの熱心な読者というわけでもないのですが、それにしてはまあまあ読んでいる方かな・・・と思います。
「すごく好きっ!」というよりは、「まあまあ好き」というかんじ。
どこが?と言われても「なんとなく」としか応えられないのですが・・・あえて言うならなんでしょうね、「雰囲気」とか「世界観」とか?うーん、ありがちだけど。
きっと、「そういう世界(現実ではない、夢想の世界)に憧れる永遠の少女性」と確固たる世界を持つ作者に、共感するところがあるんでしょう。
今も昔も、長野まゆみワールドに憧れ、共感する少女たちは数多いと思います。
多数派にはならなくても、きっと、どんな世代にも一定数はいるはずの、そういう少女たちが。(あるいは、たまに少年もいるのかもしれない)

言うなれば、方向性は違うかもしれないけれど、ゴスの体現者である野ばらちゃんと近いものを感じるのかもしれません。

きっとまたたまに手にとってはフラッと読んでみたくなるのかも。
長野まゆみは、私にとって、そういう人です。

お菓子手帖お菓子手帖
(2009/06/18)
長野 まゆみ

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へえ!と思ったことがひとつ。
妖精のイラストで有名なシシー・メアリー・バーカーって、かつてチョコレートのおまけカードだったらしいんです。
そりゃあ若かりし長野まゆみも夢中になって集めたことでしょう。しかもごく稀に少年の妖精イラストがあって、それはとても貴重なものだったとか・・・ううん、長野まゆみだなぁ。

2010-10-13-Wed-23-24

星間商事株式会社社史編纂室

星間商事株式会社社史編纂室/三浦しをん/筑摩書房

半年もほったらかしでしたごめんなさい・・・。
時系列順に記事を書いていこうとずっと思っていたのですが、そんなことしてたらますます億劫になるのが目に見えているので、とりあえず今日読んだ本の感想からUPです。
おいおい以前の記録も書いていきたいと思います。

で、今日のこの本。
いかにも三浦しをんらしい本だなあ、という印象です。

・主人公は30歳間近の閑職(社史編纂)OL。趣味は同人誌制作。オリジナルJUNEを学生時代からの仲間と作って楽しんでいる。
・主人公の恋人は放浪癖ありのフリーター。気付くと海外を旅している。
・物語の中心は、大人としての変化(結婚とか出産とか)を迫られる女性主人公の揺れる心情と、社史編纂の中で明らかになる過去の星間商事の信じられない歴史。←これにもまた、物語が絡んでいる

ということで・・・まとめるとなんだかよく分かりませんね。
私も実際、読んでみるまで「同人誌趣味のOLが社の秘密を暴く?ってなんじゃそりゃ」と思っていたのですが、実際読んでみたら、その通りの本でした。
まあ『会社の秘密を暴く』といったところで、三浦しをんですから、サスペンスフルな巨悪を暴く推理もの!とかにはならないんですけどね。

でもやっぱり作者自身が同年代だからでしょうか、自分の生活は変わっていないのに、同い年の友達が結婚して出産して「立派な大人になっている」ということへの違和感や、「趣味を辞めて人並みの幸せ」を選ぼうとする友達への言葉に出来ない苛立ちとか・・・今の自分への不安と周囲からのプレッシャーと、『でも今の自分は捨てられないよ』っていうプライドとか。
そういうね、あまりにも共感できる立ち位置が・・・共感できてしまうのです。
同好の趣味のある方ならば、きっと何がしか思うところはあるんじゃないでしょうか。
まあ穿った見方をすれば、「そんな楽しいだけで同人やってられるかよ」とか「会社、ゆるすぎんだろ」とか・・・という意見もあるんでしょうけど。

傑作!ではないにせよ、じんわりとくるお話でしたよ。
作中に、劇中劇としてショートストーリーが挿入されているのも面白い趣向。好き勝手にやってんなあ、という印象も受けましたが(笑)
会社のくたびれたサラリーマンと営業のBL(主人公作)とか、海賊と金の瞳の少女のラブロマンスとか・・・これまでのしをんのエッセイや作品をいくらか読んだことのある人なら、「趣味まるだしじゃーん!」と思ってしまうでしょう。
でも許せる。笑える。
それはきっとこれ書いてて楽しかっただろうなあ、と思えるから。
楽しんで書いているという雰囲気が頁から溢れて、こちらも楽しくなるからだと思います。

創作するということはもちろん楽しいことばかりではないけれど、自分の血肉を削ってものを作るという人たちももちろんいるのでしょうけれど、でも一番根源にあるだろう原始的なところは、『楽しいからものを作る』ということだと思うのです。
それを見てもらいたい、褒めてもらいたい・・・と思うのは、第2、第3のステップなのであって。
もちろんそれがなくては人目に触れることにはならないし、そうでなくては『創作する』という事実にすらならないのかもしれないのですが。

まず自分が楽しまなくては、人を楽しませることは出来ないと思うのです。

大それた理由なんてなくたって、ただ好きだからやっているということ。

主人公の言葉を借りるなら、「書いたり読んだりするのは楽しい」ってことですね。

三浦しをんのこういう話を読むたびに、ああこの人は物語を愛してる人なんだなあと思うのです。

星間商事株式会社社史編纂室星間商事株式会社社史編纂室
(2009/07/11)
三浦 しをん

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2010-04-12-Mon-21-15

私立探偵・麻生龍太郎

私立探偵・麻生龍太郎/柴田よしき/角川書店

またしても友達に借りた本です。
以前読んだ『聖なる黒夜』の続編・・・続編?です。いえ、物語的には繋がっていないので独立して読めます。ただメインキャラクターが続投なので、まあ続編といっていいんでしょうね。個人的には『黒夜』でヒットだった麻生・練の二人の関係のその後が描かれているので、まさしく続編という印象だったのですが。

本作は、『黒夜』以降警察庁を辞め、私立探偵を生業にし出した主人公・麻生の物語です。
だからまあ、推理小説・・・です。
うんでもごめんなさい、個人的にはやっぱり「麻生と練」の物語だと思えてしまいました。
だって、ねえ・・・。

私立探偵・麻生龍太郎私立探偵・麻生龍太郎
(2009/02/28)
柴田 よしき

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ああ、結局そういう流れになったのね・・・とちょっと切ない。
でも本作中で描かれる麻生さんと練くんの絡みに萌えたことは正直な気持ちです。
というか練くんが可愛い・・・お猫さまではないですか。これで萌えるなってほうが無茶ですよ、柴田さん。
ちなみに練くんのその後が見れる本も借りたので、それもそのうち読もうと思います。
2010-03-24-Wed-20-23

エロティシズム

エロティシズム/澁澤龍彦/中公文庫

去年ブックオフで見つけた古本。
澁澤先生の本は古本で見かけたらちょこちょこ買ってます。ちょこちょこ過ぎて、いったい自分がどれを持ってるのかよく把握できてなかったりするのですが・・・文庫でも自分的に読みやすいものしか手を出さないし、コンプリートには程遠いのですけどね。

さてまあ、タイトル通りの中身です。
私ごときの言葉でまとめるようなものでもないので、文庫カバー裏表紙の文句を抜粋。

『人間のみに許された
  華麗なる<夢>世界へ。
   芸術や宗教の根底に横たわり、快楽・錯乱・狂気にまで高まる
    エロティシズムの渉猟。
 精神のパラドックスへの冒険をどうぞ。』 


・・・というわけで、そんな一冊です。
私は自分で言うのもなんですが、昔から非常な臆病者で、他人の目が気になって、そんな自分を自分で気にしてるような自意識過剰で、いわゆる「世間並み」の基準から外れることに恐怖を覚えてしまうような根性ナシなのですが、もう覚えていないくらいに昔からこういう世界への憧れがあります。たぶんこんな自分だからなんでしょうね。
その世界にいけない自分だからこそ、憧れとともに、羨んでしまうのだろうな。
そんなことを思いました。

エロティシズム (中公文庫)エロティシズム (中公文庫)
(1996/11)
澁澤 龍彦

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2010-03-22-Mon-20-10

聖なる黒夜

聖なる黒夜/柴田よしき/角川文庫

友人に「是非!」と勧められて読んだ本。
えっと、一応・・・一般書です。
い、一般書ですよね?という風に誰ともなく尋ねてみたくなる、そんな本でした。


都内某所で、一人のヤクザが殺された。
ヤクザ世界のみならず警察内部にもその名を轟かす男の死に、容疑をかけられたのは男娼あがりの企業舎弟。恐ろしく頭の切れる美しい若造。それはかつて、主人公・麻生が取り調べを行った青年・山内だった。
当時、ただのいち大学生だった山内は、無実の罪を科せられたのだという。
それが全ての歯車を狂わせたのだと。
果たしてそれは事実なのか?狂った歯車は、もう元には戻らないのか?
苦悩する麻生と山内の過去が交差する。
どれほど願っても、時間は決して巻き戻らない。
何も知らず、平穏だった日々へは帰れないのだー・・・。


・・・ということで、まれに見るゲイ率の高い一般書でした。
しかも文庫版解説は三浦しをん!絶賛してます!そりゃそうかもね!いかにもしをんが好きそうだもんね!という・・・なんというか、「ああ、よっぽど好きなんだろうなあ(笑)」ってのがひしひしと伝わってくる解説でした。
正直ハードボイルド小説自体はやっぱりちょっと肌にあわない部分があって、うーんなんだかなあ、と思うこともなくはなかったのですが、それを補って余りあるのがこの作品に登場する男たちの絡み合い。
あ、精神的な意味ですよ、精神的な。
でもやはり精神は肉体にも左右されてしまうもので、まあ、そんな・・・むにゃむにゃ・・・というかんじです。お察し下さい。

貸してくれた友人は及川さんファンだそうですが、私は案の定「美しい男娼・山内練」にハマりました。
ええそうですよ、分かりやすいですよ。

聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)
(2006/10)
柴田 よしき

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ちなみに麻生刑事と山内練は柴田よしきの別作品にもちょこちょこと顔を出しているそうで、二人の今後が描かれているとか。
・・・・・気になります。

2010-03-09-Tue-20-08

読む少女

読む少女/岸本葉子/角川文庫

古本屋で何気なく買った本。
タイトルと表紙がいいな、と思いました。
クラスでものすごく本を読むほうというわけではなかったのに、気付けばいつの間にか本にまつわる仕事をしている・・・という筆者が語る、ささやかな思い出。
さらりと読めるわりに、味のある一冊でした。
幼い頃近所に住んでいたという親戚のおじさんがいいかんじです。

何故かアマゾンの画像が出ないのが不思議・・・。



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